2017年8月に見たい展覧会

ぐずついた天候が続きますが、1年で最も暑い8月がやって来ました。

夏休みに入り、行楽地と同様、美術館や博物館も人出が増しているようです。中でも筆頭は国立科学博物館の「深海展」です。平日こそ待ち時間はないものの、場内はかなり混雑し、待機列の発生する土日には整理券も導入されました。実質、約60分から90分の待ち時間となっています。

ほかにも何かと露出の多い東京都美術館の「ボストン美術館展」、また前回も人気を集めたサントリー美術館の「おもしろびじゅつワンダーランド」も、会期が進むにつれて混雑する可能性があります。それに全国巡回を経て、ようやく東京へやって来た、損保ジャパン日本興亜美術館の「吉田博展」も、多くの来場者を集めています。

7月は東京ステーションギャラリーの「不染鉄展」、練馬区立美術館の「藤島武二展」の両回顧展の充実ぶりが印象に残りました。また埼玉県立近代美術館の「遠藤利克展」も空間を支配するような量感のある作品群に圧倒されました。いずれもこの夏におすすめしたい展覧会です。

今月中に見たい展覧会をリストアップしてみました。
 
展覧会

・「第23回 秘蔵の名品 アートコレクション展 佳人礼讃ーうるわしの姿を描く」 ホテルオークラ東京(~8/24)
・「静かに狂う眼差しー現代美術覚書」 DIC川村記念美術館(~8/27)
・「月岡芳年 妖怪百物語」 太田記念美術館(~8/27)
・「CCMAコレクション いま/むかし うらがわ」 千葉市美術館(8/5~8/27)
・「おもしろびじゅつワンダーランド2017」 サントリー美術館(8/1~8/31)
・「没後90年 萬鐵五郎展」 神奈川県立近代美術館葉山(~9/3)
・「荒木経惟 写狂老人A」  東京オペラシティアートギャラリー(~9/3)
・「ヨーロッパの木の玩具ードイツ・スイス、北欧を中心に」 目黒区美術館(~9/3)
・「地獄絵ワンダーランド」 三井記念美術館(~9/3)
・「やきもの勉強会 食を彩った大皿と小皿」 根津美術館(~9/3)
・「祈りのかたちー仏教美術入門」 出光美術館(~9/3)
・「奈良美智 for better or worse」 豊田市美術館(〜9/24)
・「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971ー2017ー」 東京都写真美術館(~9/24)
・「畠中光享コレクション インドに咲く染と織の華」 渋谷区立松濤美術館(8/8~9/24)
・「引込線2017」 旧所沢市立第2学校給食センター(8/26~9/24)
・「そこまでやるか 壮大なプロジェクト展」 21_21 DESIGN SIGHT(~10/1)
・「ボストン美術館の至宝展」 東京都美術館(~10/9)
・「杉戸洋 とんぼとのりしろ」 東京都美術館(~10/9)
・「モノの力・ヒトの力ー縄文から現代まで 人と工芸の間にやどるチカラ」 國學院大學博物館(~10/9)
・「届かない場所 高松明日香展」 三鷹市美術ギャラリー(8/11~10/22)
・「サンシャワー:東南アジアの現代美術展」 国立新美術館・森美術館(~10/23)
・「ヨコハマトリエンナーレ2017」 横浜美術館/横浜赤レンガ倉庫1号館/横浜市開港記念会館地下ほか(8/4~11/5)
・「黄金町バザール2017」 黄金町エリアマネジメントセンター(8/4~11/5)

ギャラリー

・「ユメイエ展:日本の若手建築家」 TARO NASU(~8/12)
・「第11回 shiseido art egg 菅亮平展」 資生堂ギャラリー(~8/20)
・「杉戸洋ーfrontispiece and end leaf  チリと見返し」 小山登美夫ギャラリー(8/5~9/2)
・「Point-Rhythm Worldーモネの小宇宙」 ポーラ・ミュージアム・アネックス(~9/3)
・「Apeloiggg Tokyo フィリップ・アペロワ展」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(8/7~9/16)
・「鏡と穴ー彫刻と写真の界面 vol.3 水木塁」 ギャラリーαM(~8/26)
・「東恩納裕一 blankーprints and drawings」 日本橋高島屋美術画廊X(8/16~9/4)
・「池田学展 誕生」 ミヅマアートギャラリー(~9/9)
・「ジャストライト」 アキバタマビ(~9/10)
・「東京東ーシタマチ Discovery」 クリエイションギャラリーG8(8/22~9/14)

まずは横浜です。6回目となるヨコハマトリエンナーレが8月4日からいよいよスタートします。



「ヨコハマトリエンナーレ2017」@横浜美術館/横浜赤レンガ倉庫1号館/横浜市開港記念会館地下ほか(8/4~11/5)


「島と星座とガラパゴス」と題し、「接続」と「孤立」をテーマにした様々な展示が行われるようです。また今年もBankART Studio NYKや黄金町バザールと連動しています。全て回ると一日がかりです。時間に余裕を持って出かけたいところです。

夏の恒例のオークラのチャリティー企画、「秘蔵の名品 アートコレクション展」が今年もはじまりました。



「第23回 秘蔵の名品 アートコレクション展 佳人礼讃ーうるわしの姿を描く」@ホテルオークラ東京(~8/24)

今回の着目点は人物です。洋画と日本画を問わず、主に女性を主題とした肖像画、ないし風俗画が展示されます。アートコレクション展は、それこそ「秘蔵」とあるように、普段、なかなかお目にかかれない作品が出ることも少なくありません。まだ見ぬ作品を目当てに行きたいと思います。

佐賀県立美術館では最多入場者数を記録し、金沢21世紀美術館の展覧会でも注目を集めた池田学の個展が、市ヶ谷のミヅマアートギャラリーで開催されています。



「池田学展 誕生」@ミヅマアートギャラリー(~9/9)

ギャラリーのスペースのゆえにメインの作品は1点、「誕生」です。とはいえ、3.11に着想を得て、のちに構想2年、制作に3年超をかけたという力作です。


さらに今秋、9月末には、佐賀、金沢の展覧会が日本橋高島屋へと巡回してきます。そちらの前に見ておくのも良いのではないでしょうか。


「奈良美智 for better or worse」@豊田市美術館(〜9/24)

なかなか全国の展覧会を見て回れませんが、今月は日帰りで豊田市美術館の奈良美智展へ行ってくるつもりです。実は美術館自体へも一度も出かけたことがありません。展覧会はもちろん、谷口吉生設計による建物にも期待したいと思います。

それではどうぞよろしくお願いします。
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