都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「藤本壮介展 未来の未来」 TOTOギャラリー・間
TOTOギャラリー・間
「藤本壮介展 未来の未来」
4/17-6/13
TOTOギャラリー・間で開催中の「藤本壮介展 未来の未来」を見てきました。
建築家、藤本壮介の類い稀なアイデア、発想力を伺い知れる展覧会と言えるかもしれません。
会場内、ともかく所狭しと並ぶのは大小様々な模型。いずれも藤本が過去から現在まで手がけている約100点の建築の模型です。
とは言え、それらは全て完成した形ではないのがポイント。中には「まだ建築になりきれていない」(キャプションより)ものも少なくありません。
ベオグラードでのコンペで一等に選ばれた都市施設です。無数の曲線を描いては宙に浮く道路の姿は、まるで大蛇がとぐろを巻くかのようです。上下、時に複雑に重なりながら、巨大なランドスケープを描いています。
求心性と流動性がコンセプトだそうです。確かに中心へ渦巻く様は力強く、道路の回転はさも水が流れるかのように躍動感もあります。そして内部にカフェやショップが立ち並ぶとか。きっと歩けば次々と斬新な景色が開ける建物に違いありません。
階段が網の目状に広がっています。「広場と路と家具と建築」(キャプションより)が混ぜあわさったという建物。これを見て連想したのはエッシャーの絵画でした。
中国・広州の住宅です。ともかく感じるのは下から吹き上がるかのような躍動感です。屋根が次々とせり上がり、どこか伝統的な楼閣を思わせる形に仕上がっています。
東京の集合住宅では初期案の模型を提示。三角屋根の箱型住宅が積み上がります。間を結ぶのは階段です。それが互いに唯一の接点なのかもしれません。まるで枝葉を伸ばしては広がる森のようでもあります。
樹木と建築との関係を見ているそうです。一際、目を引くのはスケルトンの建物です。一つ一つのボックスの中には樹木が植えられています。異なった素材を落とし込むアイデア。無機的なガラスと有機的な樹木が違和感なく交差します。実現したらさぞかし美しい建物が出来るのではないでしょうか。
一つ上のフロアにあがってみました。するとより建築の原初的な、しかしアイデアとしてはより大胆で斬新な模型が並んでいました。
今、模型と書きましたが、厳密に言えば模型ではありません。すなわち既成の事物そのもの。例えば基板であり、灰皿であり、また洗浄用のスポンジが置かれています。そこに人型のミニチュアを置くとご覧の通り、さも一つ一つが建築模型のように見えてくるのです。
言わば見立て建築模型としても良いのではないでしょうか。中にはエアープランツをテントのように模したものまであります。さらに洗濯バサミも建築の素材と化しました。こうした発想、おおよそ思いもつきません。
藤本の言う「意外性」と「面白さ」(キャプションより)。これほど簡素でかつ身近な素材を建築物として見定める機会もありません。身近に潜む建築の原型。だからこそ可能性が広がります。
会場内に点在する無数の建築のアイデアの種。今回ほど自由な視点で楽しめた建築展も久しぶりでした。
「建築が生まれるとき/藤本壮介/王国社」
6月13日まで開催されています。おすすめします。
「藤本壮介展 未来の未来」 TOTOギャラリー・間
会期:4月17日(金)~6月13日(土)
休館:月曜・祝日。(5/3を除く日曜開館)。
時間:11:00~18:00
料金:無料。
住所:港区南青山1-24-3TOTO乃木坂ビル3F
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分。都営大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅7番出口徒歩6分。
「藤本壮介展 未来の未来」
4/17-6/13
TOTOギャラリー・間で開催中の「藤本壮介展 未来の未来」を見てきました。
建築家、藤本壮介の類い稀なアイデア、発想力を伺い知れる展覧会と言えるかもしれません。
会場内、ともかく所狭しと並ぶのは大小様々な模型。いずれも藤本が過去から現在まで手がけている約100点の建築の模型です。
とは言え、それらは全て完成した形ではないのがポイント。中には「まだ建築になりきれていない」(キャプションより)ものも少なくありません。
ベオグラードでのコンペで一等に選ばれた都市施設です。無数の曲線を描いては宙に浮く道路の姿は、まるで大蛇がとぐろを巻くかのようです。上下、時に複雑に重なりながら、巨大なランドスケープを描いています。
求心性と流動性がコンセプトだそうです。確かに中心へ渦巻く様は力強く、道路の回転はさも水が流れるかのように躍動感もあります。そして内部にカフェやショップが立ち並ぶとか。きっと歩けば次々と斬新な景色が開ける建物に違いありません。
階段が網の目状に広がっています。「広場と路と家具と建築」(キャプションより)が混ぜあわさったという建物。これを見て連想したのはエッシャーの絵画でした。
中国・広州の住宅です。ともかく感じるのは下から吹き上がるかのような躍動感です。屋根が次々とせり上がり、どこか伝統的な楼閣を思わせる形に仕上がっています。
東京の集合住宅では初期案の模型を提示。三角屋根の箱型住宅が積み上がります。間を結ぶのは階段です。それが互いに唯一の接点なのかもしれません。まるで枝葉を伸ばしては広がる森のようでもあります。
樹木と建築との関係を見ているそうです。一際、目を引くのはスケルトンの建物です。一つ一つのボックスの中には樹木が植えられています。異なった素材を落とし込むアイデア。無機的なガラスと有機的な樹木が違和感なく交差します。実現したらさぞかし美しい建物が出来るのではないでしょうか。
一つ上のフロアにあがってみました。するとより建築の原初的な、しかしアイデアとしてはより大胆で斬新な模型が並んでいました。
今、模型と書きましたが、厳密に言えば模型ではありません。すなわち既成の事物そのもの。例えば基板であり、灰皿であり、また洗浄用のスポンジが置かれています。そこに人型のミニチュアを置くとご覧の通り、さも一つ一つが建築模型のように見えてくるのです。
言わば見立て建築模型としても良いのではないでしょうか。中にはエアープランツをテントのように模したものまであります。さらに洗濯バサミも建築の素材と化しました。こうした発想、おおよそ思いもつきません。
藤本の言う「意外性」と「面白さ」(キャプションより)。これほど簡素でかつ身近な素材を建築物として見定める機会もありません。身近に潜む建築の原型。だからこそ可能性が広がります。
会場内に点在する無数の建築のアイデアの種。今回ほど自由な視点で楽しめた建築展も久しぶりでした。
「建築が生まれるとき/藤本壮介/王国社」
6月13日まで開催されています。おすすめします。
「藤本壮介展 未来の未来」 TOTOギャラリー・間
会期:4月17日(金)~6月13日(土)
休館:月曜・祝日。(5/3を除く日曜開館)。
時間:11:00~18:00
料金:無料。
住所:港区南青山1-24-3TOTO乃木坂ビル3F
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分。都営大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅7番出口徒歩6分。
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