都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「安田悠 Between」 YUKA TSURUNO GALLERY
YUKA TSURUNO GALLERY
「安田悠 Between」
6/7-7/12
YUKA TSURUNO GALLERYで開催中の安田悠個展、「Between」を見て来ました。
1982年に香川県で生まれた油絵のペインター、安田悠。私が初めて意識して作品を見たのは2008年のこと。VOCA展とワンダーサイトのエマージング展です。まるで幻影を前にしたかのような心象風景。独特な揺らぎのある絵画世界に惹かれたことを覚えています。
何と約3年ぶりの個展です。東雲はツルユカノギャラリーで行われています。
安田悠「Between」Works in Exhibition
さて出品は大小15点ほど。まず印象深いのは色の層。縦や横方向に積みあがり、また並んでいる。色は様々、黒にグレーや焦げ茶、一転して明るいオレンジやエメラルドグリーンであったりもする。そこへ白が混じり合います。ストロークは一定ではなく、うねうねと曲がり、細かに切れていたりする。それらがさも溶け合うかのように美しいグラデーションを描いています。
上記フライヤー作の「Diaphanous」(2014)、どのように映るでしょうか。色の層が上から下へと連なる。上は青く手前はクリーム色です。しばらく見ていると視点が上下から奥、前後へと動いていく。すると手前が砂浜で奥がさざ波、海のように見えてこないでしょうか。そして見上げれば空。薄曇りかもしれません。実在の場所か架空の景色なのか。「心象風景」という言葉も当てはまるような気がします。
数年前の旧作に比べてタッチ、またモチーフとも穏やかになっているかもしれません。以前はまるでブラマンク画の如く荒い筆致が画面を暴風雨のように駆けていた。今は総じて凪です。またなだらかな曲線がさも山の稜線を象るように進む。幽玄な味わいは山水画を連想させるものもあります。
色の層の中にふと人のシルエットが見えるのも特徴です。ぽつんと寂し気に浮かぶ人影。それを目で追いかけながらいつしか画面へ入り込んでいく。タイトルの「Between」には以下のような意味がこめられているそうです。
「中間的な風景」という意味と、「絵の内容がすべてを主張をするのではなく、見る人との間で何かがリンクする作品でありたい」 *ギャラリー公式サイトより
すっと引込まれる景色の魅力。これまでとは違った展開を楽しむことが出来ました。
なおユカツルノギャラリーは、先だって竹尾ペーパーショウの会場ともなった東雲のTOLOT(トロット)内のギャラリー。2013年に同施設に移転オープンしてきました。
「竹尾ペーパーショウ2014」 TOLOT/heuristic SHINONOME(はろるど)
またトロットは複合型のアートスペースです。現在ではこのユカツルノの他に、ヒロミヨシイギャラリーの企画展、またG/P galleryでの緒方範人の個展が行われています。とりわけ東日本大震災の被災地の建築物を写真で捉えた緒方の展示は見入るものがありました。
TOLOT/heuristic SHINONOME
東雲のトロット、場所柄なかなか足が向きませんでしたが、これからはなるべく追いかけていきたいと思います。
7月12日まで開催されています。
「安田悠 Between」 YUKA TSURUNO GALLERY
会期:6月7日(土)~7月12日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:江東区東雲2-9-13 TOLOT/heuristic SHINONOME 2階
交通:東京臨海高速鉄道りんかい線東雲駅A出口より徒歩5分。
「安田悠 Between」
6/7-7/12
YUKA TSURUNO GALLERYで開催中の安田悠個展、「Between」を見て来ました。
1982年に香川県で生まれた油絵のペインター、安田悠。私が初めて意識して作品を見たのは2008年のこと。VOCA展とワンダーサイトのエマージング展です。まるで幻影を前にしたかのような心象風景。独特な揺らぎのある絵画世界に惹かれたことを覚えています。
何と約3年ぶりの個展です。東雲はツルユカノギャラリーで行われています。
安田悠「Between」Works in Exhibition
さて出品は大小15点ほど。まず印象深いのは色の層。縦や横方向に積みあがり、また並んでいる。色は様々、黒にグレーや焦げ茶、一転して明るいオレンジやエメラルドグリーンであったりもする。そこへ白が混じり合います。ストロークは一定ではなく、うねうねと曲がり、細かに切れていたりする。それらがさも溶け合うかのように美しいグラデーションを描いています。
上記フライヤー作の「Diaphanous」(2014)、どのように映るでしょうか。色の層が上から下へと連なる。上は青く手前はクリーム色です。しばらく見ていると視点が上下から奥、前後へと動いていく。すると手前が砂浜で奥がさざ波、海のように見えてこないでしょうか。そして見上げれば空。薄曇りかもしれません。実在の場所か架空の景色なのか。「心象風景」という言葉も当てはまるような気がします。
数年前の旧作に比べてタッチ、またモチーフとも穏やかになっているかもしれません。以前はまるでブラマンク画の如く荒い筆致が画面を暴風雨のように駆けていた。今は総じて凪です。またなだらかな曲線がさも山の稜線を象るように進む。幽玄な味わいは山水画を連想させるものもあります。
色の層の中にふと人のシルエットが見えるのも特徴です。ぽつんと寂し気に浮かぶ人影。それを目で追いかけながらいつしか画面へ入り込んでいく。タイトルの「Between」には以下のような意味がこめられているそうです。
「中間的な風景」という意味と、「絵の内容がすべてを主張をするのではなく、見る人との間で何かがリンクする作品でありたい」 *ギャラリー公式サイトより
すっと引込まれる景色の魅力。これまでとは違った展開を楽しむことが出来ました。
なおユカツルノギャラリーは、先だって竹尾ペーパーショウの会場ともなった東雲のTOLOT(トロット)内のギャラリー。2013年に同施設に移転オープンしてきました。
「竹尾ペーパーショウ2014」 TOLOT/heuristic SHINONOME(はろるど)
またトロットは複合型のアートスペースです。現在ではこのユカツルノの他に、ヒロミヨシイギャラリーの企画展、またG/P galleryでの緒方範人の個展が行われています。とりわけ東日本大震災の被災地の建築物を写真で捉えた緒方の展示は見入るものがありました。
TOLOT/heuristic SHINONOME
東雲のトロット、場所柄なかなか足が向きませんでしたが、これからはなるべく追いかけていきたいと思います。
7月12日まで開催されています。
「安田悠 Between」 YUKA TSURUNO GALLERY
会期:6月7日(土)~7月12日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:江東区東雲2-9-13 TOLOT/heuristic SHINONOME 2階
交通:東京臨海高速鉄道りんかい線東雲駅A出口より徒歩5分。
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