解説： Deep Throat

殆どの人がディープスロートの事を知らなかったようなので簡単に解説しておきたい。

先ずこの題名の映画のことである。「ディープスロート」は米国で2本目のポルノ映画で72年にメジャー・リリースされ大ヒットとなった。たった2万ドルの制作費で6億ドルを稼いだ。事業としてこれだけ効率のいい映画はもう2度とないだろうと言われている。ヒロイン(リンダ・ロブレス)のクリトリスが喉にあるという設定からこの題名になった。当時26の州で上映禁止になったと言われており、保守化傾向にある米国で今回更に上映禁止の州が増える可能性がある。

ウォーターゲート事件を追跡していたワシントンポストの記者ウッドワードとバーンスタインは事件解明に行き詰まった時、ニクソン政権の高官と思しき内部通報者から情報を得て陰謀を解き明かしニクソンを追い込んでいった。この内部通報者を同時期の映画題名をもじってディープスロートと呼んだ。 誰がディープスロートか未だに明らかにされていない、知っているのは記者2人と編集責任者のブラッドレーの3人だけである。後にウッドワードはウォーターゲート事件報道をワシントンポスト紙とニクソン政権の情報戦としてノンフィクション日本名「大統領の陰謀」を著しべストセラーとなり、映画化されアカデミー賞をとった。後にハルバースタムは司法・立法・行政の３権に対してジャーナリズムを第４の権力として位置付け、大著「メディアの権力」でその意味するところを明らかにした。