都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「竹村文宏 Factory」 児玉画廊 東京
児玉画廊 東京
「竹村文宏 Factory」
1/17-2/21

児玉画廊 東京で開催中の「竹村文宏 Factory」を見てきました。
上のDMの画像、キャンバス上に描かれた「立体的な絵」と知れば、驚く方もおられるのではないでしょうか。
素材はアクリル絵具です。チューブより絞り出し、針金もしくは糸ほどの太さに乾燥させ、それを組みあわせては、構造体をキャンバス上に半ば建築する。高速道路や観覧車、また鉄塔やビルなどの立ち並ぶ様子を描いています。
あくまでも「描いている」というのがポイントです。というのもそこに絵具以外のものは一切ありません。さもキャンバス上に線を引くように、立体物としての絵具を線状に繋げているわけです。もちろん3次元ではありますが、ほかの支持体なりが加えられることはありません。基本的にはキャンヴァスと絵具のみです。絵画という枠から離れることはありません。
「竹村文宏インスタレーションビュー」@児玉画廊 *作品の写真が多数掲載されています。
室内空間でしょうか。ピンク色の一枚のキャンバスの上には窓や扉、それに戸棚やハンガー掛けがありました。もちろん絵具で作られたもの。ほかにはピクニックでしょうか。ゴザの上にはワインボトルやバスケット、それに食器などが散らばります。また砂浜を模したような空間にはビーチチェアが置かれています。いずれもさも彫刻を作るかのように細い絵具を重ねては描いていました。
一方、さらに大きなキャンバスで展開されるのは、スケール感のある土地の景観、言わばランドスケープです。
まるでポロックの絵画の如く絵具は自在に散っていますが、良く目を凝らすと細かな線が立体的に浮き上がっていることが分かります。それこそが高架橋です。地のキャンバスについた線がいつしか浮き上がり、一本の立体的な線として橋をつくり、やがて地のキャンバスへと戻る。上の線と下の線が交錯します。その合間にあるのが鉄塔や観覧車です。視点は広い。地図を眺めるかのようです。また飛行機から大地を見下ろしたパノラマのようでもあります。
近作でしょうか。製図面のようなグリットを利用した絵画もありました。ビルやクレーンはパーツ毎にどこか規則正しく並んでいます。まるで整理された箱庭です。先の線の自在なランドスケープ的な作品とは異なっています。
作家の竹村は、本年3月に上野の森美術館で開催されるVOCA展に出展します。

「VOCA展2015 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」@上野の森美術館(3/14~3/30)
私が竹村を知ったのは一昨年の同ギャラリーでの個展のことでした。そして今回も面白い。VOCAにも期待出来ると思います。
2月21日まで開催されています。
「竹村文宏 Factory」 児玉画廊 東京
会期:1月17日(土)~2月21日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:港区白金3-1-15 白金アートコンプレックス1階
交通:東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅3番出口より徒歩10分。東京メトロ日比谷線広尾駅1番出口より徒歩15分。
「竹村文宏 Factory」
1/17-2/21

児玉画廊 東京で開催中の「竹村文宏 Factory」を見てきました。
上のDMの画像、キャンバス上に描かれた「立体的な絵」と知れば、驚く方もおられるのではないでしょうか。
素材はアクリル絵具です。チューブより絞り出し、針金もしくは糸ほどの太さに乾燥させ、それを組みあわせては、構造体をキャンバス上に半ば建築する。高速道路や観覧車、また鉄塔やビルなどの立ち並ぶ様子を描いています。
あくまでも「描いている」というのがポイントです。というのもそこに絵具以外のものは一切ありません。さもキャンバス上に線を引くように、立体物としての絵具を線状に繋げているわけです。もちろん3次元ではありますが、ほかの支持体なりが加えられることはありません。基本的にはキャンヴァスと絵具のみです。絵画という枠から離れることはありません。
「竹村文宏インスタレーションビュー」@児玉画廊 *作品の写真が多数掲載されています。
室内空間でしょうか。ピンク色の一枚のキャンバスの上には窓や扉、それに戸棚やハンガー掛けがありました。もちろん絵具で作られたもの。ほかにはピクニックでしょうか。ゴザの上にはワインボトルやバスケット、それに食器などが散らばります。また砂浜を模したような空間にはビーチチェアが置かれています。いずれもさも彫刻を作るかのように細い絵具を重ねては描いていました。
一方、さらに大きなキャンバスで展開されるのは、スケール感のある土地の景観、言わばランドスケープです。
まるでポロックの絵画の如く絵具は自在に散っていますが、良く目を凝らすと細かな線が立体的に浮き上がっていることが分かります。それこそが高架橋です。地のキャンバスについた線がいつしか浮き上がり、一本の立体的な線として橋をつくり、やがて地のキャンバスへと戻る。上の線と下の線が交錯します。その合間にあるのが鉄塔や観覧車です。視点は広い。地図を眺めるかのようです。また飛行機から大地を見下ろしたパノラマのようでもあります。
近作でしょうか。製図面のようなグリットを利用した絵画もありました。ビルやクレーンはパーツ毎にどこか規則正しく並んでいます。まるで整理された箱庭です。先の線の自在なランドスケープ的な作品とは異なっています。
作家の竹村は、本年3月に上野の森美術館で開催されるVOCA展に出展します。

「VOCA展2015 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」@上野の森美術館(3/14~3/30)
私が竹村を知ったのは一昨年の同ギャラリーでの個展のことでした。そして今回も面白い。VOCAにも期待出来ると思います。
2月21日まで開催されています。
「竹村文宏 Factory」 児玉画廊 東京
会期:1月17日(土)~2月21日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:港区白金3-1-15 白金アートコンプレックス1階
交通:東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅3番出口より徒歩10分。東京メトロ日比谷線広尾駅1番出口より徒歩15分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )