「中西夏之 キアスム/chiasme」 SCAI THE BATHHOUSE

SCAI THE BATHHOUSE
「中西夏之 キアスム/chiasme」 
10/10-11/8



SCAI THE BATHHOUSEで開催中の「中西夏之 キアスム/chiasme」を見て来ました。

1935年生まれの画家、中西夏之。最近ではDIC川村記念美術館で個展を開催。川村の広いスペースを効果的に利用した展示は大いに見応えがありました。

「中西夏之展」 DIC川村記念美術館(はろるど)

新旧作を交えた個展です。そして「アトリエの一部をそのまま展示会場に移動」(*)したという展示。一部の作品は川村の時と同じようにイーゼルに立ててある。さらに床への展開もあります。必ずしも壁に掛けられているだけではありません。

会場内の撮影が出来ました。



ゆえにご覧の通り、作品の横から廻って別の作品とあわせながら見ることも出来ます。「交叉、絡み合い」(*)との言葉がありましたが、確かに作品同士がどこか関係を持ち、また緩やかに繋がっているようにも映る。空間自体が一つの作品、言わばインスタレーションとして捉えても良いのかもしれません。

「本展のタイトルになっているメルロ=ポンティによる用語、chiasme(キアスム)の持つ意味、交叉、絡み合い、見るものと見られるものとの相互交差といったものは、まさにそのまま作家の思考や制作方法につながっています。」SCAI THE BATHHOUSEより



絵画作品に特徴的なドットが床面の球体と呼応しているように見えました。言い換えれば平面からこぼれ落ちた球とでも表せるでしょうか。また平面のとりわけ近作における断片的なドットがさも星空が広がっているようにも映ります。

銭湯跡の同ギャラリーではかつて劇団による公演があったそうです。今もし、この中西の展示空間を舞台するとどのような身体的パフォーマンスが成り立ち得るのだろうか。そのようなことも想像してしまいました。

ちょうど私が出向いた日が秋晴れの土曜日だったゆえでしょうか。おそらくは界隈を巡る観光客の方が作品を背にして楽しそうに写真を撮っている姿が印象的でした。

11月8日まで開催されています。

*印はギャラリーサイトより。写真は全て「中西夏之 キアスム/chiasme」展会場風景。

「中西夏之 キアスム/chiasme」 SCAI THE BATHHOUSE
会期:10月10日(金)~11月8日(土)
休廊:日・月・祝。
時間:12:00~18:00
住所:台東区谷中6-1-23
交通:JR線・京成線日暮里駅南口より徒歩6分。東京メトロ千代田線根津駅より徒歩7分。
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