「ゲート モニカ・ソスノフスカ展」 メゾンエルメス

メゾンエルメス
「ゲート モニカ・ソスノフスカ展」 
1/20-3/31



メゾンエルメスで開催中の「ゲート モニカ・ソスノフスカ展」を見てきました。

1972年にポーランドで生まれ、現在はワルシャワで活動するアーティスト、モニカ・ソスノフスカ。何でも日本では初めての個展だそうです。

さてタイトルは「ゲート」。ともかく目に飛び込んでくるのは巨大なスチールのオブジェです。高さは一体何メートルあるのでしょうか。いずれも天井付近から宙吊りになっています。ただしスチールはその殆どがぐちゃぐちゃに曲がっています。適切な表現ではないかもしれませんが、まるで災害による瓦礫のようでもありました。元々、意図してこのような姿に成型したのか、それとも何らかの原型があり、力を加えて出来たものなのか。はじめはどちらか判別すらつきませんでした。

しかしながら良く見ると歪んだオブジェに何らかの形、言い換えれば元にあり得るイメージが残されていることに気がつきました。結論から言えばこれらはタイトルの如く「ゲート」、まさしく門扉や防犯用の格子を模したものです。いわゆる工業的なプロセスにより一度生み出されたゲートをあえて曲げて提示する。もはや本来の機能はありあせん。



ソスノフスカはかねてより建築に興味をもっていたそうです。そしてこれらのゲートも彼女の故郷、ポーランドではよく見られるものであるとのこと。建築物を歪ませては新たな構造物、オブジェを生み出しています。

それにしても硬いスチールにも関わらず、ゲートはまるで糸や布が包まったかのように垂れています。力を加えることで素材の本来的な質感を変えていました。

ふと破壊という言葉が頭に浮かびました。いわゆる美しいとは言い難いものがあります。ずたずたになったゲートが吊られた姿、しばらく眺めていると、何やら不穏でかつ死の気配が漂っているような気がしてなりませんでした。

「造形として佇む建築、銀座メゾンエルメスの展覧会」(エキサイトイズム) *会場内の写真が掲載されています。

3月31日まで開催されています。

「ゲート モニカ・ソスノフスカ展」 メゾンエルメス
会期:1月20日(火)~3月31日(火)
休廊:会期中無休。
時間:11:00~20:00 *日曜は19時まで。入場は閉場の30分前まで。
料金:無料
住所:中央区銀座5-4-1 銀座メゾンエルメス8階フォーラム
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅B7出口すぐ。JR線有楽町駅徒歩5分。
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