たった今ワシントンポスト紙のニュース速報が入り、ブッシュ大統領の軍師山本勘助ともいえるカール・ローブ補佐官が退官するとWSJ誌に語ったという。ブッシュがキリスト教原理主義者を中心とする保守本流の支持を固め大統領選に勝ったのは彼の戦略だった。
彼が支援する候補者が必ず選挙に勝つという意味で民主党から「悪魔」と恐れられたカール・ローブもイラク戦争が泥沼に入り、訴訟で身動き取れなかったこともあるが小手先の選挙戦略では中間選挙はどうにもならず、民主党に多数派を明け渡した。
その時から彼の退陣は時間の問題と思っていた。もう役目を果たす機会はありえない。例のCIA漏洩事件の目途が立った時が潮時と思っていたが意外と長引いた。私の直感では首席補佐官がボルテンに変わった時タイミングを計っていると思われたのだが、記事によると民主党が多数派をとった時からブッシュが今まで引き止めたという。
本筋となる国家の政策の是非が問われた時、カール・ローブが権力を持ち小手先の戦略を弄すること(本来小手先の戦略などありえないのだが)の危うさを結果論とはいえ私は強く感じる。補佐官を使う大統領の器量の大きさが足りなかったともいえるが。
それは、日本ではどういうアナロジーがあるだろうか。■