◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「左側に立つ人が偉い」って?

2015-01-04 11:28:14 | 言葉についてあれこれ
                                カイロス!

 「グレーテルのかまど」の「女心をわしづかみ!プリンセス スイーツ」で女王陛下のヴィクトリア サンドイッチ ケーキを紹介していたとき、ヴィクトリア女王と家族を描いた絵が画面に映りました。そして、かまど(キムラ緑子)が、中世の絵画においては「左側に立つ人が偉い」という鉄則があって、一見するとほのぼのした家族の絵だが、実は、自分は女王であり、自分が偉いということを示すため、左側に自分を描くようにヴィクトリア自身が指示した、という話をしたのです。
 ヨーロッパでは右側に立つ人が偉いわけですから、「左側に立つ人が偉い」というのは違います。その絵は、向かって左側に椅子に腰掛けているヴィクトリア、ヴィクトリアの周りに子どもたち、向かって右側に立っているのが夫のアルバート、こういう具合です。これを見ながら「左側に立つ人が偉い」と聞くと、ヴィクトリアの左側に立っているアルバートが偉いということになります。つまり、かまどは、右側と左側、向かって左側と向かって右側、これを区別していないのです。
 では、どのように説明すればいいでしょうか。中世ヨーロッパの絵画においては「右側に立つ人が偉い」という鉄則があって、一見するとほのぼのした家族の絵だが、実は、自分は女王であり、自分が偉いということを示すため、自分が右、夫のアルバートが左、すなわち、向かって左側に自分を描くようにヴィクトリア自身が指示した。どうですか、これなら分かるでしょう?
 「ジョニー・アップルシードのアップルパイ」でも、「まだ青みがかったリンゴ」と聞こえたとき、画面には、軸の周りが少し赤いけれどまだまだ青いリンゴが映っていました。ひょっとすると、原稿は「まだ青みが勝ったリンゴ」だったのかもしれませんが、例えば「青みがかった緑」は青っぽい緑であって、青みが強い緑を言うのではありません。ですから、赤くなっていないリンゴは「まだ青いリンゴ」でいいのです。
 ちなみに、私の心をわしづかみにしたのはザッハトルテです。ウィーンで購入したザッハトルテを食べたことがあるという知人から聞いたのですが、それは日本のケーキ屋で売られているものよりかなり甘いそうで、砂糖を入れないで泡立てた生クリームを添えるのはそういうわけなのかと合点がいきました。アップルパイも好きぃ~(⌒・⌒)。だけど、本当に食べたいのはタルトタタンだよぉ~。
 昨年◇◇市から△△市へ引っ越し、ケーキ屋、パン屋、あちこち行ってみました。チョコレート系のケーキはおいしいのを見付けましたが、おいしいアップルパイがない(T_T)。モンブランもクッキーも、はっきり言っておいしくない! ◇◇市では、近くのお店でサクサクのおいしいアップルパイを買えたのですが・・・。
 「痛快TV スカッとジャパン 身の回りの悪いヤツがスカッと倒される痛快劇!」というのをYAHOO!テレビの番組表で見たのですが、もやもやする表現はどこか分かりますか? これを書いた人は「身の回り」の意味を理解していないようです。「身の回り」は、「周り」ではなく「回り」と書くことに意味があるわけで、この場合は「身近にいる悪いヤツ」と書くべきですよ。ほんと、スカッとしないったらo(`д´)o!
 物事をちゃんと分かるように言葉で表現する力が足りないのでしょうね、放送業界にはそんな人が大勢います。「世界まる見え!テレビ特捜部」で、話し手が「この世の終わりが来たかのようですよ」と言っているときのテロップが「この世の終わりが来た」でした。どこの局もそうですが、テロップ入力作業者は簡潔にまとめるのが本当に下手。字数を増やせないなら「この世の終わりのよう」と書けばいいのに┐( ̄д ̄)г。

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