都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「内山聡 Soaked Paintings」 eitoeiko
eitoeiko
「内山聡 Soaked Paintings」
9/21-10/20
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/bb/a59476c4e042b945cd486898b6badca5.jpg)
eitoeikoで開催中の内山聡個展、「Soaked Paintings」へ行ってきました。
「私はキャンバスを塗料に浸けた。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/fc/47d0b8599d660e8851e08a441fa38039.jpg)
この言葉から始まる展覧会、遠目、もしくは写真では何のことか分からないかもしれません。
と言うわけで出来る限り作品の近くへ寄ってみましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/70/963fa203fde901af199e15a54c7cc7ec.jpg)
すると下の方に絵具が氷柱のように垂れているではありませんか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/34/0eb340998a4e62094c5ad0833660ff10.jpg)
ずばり簡単に言ってしまえば、これらの作品はキャンバスに絵具を塗るのではなく、浸すことで作られています。
つまり横へストライプ状に重なる色は絵具を横に引いたわけではなく、何度も絵具を浸しては乾かし、また浸すという行為を繰り返したもの。
絵具の数は全部で約20種類。その浸す順番によって別々のストライプが生まれていきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/d8/0e9df01b6988940f25cda07077ca49a4.jpg)
とすると何度も浸された下部はやや厚みが生じるもの。横から見ると確かに下の方が若干厚くなっていることが分かりました。
また裏から見れば一目瞭然、絵具がキャンバス裏側にも断層を描くように固まっていることが確認出来ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/c1/5624b70674de05f660ca7031b10d7f0b.jpg)
ちなみに絵具は色によって乾く時間が異なり、特に白は一番乾きにくいととか。時には二日くらい乾かしてから、次の絵具を浸すこともあるそうです。
一般的にキャンバスへ絵具を塗ったり置いたりする絵画制作おいて、あえて浸すという行為に向き合った作品、シンプルながらも意外性に溢れていました。
なお作家がこの浸すことに何故、取り組んだかについても重要です。
きっかけは東日本大震災です。実は作家が被災地のボランティア活動に参加した際、建物の壁に残った津波の痕跡に強い衝撃を受け、その「逃れられない質量のボリューム」(DMより引用、一部改変。)を絵画に表せないかと考えたことから始まりました。
そう捉えると一見、ポップにも見える色の層が、どこか重みを持ってズシリと響いてきます。
実験的な表現に潜んだ強い動機。その社会的な意味合いもまた注視すべきと言えそうです。
10月20日まで開催されています。
「内山聡 Soaked Paintings」 eitoeiko(@eitoeiko)
会期:9月21日(金)~10月20日(土)
休廊:日・月・祝日
時間:12:00~19:00
住所:新宿区矢来町32-2
交通:東京メトロ東西線神楽坂駅より徒歩5分、都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅より徒歩10分。
「内山聡 Soaked Paintings」
9/21-10/20
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/bb/a59476c4e042b945cd486898b6badca5.jpg)
eitoeikoで開催中の内山聡個展、「Soaked Paintings」へ行ってきました。
「私はキャンバスを塗料に浸けた。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/fc/47d0b8599d660e8851e08a441fa38039.jpg)
この言葉から始まる展覧会、遠目、もしくは写真では何のことか分からないかもしれません。
と言うわけで出来る限り作品の近くへ寄ってみましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/70/963fa203fde901af199e15a54c7cc7ec.jpg)
すると下の方に絵具が氷柱のように垂れているではありませんか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/34/0eb340998a4e62094c5ad0833660ff10.jpg)
ずばり簡単に言ってしまえば、これらの作品はキャンバスに絵具を塗るのではなく、浸すことで作られています。
つまり横へストライプ状に重なる色は絵具を横に引いたわけではなく、何度も絵具を浸しては乾かし、また浸すという行為を繰り返したもの。
絵具の数は全部で約20種類。その浸す順番によって別々のストライプが生まれていきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/d8/0e9df01b6988940f25cda07077ca49a4.jpg)
とすると何度も浸された下部はやや厚みが生じるもの。横から見ると確かに下の方が若干厚くなっていることが分かりました。
また裏から見れば一目瞭然、絵具がキャンバス裏側にも断層を描くように固まっていることが確認出来ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/c1/5624b70674de05f660ca7031b10d7f0b.jpg)
ちなみに絵具は色によって乾く時間が異なり、特に白は一番乾きにくいととか。時には二日くらい乾かしてから、次の絵具を浸すこともあるそうです。
一般的にキャンバスへ絵具を塗ったり置いたりする絵画制作おいて、あえて浸すという行為に向き合った作品、シンプルながらも意外性に溢れていました。
なお作家がこの浸すことに何故、取り組んだかについても重要です。
きっかけは東日本大震災です。実は作家が被災地のボランティア活動に参加した際、建物の壁に残った津波の痕跡に強い衝撃を受け、その「逃れられない質量のボリューム」(DMより引用、一部改変。)を絵画に表せないかと考えたことから始まりました。
そう捉えると一見、ポップにも見える色の層が、どこか重みを持ってズシリと響いてきます。
実験的な表現に潜んだ強い動機。その社会的な意味合いもまた注視すべきと言えそうです。
10月20日まで開催されています。
「内山聡 Soaked Paintings」 eitoeiko(@eitoeiko)
会期:9月21日(金)~10月20日(土)
休廊:日・月・祝日
時間:12:00~19:00
住所:新宿区矢来町32-2
交通:東京メトロ東西線神楽坂駅より徒歩5分、都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅より徒歩10分。
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