◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「ご相談を承ってくれます」って?

2022-05-22 09:45:20 | 言葉についてあれこれ
                                  ちょっと相談が・・・

 「ご先祖様の供養に関するご相談を承ってくれます」はタウン誌に載っていた広告です。“広告主”から話を聞いた“タウン誌の担当者”が読者にお勧めするという形式なのですが、広告主の「承っております」を「承ってくれます」にしただけですね( ̄д ̄)! タウン誌スタッフの言葉なら「ご先祖様の供養に関する相談に乗ってくれます」でしょ!
 「飼い主さんから見ると『なぜあんなにこっそりと見られているのだろう』と謎が深まることだと思います。(中略)それを自分は安全な場所にいながら、こっそりと観察されている可能性があります」(2020/3/10 12:00 ねこちゃんホンポ)って( ̄д ̄)! こっそりと見られて、安全な場所で観察されて、猫? 飼い主?
 これをまともな日本語で書くと「飼い主さんにしてみれば『なぜあんなにこっそり見ているのだろう』と謎が深まると思います。(中略)それを、自分は安全な場所にいながらこっそり観察している可能性があります」で、猫が飼い主を見ている、観察しているわけです。ま、まさか、猫様だから尊敬語・・・なんてね( ̄ー ̄)。
 「まる得マガジン 怒りのセルフコントロール術」で、保田圭の一言の後に「保田さんが言っていただいたような」と言ったのは講師の安藤俊介( ̄" ̄)。「○さんが~ていただく」と言う人って日本語のセンスが欠けていますね。だって、「~ていただく」は「~てもらう」ですよ、なのに、なぜ「保田さんが」なんだ (`^´)?
 「保田さんが」なら保田さんが主体ですよね。よって「保田さんが言ってくださったような」ですが、残念ながら「~てくださった」と言える人は多くありません。「~てくださった」と言えなくて「~ていただいた」としか言えないのなら、「保田さんに」でしょ、「保田さんに言っていただいたような」です。
 しかし、この場合、保田さんにそう言うようにお願いしておいたわけではない、いや、打ち合わせどおりだとしても、少なくとも設定は、保田さんが自分のことを率直に語る、打ち合わせどおりのセリフではないという流れでしょうから、「保田さんがおっしゃったような」と言えばいいのです( ̄- ̄)。
 「お客さんが楽しんでいただく…」と言ったのは一般の人ですが、口先だけ? 「お客さんに楽しんでいただく…」なら本気ですね。「お客さんが」なら主体はお客さんで、そこへ「楽しんでいただく」と続けるのは日本語として成立しないのですから、「お客さんがうんと楽しめるように」とか言わないと。
 「ガッテン!」(2020/8)で「~を○さんご一家がやっていただきました」と言った立川志の輔( ̄д ̄)! 「~を○さんご一家にやっていただきました」でしょ。実験を依頼して○さん宅で収録してきたのは番組スタッフだから、志の輔にしてみれば「ご一家が」か? それならそれで「~を○さんご一家がやってくださいました」でしょ!
 「ペットへの虐待は決して許されない行為であり犯罪だが、なかなか周囲からは気づかないというのが現状だ」(2020/9/3 18:03 FINDERS)って( ̄д ̄)! 「周囲からは」なら「気づかれない」でしょ、「虐待」は、なかなか気づかれないわけです。「気づかない」なら「周囲の人は気づかない」でしょ。何が、誰が、どうした、分かっていますか?
 「義父ががんとなって亡くなった時の冷たさを目の当たりにし、『おかしい』という思いを決定的なものとした」(2021/2/9 6:01 現代ビジネス)って、「と」が好きなのですね、このライターは( ̄" ̄)。「がんになって」「決定的なものにした」でしょ。もっといえば、「思いを」ではなく「思いが」という流れです。
 義父の死に際し、義母の態度が冷たかったので「『おかしい』という思いが決定的なものになった」です。「思いを決定的なものにした」と書くなら、何がそうしたのかを明らかにしないといけませんから、「義父ががんになって亡くなったときに目の当たりにした義母の冷たさは『おかしい』という思いを決定的なものにした」です。
 「友達から『ちょっと泊めさせてもらってもいい?』と聞かれることがありますよね。(中略)勝手に本棚を漁って、持っている本をディスられたこと。自己啓発本や恋愛の指南書などの本を発見され、『こんなの読んでるから彼氏ができないんだよ』とウザい一言を言ってくるのです」(2021/4/25 Googirl)って、一体、誰が主体なんだ?
 登場人物は、この話をしているAと、Aの家に泊まった友達Bですが、AとBが激しく入れ替わる書き方になっています。しかも、「泊めさせてもらってもいい?」だと、AでもBでもない誰かが登場する複雑な話になりますよ。友達Bの言葉なら「泊めてもらってもいい?」か「泊まらせてもらってもいい?」か、どちらかです。
 一貫してAを主体にして書くと、「友達から『ちょっと泊めてもらってもいい?』と聞かれることがありますよね。(中略)勝手に本棚をあさられ、持っている本をディスられたこと。自己啓発本や恋愛の指南書などの本を発見され、『こんなの読んでるから彼氏ができないんだよ』とウザい一言を言われるのです」です。
 「勝手に」以降はBの行動なのでBを主体にして書くと「勝手に本棚をあさり、持っている本をディスったこと。自己啓発本や恋愛の指南書などの本を発見して『こんなの読んでるから彼氏ができないんだよ』とウザい一言を言ってくるのです」です。主体は誰なのか、ちゃんと考えましょう( ̄- ̄)。
 ところで、余談ですがあまりにも気になったので。「趣味の園芸 やさいの時間 旬ベジ ソラマメ」に登場した麻生怜菜、和ごはん研究家というだけあって着物を着て画面の右側に立っていたのですが、上前(うわまえ)が下がってひらひらしていて、みっともないったらもう・・・、スタッフの中にささっと直してあげられる人はいないのか?

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