かぶれの世界(新)

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田舎暮らし雑感(3)-プチ農業事情

2007-08-08 14:20:59 | 日記・エッセイ・コラム

月後半田舎に戻ったときはまだ梅雨に入ってなかった。2月に母が入院して以来手入れが出来なかった畑は草ぼうぼうで、周りの良く耕され整然とした田んぼや畑とは際立っていた。気が付いて鍬を入れ始めたところで梅雨になり放置せざるを得なかった。

その間に、懇意にしているSさんに2種類の瓜の苗を頂いて家庭菜園と山麓の畑に植えた。母は最早自力で手入れできないので、相談したときは気乗りしない様子だったが機嫌の良い時に聞いて了解を取った。というのは結局母に聞かないと私にはやり方がわからないからだ。

スコップで1m間隔に穴を開け、そこに苗を植えた。土を盛り上げる必要はない。苗の周りにたっぷり水をやり、やや遠回りに肥料を撒いた。瓜は地を這うように成長するので補助木を立てる必要はないが、表の畑に植えた苗の周りには目印の為枯れ木を立てた。最初萎れていた苗は一雨降ると生き生きとしてあっという間に大きくなった。

月中頃に梅雨が上がると畑の雑草は腰の高さまで伸び遠目にも我が家の畑がひどい状態だというのがわかるようになっていた。最早、鍬で耕すことは出来ない。最初私がやるといったものだから母はいつもならお願いするはずの機械で耕すのを断わっていた。突然、私がやるしかないことに気が付いた。

隣のオバサンが母に勧めたのは除草剤を散布することだった。そうしているうちにSさんが見かねたのか手伝うから枯れ草を畑にまこうと電話をかけてきた。国土省管轄の河川管理の一環で堤防の雑草が刈り取られ放置されている枯れ草をかき集め、Sさんの車に積んで畑にまいていった。

畑の3割くらいやったところで慣れない仕事に私は根を上げて終わりにし、残りはダンボ-ル紙を敷けと勧めてくれた。二三日後家中のダンボールをかき集め畑にしいたが全く不足、Sさんは反対したものの残りは薬を撒くしかなかった。

協が経営しているスーパーで目的を言って除草剤の説明を受け、噴霧器とあわせて購入した。Sさんが言うように除草剤は撒いた後で育てた野菜の根がやや細くなる副作用があるらしいが、土壌が傷むというほどではないらしい。

散布後最低2時間雨が降らなければ効果は出るが、半日くらい雨が降らないのが理想らしい。散布するときは全身を衣服で覆い、農薬用のマスクをつけろという。その通りにしたら汗だくになりサウナに入ったみたいになった。実際にはそれだけではなかった。

店員に勧められた濃度に農薬を薄め散布を始めた時、丁度前の地区長さんが通りかかり除草剤が他のうちの稲や野菜にかかると被害がでると注意を受けた。その日は風が殆どなく、霧から水滴になるようノズルを調整して散布した。危機一髪、隣の水田の稲が枯れたりすると大変なことになるところだった。

彼によると枯れ草を撒くのも「有機農業」っぽくて好いように聞こえるが問題もあるらしい。台風の季節で溝が溢れると枯れ草があちこちの田んぼに漂流し至極悩ましいことになるという。何が正解か良く分からない、草を取るだけなのに難しい。

田舎に住んでいて好いこともある。思いついてうどんを食べるとき、庭に出てネギを一本抜いてきて取り立ての柚子を刻んで薬味にできる。超新鮮。日がかげる頃表の畑に出てナスやトマトを持ち帰る。トマトは青いうちに取り入れ12日置いておくと紅くなり食べ頃になる。

ナスの育ちの早さには驚く。しかし、ここに来てナスは横に太らず細長く成りだした。母はもうそうなる頃だという。私には都会の人が農業を楽しんでやるという心境にはとてもなれない。除草だけでこんなに色々考えなきゃいけないなんて思いもしなかった。

8

7日は例のミズ祭り(施餓鬼法要)と檀家総会がお寺であり、今年も私が母の代わりに参加した。昨年議論が伯仲した本堂修理のような重要テーマもなく総会は無事終った。あれほどもめた修理費用見積もりの倍もの寄付が集まったとの決算報告を聞き驚いた。

前に檀家総代をした近所のおじさんによると、もめるほどの議論ではなかったし、宗教関係の寄付というのは大変だという話になると大抵問題なく集まるという。高額寄付者名簿を見ると他所の方からだった。故郷の先祖ことが気になるのだろう。

この1年間になくなられた方の年齢を見ると90代5人全員女性、残りの70代1人、10代1人が男性だった。ここにも又日本の縮図が見えてきた。何でも興味を持って年寄の意見を聞き、近所の人も助言してくれるというのは田舎の方がアリかもしれない。■

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