都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「新緑の古建築公開」 横浜三渓園
横浜三渓園
「新緑の古建築公開」
4/29-5/6
実業家の原三渓によって明治39年に開園した三渓園。2006年には国の名勝にも指定されました。既に横浜有数の観光地として多くの人に知られています。
三渓園正門入口
基本的なアクセスはバスです。JR線の根岸駅から乗ると約10分ほどでしょうか。最寄のバス停は本牧です。そこで下車し、しばらく住宅街を歩きます。さらに10分強です。すると鬱蒼とした森が現れ、三渓園の正門に到着しました。
大池から旧燈明寺三重塔の方向
実は私自身、三渓園に行ったのは初めてでした。広いとは耳にしていましたが、本当に広い。17万平方メートルです。大池を手前に彼方には三重塔がそびえ立ちます。園内はさながら古建築のテーマパークです。原三渓が全国より移築した全12棟の建築物が建っています。
臨春閣
ちょうどGW期間中、「新緑の古建築公開」ということで、重要文化財の臨春閣と蓮華院が特別に公開されていました。
臨春閣
臨春閣が建てられたのは1649年。数寄屋風の書院造りです。江戸時代には和歌山にあり、紀州徳川家の別荘として使われていました。後に大阪へ一度移されたものの、明治39年に原三渓が購入。おおよそ11年の歳月をかけて配置を練り、大正6年にこの地へ移築しました。
臨春閣内部
松の並ぶ池に面した配置はさも建築時からあったかのような姿。周囲の緑とも調和しています。建物の中にも入れましたが、手入れが行き届いているのでしょう。状態も思いの外に良好です。襖絵は狩野派の絵師が描きましたが、現在は保存の観点からレプリカがはめ込まれています。
臨春閣内部
欄間の彫刻も美しく、細部まで意匠を凝らして作られた建築物だということがよく分かります。ちなみにこの別荘では、かの8代将軍、吉宗も育ったと伝えられているそうです。
蓮華院と竹林
もう一棟、公開されていたのは蓮華院でした。大正6年建築の茶室です。原三渓もとりわけ好んで利用していました。周囲は鬱蒼とした竹林ですが、これも意図してのこと。何でも廃寺に残されて荒れた一庵というコンセプトなのだそうです。
聴秋閣
また近くには聴秋閣が建っていました。建築年は1623年。元々は家光が二条城内に造ったものです。小堀遠州と同時代、幕府の造営に関する事務方を務めた佐久間将監の作だと考えられています。
三渓園大池
あまり時間がなかったために外苑の方までは廻れませんでしたが、それでも大池から内苑、三重塔をぐるっと廻るだけでも約1時間。園内はGW中もあってか大賑わいでした。
三渓園園内
ちなみに園内の三渓記念館では原三渓の書画とともに「新緑に遊ぶ」と題して、下村観山らの作品も展示中でした。言うまでもなく観山は三渓ゆかりの画家です。生前も園内に滞在しては作品を制作。かの「弱法師」の木のモデルは三渓園内の梅だと言われています。
6月には「蛍の夕べ」と題し、平日も夜間開館が行われるそうです。
「蛍の夕べの開催について(6/6~6/14)」三渓園
四季に移ろう花もまた見どころの一つ。季節をかえて改めて出かけたいものです。
本年の古建築公開は終了しました。
「新緑の古建築公開」 横浜三渓園
会期:4月29日(水・祝)~5月6日(水・振休)
休園:会期中は無休。
時間:9:00~17:00 *入園は閉園の30分前まで。
料金:大人(中学生以上)500円、こども(小学生)200円。
*20名以上の団体は各100円引。
住所:横浜市中区本牧三之谷58-1
交通:JR線根岸駅1番乗り場より市バス58・99・101系統で本牧下車、徒歩10分。JR線桜木町駅2番乗り場より市バス8・148系統で本牧三溪園前下車、徒歩5分。
「新緑の古建築公開」
4/29-5/6
実業家の原三渓によって明治39年に開園した三渓園。2006年には国の名勝にも指定されました。既に横浜有数の観光地として多くの人に知られています。
三渓園正門入口
基本的なアクセスはバスです。JR線の根岸駅から乗ると約10分ほどでしょうか。最寄のバス停は本牧です。そこで下車し、しばらく住宅街を歩きます。さらに10分強です。すると鬱蒼とした森が現れ、三渓園の正門に到着しました。
大池から旧燈明寺三重塔の方向
実は私自身、三渓園に行ったのは初めてでした。広いとは耳にしていましたが、本当に広い。17万平方メートルです。大池を手前に彼方には三重塔がそびえ立ちます。園内はさながら古建築のテーマパークです。原三渓が全国より移築した全12棟の建築物が建っています。
臨春閣
ちょうどGW期間中、「新緑の古建築公開」ということで、重要文化財の臨春閣と蓮華院が特別に公開されていました。
臨春閣
臨春閣が建てられたのは1649年。数寄屋風の書院造りです。江戸時代には和歌山にあり、紀州徳川家の別荘として使われていました。後に大阪へ一度移されたものの、明治39年に原三渓が購入。おおよそ11年の歳月をかけて配置を練り、大正6年にこの地へ移築しました。
臨春閣内部
松の並ぶ池に面した配置はさも建築時からあったかのような姿。周囲の緑とも調和しています。建物の中にも入れましたが、手入れが行き届いているのでしょう。状態も思いの外に良好です。襖絵は狩野派の絵師が描きましたが、現在は保存の観点からレプリカがはめ込まれています。
臨春閣内部
欄間の彫刻も美しく、細部まで意匠を凝らして作られた建築物だということがよく分かります。ちなみにこの別荘では、かの8代将軍、吉宗も育ったと伝えられているそうです。
蓮華院と竹林
もう一棟、公開されていたのは蓮華院でした。大正6年建築の茶室です。原三渓もとりわけ好んで利用していました。周囲は鬱蒼とした竹林ですが、これも意図してのこと。何でも廃寺に残されて荒れた一庵というコンセプトなのだそうです。
聴秋閣
また近くには聴秋閣が建っていました。建築年は1623年。元々は家光が二条城内に造ったものです。小堀遠州と同時代、幕府の造営に関する事務方を務めた佐久間将監の作だと考えられています。
三渓園大池
あまり時間がなかったために外苑の方までは廻れませんでしたが、それでも大池から内苑、三重塔をぐるっと廻るだけでも約1時間。園内はGW中もあってか大賑わいでした。
三渓園園内
ちなみに園内の三渓記念館では原三渓の書画とともに「新緑に遊ぶ」と題して、下村観山らの作品も展示中でした。言うまでもなく観山は三渓ゆかりの画家です。生前も園内に滞在しては作品を制作。かの「弱法師」の木のモデルは三渓園内の梅だと言われています。
6月には「蛍の夕べ」と題し、平日も夜間開館が行われるそうです。
「蛍の夕べの開催について(6/6~6/14)」三渓園
四季に移ろう花もまた見どころの一つ。季節をかえて改めて出かけたいものです。
本年の古建築公開は終了しました。
「新緑の古建築公開」 横浜三渓園
会期:4月29日(水・祝)~5月6日(水・振休)
休園:会期中は無休。
時間:9:00~17:00 *入園は閉園の30分前まで。
料金:大人(中学生以上)500円、こども(小学生)200円。
*20名以上の団体は各100円引。
住所:横浜市中区本牧三之谷58-1
交通:JR線根岸駅1番乗り場より市バス58・99・101系統で本牧下車、徒歩10分。JR線桜木町駅2番乗り場より市バス8・148系統で本牧三溪園前下車、徒歩5分。
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