都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「曼荼羅展 宇宙は神仏で充満する!」 根津美術館
根津美術館
「コレクション展 曼荼羅展 宇宙は神仏で充満する!」
7/27-9/1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/e0/0bdea4d927f8d83e0f76ec361c138a2d.jpg)
根津美術館で開催中の「コレクション展 曼荼羅展 宇宙は神仏で充満する!」へ行ってきました。
それこそ東博常設などでもお目にする機会の多い曼荼羅。漠然としたイメージこそ頭にあるものの、種類や内容云々については殆ど分からず、そもそも曼荼羅自体をまとめて見たこともありませんでした。
そこで今回の根津美術館の曼荼羅展です。同館所蔵の仏画、曼荼羅を約40件ほど出品。多様な曼荼羅の世界を紹介しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/5c/21ea79e245562eaca870e90a119230d0.jpg)
「金剛界八十一尊曼荼羅」 鎌倉時代 13世紀
まずは一部が表紙にも取り込まれた「金剛界八十一尊曼荼羅」から。密教の悟りが金剛、ダイヤモンドのように堅固であることを示したという曼荼羅。ともかく美しいのは花葉にはじまり諸尊の色彩が実に鮮やかであるということ。図像は驚くほどくっきりと浮かびあがってきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/60/a47a0aaa57f050345d866fc61c83947b.jpg)
「愛染曼荼羅」 鎌倉時代 13世紀
そして「愛染曼荼羅」も同様に色味の見事な一枚。尊像の肉体における朱を帯びた肌色が鮮やか。ちなみにこの作品は修復を経て初めて公開されたものだそうです。(本展ではこの他に「大日如来図」も修復後の初公開です。)
このようにまず感心したのが、曼荼羅の多くが色彩豊かであるということ。もちろん根津美の効果的な照明もあるのかもしれませんが、曼荼羅はどこか古びて退色したものが多いという、今思えば全くをもって根拠のなかった私の先入観は良い意味で裏切られました。
続いては怒りを示して衆生を畏怖の力で正しく導くという明王から。口をくわっと開いているのは「愛染明王像」。さすがに迫力があります。また極めて躍動感があるのが「大威徳明王像」です。水牛の背に左足一本で立ち、両手を大きく開いて矢を射ようとする姿。全身は燃え盛る火焔に覆われていました。
さて最後に私が非常に印象深かった曼荼羅を。それが「兜率天曼荼羅」。弥勒菩薩の浄土を俯瞰的に描いた作品です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/3c/2b1b279973a5d10863ed703d256159f3.jpg)
「兜率天曼荼羅」鎌倉時代 13~14世紀
何が凄いかと言えばともかく画面全体を覆う精緻な描写。主殿に楼閣に門、そして草花などが、驚くほどの細かな線にて描かれています。もちろん輝く金色しかり、彩色にも乱れがありません。
さながら浄土の「洛中洛外図」です。また適切ではないかもしれませんが、グリット状に建物が描かれた画面はCGを彷彿させる面も。シムシティならぬ、思わず中に入ってその中を歩き回ってみたくなります。
本展にあわせて刊行された図録もリーズナブル(1200円)で良く出来ていました。これは買いです。
9月1日まで開催されています。
「コレクション展 曼荼羅展 宇宙は神仏で充満する!」 根津美術館(@nezumuseum)
会期:7月27日(土)~9月1日(日)
休館:月曜日
時間:10:00~17:00
料金:一般1200円、学生(高校生以上)1000円、中学生以下無料。
住所:港区南青山6-5-1
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A5出口より徒歩8分。
「コレクション展 曼荼羅展 宇宙は神仏で充満する!」
7/27-9/1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/e0/0bdea4d927f8d83e0f76ec361c138a2d.jpg)
根津美術館で開催中の「コレクション展 曼荼羅展 宇宙は神仏で充満する!」へ行ってきました。
それこそ東博常設などでもお目にする機会の多い曼荼羅。漠然としたイメージこそ頭にあるものの、種類や内容云々については殆ど分からず、そもそも曼荼羅自体をまとめて見たこともありませんでした。
そこで今回の根津美術館の曼荼羅展です。同館所蔵の仏画、曼荼羅を約40件ほど出品。多様な曼荼羅の世界を紹介しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/5c/21ea79e245562eaca870e90a119230d0.jpg)
「金剛界八十一尊曼荼羅」 鎌倉時代 13世紀
まずは一部が表紙にも取り込まれた「金剛界八十一尊曼荼羅」から。密教の悟りが金剛、ダイヤモンドのように堅固であることを示したという曼荼羅。ともかく美しいのは花葉にはじまり諸尊の色彩が実に鮮やかであるということ。図像は驚くほどくっきりと浮かびあがってきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/60/a47a0aaa57f050345d866fc61c83947b.jpg)
「愛染曼荼羅」 鎌倉時代 13世紀
そして「愛染曼荼羅」も同様に色味の見事な一枚。尊像の肉体における朱を帯びた肌色が鮮やか。ちなみにこの作品は修復を経て初めて公開されたものだそうです。(本展ではこの他に「大日如来図」も修復後の初公開です。)
このようにまず感心したのが、曼荼羅の多くが色彩豊かであるということ。もちろん根津美の効果的な照明もあるのかもしれませんが、曼荼羅はどこか古びて退色したものが多いという、今思えば全くをもって根拠のなかった私の先入観は良い意味で裏切られました。
続いては怒りを示して衆生を畏怖の力で正しく導くという明王から。口をくわっと開いているのは「愛染明王像」。さすがに迫力があります。また極めて躍動感があるのが「大威徳明王像」です。水牛の背に左足一本で立ち、両手を大きく開いて矢を射ようとする姿。全身は燃え盛る火焔に覆われていました。
さて最後に私が非常に印象深かった曼荼羅を。それが「兜率天曼荼羅」。弥勒菩薩の浄土を俯瞰的に描いた作品です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/3c/2b1b279973a5d10863ed703d256159f3.jpg)
「兜率天曼荼羅」鎌倉時代 13~14世紀
何が凄いかと言えばともかく画面全体を覆う精緻な描写。主殿に楼閣に門、そして草花などが、驚くほどの細かな線にて描かれています。もちろん輝く金色しかり、彩色にも乱れがありません。
さながら浄土の「洛中洛外図」です。また適切ではないかもしれませんが、グリット状に建物が描かれた画面はCGを彷彿させる面も。シムシティならぬ、思わず中に入ってその中を歩き回ってみたくなります。
本展にあわせて刊行された図録もリーズナブル(1200円)で良く出来ていました。これは買いです。
9月1日まで開催されています。
「コレクション展 曼荼羅展 宇宙は神仏で充満する!」 根津美術館(@nezumuseum)
会期:7月27日(土)~9月1日(日)
休館:月曜日
時間:10:00~17:00
料金:一般1200円、学生(高校生以上)1000円、中学生以下無料。
住所:港区南青山6-5-1
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A5出口より徒歩8分。
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