仙台市博物館で「国宝吉祥天女が舞い降りた!」展が開催されています

世界遺産にも登録された奈良を代表する寺院の一つ、薬師寺。東京では2008年に薬師寺展(東京国立博物館)を開催。日光・月光両菩薩像が立ち並ぶ様はまさに圧巻。平成館の展示室がかくも荘厳に見えたことはありませんでした。


「国宝 吉祥天女が舞い降りた! 奈良薬師寺 未来への祈り」@仙台市博物館
会期:4月24日(金)~6月21日(日)

今回、仙台での薬師寺展のメインを飾るのは国宝「吉祥天女像」です。また国宝の「聖観世音菩薩立像」や重要文化財の「地蔵菩薩立像」などもあわせて紹介。薬師寺の寺宝が一堂に紹介されています。


国宝「吉祥天女像」 奈良時代

「吉祥天女像」は麻布の独立した彩色画としては現存最古として知られるもの。天平の優雅な女性が描かれた作品です。手には宝珠をのせ、衣は風に靡いては揺らぐ。まさに表題の如く天から舞い降りてきたかのような姿をしています。


「東塔水煙」(模造) 原資料:奈良時代

730年建立の東塔に関する文物もやって来ています。頂上の水煙の模造のほか、塔の下部に安置さえれた像などを紹介。重要文化財の「四天王立像」も展示されています。

そして今回の「国宝吉祥天女が舞い降りた!」は東日本大震災の復興を祈念しての展覧会です。それゆえでしょうか。「祈り」や「救い」もキーワードの一つです。


重要文化財「地蔵菩薩立像」 善円 鎌倉時代

例えば地蔵菩薩です。六道に現れては衆生を救うという地蔵。薬師寺には平安期以降の地蔵菩薩が数多く安置されていますが、それらもまとめて公開。とりわけ鎌倉時代、善円作の「地蔵菩薩立像」(重要文化財)は目を引くのではないでしょうか。


重要文化財「虚空蔵菩薩坐像」 奈良~平安時代 能満寺

東北との繋がりを示す仏像の展示があるのもポイントです。例えばいわきの能満寺の「虚空蔵菩薩坐像」は姿や形が薬師寺の「文殊菩薩坐像」と良く似ているとか。元々、対になって制作されたという説もあるそうです。


国宝「聖観世音菩薩立像」 飛鳥~奈良時代

本展では両坐像を一緒に並べて展示しています。ラストは国宝の「聖観世音菩薩立像」です。気品すら感じさせる出立ち、仄かな微笑みと、すらっとした美しい体躯は、それこそ東博での薬師寺展での記憶も蘇るところ。実に魅惑的な仏様でした。

公式サイトがなかなかキャッチーで良く出来ています。



「国宝 吉祥天女が舞い降りた! 奈良薬師寺 未来への祈り」(薬師寺展 仙台)
http://kichijo-tennyo-sendai.jp/

定番の見どころや概要、イベント情報などはもちろん、「着せ替え天女ぬりえコレクション」なるコンテンツもあり、会場で募られた塗り絵を実際に紹介するページもあります。ガイドはNHKでお馴染みの「びじゅチューン!」キャラクターでした。



「着せ替え天女 ぬりえコレクション」
http://kichijo-tennyo-sendai.jp/nurie

また会場では会期中休まず、1日3回、薬師寺の僧侶がガイダンスを行っているそうです。そちらに参加するのも手かもしれません。

薬師寺僧侶による「特別展ガイダンス」のご案内

なお本展は東北、仙台開催のみです。一切の巡回はありません。

会期は残り一ヶ月を切りました。「国宝吉祥天女が舞い降りた!」展は仙台市博物館で6月21日まで開催されています。

「東日本大震災復興祈念特別展 国宝 吉祥天女が舞い降りた! 奈良薬師寺 未来への祈り」 仙台市博物館
会期:4月24日(金)~6月21日(日)
休館:月曜日。5月7日(木)。但し4月27日(月)、5月4日(月・祝)は開館。
時間:9:30~16:45。*入場は16時15分まで。
料金:一般1300円 、高校・大学生1000円、小学・中学生600円。
 *10名以上の団体は当日料金より100円引き。
住所:仙台市青葉区川内26
交通:仙台駅西口バスプール9番乗場710~720系統のバス(718系統を除く)で約10分、博物館・国際センター前下車徒歩3分。
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