かぶれの世界(新)

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交通違反罰金は交渉次第

2005-02-03 17:48:12 | 旅行記
最初に断っておきたい。これは米国での経験の紹介であり、決してこのブログの読者に勧めているのではない。米国の交通取り締まりの警察官が運転手の話を聞いてくれ酌量してくれたのは多分軽微な違反に全て罰を与えるのが取り締まりの目的ではないと言うことだろう。私の運が良かった経験談として気分転換の積りで読んで欲しい。私の経験を紹介しようと思いついたのは、最近あるウエブサイトで米国では交通違反のあとインターネットで講習を受けると減点にならないシステムがあることを得々と紹介しているのを見て、その前に簡単に切符を切られない工夫をしたらどうだと思ったからだが、そもそも違反すべきでないことは言うまでもない。

私は約4年間の米国生活で、交通違反で7回警察に捕まったが、実は1度しか罰金を払ったことがない。仕事仲間には速度違反切符を何枚も持っているという豪傑はいたが、私のような例はなく皆驚いていた。米国の警察官は交通違反の車を捕まえると、通常、「何故止められたと思うか、何故急いでいるのか」と聞いてくれる。私の経験では見逃してくれるかどうかは、その受け答えがとても重要である。お決まりの質問でも彼らは仕事をしているのだと思って協力的な態度で真面目に応え、決して反発しないことである。簡単なことだが質問に応える時は“Yes, sir/ma’am”と言うようにする。違反の指摘に対しては否定でなく気が付かなかったと答える。ほんの少しの演技力を加味すれば注意だけで済む可能性は高まる。放免される時は「気をつけて行け」と言ってくれる。

最初は仕事で遅くなり深夜シアトルに向かう高速道路を帰宅途中速度違反で止められた。未だ日本から赴任したばかりで国際免許証しかなかった。通常は免許証を提示し直ぐにチェックを受ける。この時は相手の英語がよく判らない、速度違反に気付かなかったがもしそうなら申し訳ないという態度をとった。現地の免許証がないとコンピュータ照会し記録を残すことが出来ないので手続が簡単でないらしく、そのうち早急に免許証をとることを約束させられて放免された。国際免許証ならOKかというと態度が悪く一晩拘置された例もあるので用心した方が良い。

2度目はシアトル郊外のベルビュー(イチローが住んでい町)にあるレストランで食事したあと、帰宅途中一般道路で速度違反で止められた。そのあたりは急坂が多くついつい制限速度を越えてしまった。「ビールを少し飲んだ後、時間を置いて運転していた」と応えたが、アルコール度数を測る笛を吹かされその後両手を広げてまっすぐ歩けるかチェックされた。笛吹きは息を外にも吐き出したのが判りやり直しさせられたが、協力的な態度でやり直し何とか切り抜けた。最後は”Take care, drive safe.”で終わった。95年当時米国でも飲酒運転に対して厳しくなり始めており、免許証取り消しだけでなく会社をクビになる十分な理由になっていた。

次に捕まったのは国立公園のレニア山にハイキングに行った帰りだった。追い越し禁止の山道をのろのろ走る車に痺れを切らし、里に出る直前で追い越し禁止が解除になったカーブを速度を上げて追い越した瞬間後方にチカチカ点灯しているランプに気が付いた。GIカットの若い警官(融通がきかなそうで不安になった)が横に来て、何故止められたか判るかと聞いた。判らないと答えると「追い越し禁止で追い越した」という。「追い越し始めた時は中央線が点線だった」というと、「それでも途中から追い越し禁止(黄色の実線)になったら違反だ」と言われたが、内心は30マイル(約50km)速度オーバを咎められなかったのでほっとしていた。「実線には気が付かなかった、娘が日本から来ており、夕食に間に合うよう少し急いでいたかもしれない」というと、再度色々と注意を受けて放免された。

4度目は郊外のショッピングセンター近くで、何故止められ何故放免されたか良く記憶していない。警官は車をとめ近づいて来た初めから友好的だったので切符を切る積りがなかったのかもしれない。免許証をチェック後、最初から今回は見逃すが気をつけろという風に言われた。後から思い出すに、ダイレクトメールで勧誘され加入したワシントン州警察友の会みたいな名前の団体に寄付し、郵送してきたワッペンを窓に貼っていたのをに気が付いて見逃してくれたのではないかと思う。もしそうなら安いおまじないだった。

その次はカリフォルニア州サンノゼ市に出張した時である。空港でレンタカーを借りてホテルに向かい始めた時はもう日が暮れ始めており道に迷ってしまった。ゆっくりと通りの名前を確認しながら運転していると、信号のない交差点で対抗車線に停車していたパトカーがUターンしてランプをチカチカさせた。一時停止サインをパトカーの前で堂々と無視したという。瞬間に私のコンピュータが激しく回り、ワシントン州の田舎から出てきた何も知らない中年という役回りが決まった。始めてきて道がわからずウロウロして気が付かなかった、困った、申し訳ない、ところでXXホテルはどっちの方向?と聞いたりした。それと信号無視は別だと厳しいことを言いながらも丁寧に道を教えて注意しろと言って放免してくれた。

6度目は危うくパニックになりそうになった。引越ししたサクラメント市のバーで同僚とかなり飲んだ後、1時間程度店でアルコールを醒まして道端に止めていた車に乗り運転をし始めた直後に止められた。同僚の車は皆先に行き店の近くに車を止めていた私だけ捕まった。彼らは待っていたのだ。狙われたら先ず逃れられない。理由など聞かれるはずもない、いわば現行犯である。一晩ジェイルに拘置されるのを覚悟した。広い歩道に連れて行かれ、先ず笛を吹いた。シアトルとは形が違ったが同じ要領で息を吹き込んだ。2回やり直させられたが規定以上にはならなかったようだ。次に直立で30秒か1分だと思ったが空を見ろと言われ、これもあまりフラフラせずクリアした。その次は指を折って1、2、3、4、5と数え、逆に5…1と数えるのを5回程度繰り返させられた。全神経を集中して何とかやり遂げた。最後に彼らは私の摂取したアルコールが運転に影響するほどではないと判断してくれたようだ。気をつけて帰れと言われて放免され最大の危機を逃れた。アルコールを醒ます為に時間を取ったのが良かったようである。

7度目は高速道路からおりて州道に向かう交差点で前にいたトラックの後を付いて行くと、赤信号無視だったらしく警官は一言も口を利かず切符を切った。これでは交渉のしようがない。あっけなく連続言い逃れ記録はストップした。まあこんなもんだろう。友人によるとサンフランシスコなど都市部では理由など知ったことではない、アルコール臭ければ直ぐジェイル行きだと言っていた。 日本でも1度切符を切られたことがあるが、同じように警官は理由など聞かずサッサと切符を切った。


コメント
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