「エルネスト・ネト展」 エスパス ルイ・ヴィトン東京

エスパス ルイ・ヴィトン東京
「エルネスト・ネト Madness is part of Life(狂気は生の一部)」
2012/9/29-2013/1/6



エスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中の「エルネスト・ネト Madness is part of Life(狂気は生の一部)」へ行って来ました

今さら説明するまでもなく人気のブラジル生まれの現代アーティスト、エルネスト・ネト(1964~リオデジャネイロ)。

最近では「ネオ・トロピカリア」展で都現美のアトリウムを大胆に用いたインスタレーションに驚いた方も多いかもしれません。

それこそ空間を一変させるネト、ここエスパス・ルイ・ヴィトン東京でもまた大いに楽しませてくれます。



ガラス張りのキューブで一際目立つのが「われわれは生という体の一部」、まさにハンモック状にロープで宙に吊られたウォークイン型の作品です。



そのとぐろを巻くかのように連なり、また浮遊する姿は龍のようでもありますが、形を辿れば明らかなように人体、とりわけ子宮と精子という性のテーマを扱っています。



ともかくは早速中へ。靴を脱いで一歩を踏み入れればそこはプラスチックボールの敷き詰められた内側の空間、通路は揺れ、また足元は沈み、そう簡単に前には進めません。

ロープに捕まりつつ、足を進めると行き着いた先はやや広い空間、ようは子宮です。そこでは寝っ転がったりしながら、どこかゆらりとふわついた浮遊感覚を味わうことが出来ます。

人体を象った言わば有機的な空間へさらに自身の体を介在していく様はまさに身体的体験。それこそ胎児が母体にいる時はこのような感じではないかと想像させられるほどでした。



またもう一つ印象的なのは直立する「トルスマクロボールト」、こちらも身体性に着目した作品ですが、その姿はスカイツリーならぬ塔のよう。うねりながら横へ広がる「われわれは生という体の一部」と対をなしていました。

さてネトと言えば触知性に加えスパイスに由来する嗅覚も重要なところ。



しかしながら今回は匂いがありません。これは当初はスパイスを用いる予定だったものの、この空間を見たネトが合わないと判断し、結果的に匂いのないボールを使ったとのことでした。



展示プラン、またネトのインタビュー言葉を記載したカタログも充実。今回も大変ありがたいことに無料でいただけました。



いつまでも座って、横になっていたくなるようなネトならではの空間。ハンモックの中にいるとしばらく時間を忘れました。

ロングランの展覧会です。2013年1月6日まで開催されています。

「エルネスト・ネト Madness is part of Life(狂気は生の一部)」 エスパス ルイ・ヴィトン東京
会期:2012年9月29日(土)~2013年1月6日(日)
休廊:不定休
時間:12:00~20:00
住所:渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7階
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A1出口より徒歩約3分。JR線原宿駅表参道口より徒歩約10分。
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