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安芸高田市吉田町の街並みにある高林防の本堂に吊り下げられている喚鐘で、刻銘によると天保15年(1844)5月に廿日市の山田氏が鋳造したことがわかる。しかし山田氏の誰が鋳造したのかは定かでない。現在判明している限り廿日市鋳物師山田氏最後の鋳造作品である。
吉田町の町並みの中にある高林坊を久しぶりに参詣した。本堂に架けられている喚鐘の銘文には「天保15甲辰年5月上旬・・・」「冶工廿日市山田氏」などと刻されており、現在判明している廿日市鋳物師山田氏の鋳造作品の中で最後のものである。
極楽寺の梵鐘
蓮教寺の梵鐘
極楽寺本堂の宝珠
厳島多宝塔の九輪
厳島神社反橋擬宝珠
正覚院の梵鐘
昨日紹介した廿日市本陣を経営していた山田家は中世から代々鋳造活動をしていた家であり、市域では山田貞栄の極楽寺の梵鐘、蓮教寺の梵鐘、山田貞能の極楽寺本堂の宝珠、厳島多宝塔の九輪、山田貞利の厳島神社反橋擬宝珠、山田貞運の正覚院の梵鐘などの鋳造作品が残されている。