かぶれの世界(新)

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かんぽの宿と公務員制度改革

2009-03-22 14:48:00 | 国際・政治

地方分権改革の目玉である国の出先機関の統廃合計画に工程表を入れない政府方針が明らかになり、19日の新聞各紙は地方分権改革委員会の第2次勧告から後退と伝えた。鳩山総務相は自民党内の反発があり、秋に策定予定の地方分権改革推進計画までに具体案を示すと述べたと伝えられている。

自民党の反対といっても、国交省など3.5万人の職員が削減対象となる出先機関を配下にもつ官僚の猛烈な反発を、党が代弁したものであることは間違いない。だがメディアの扱いは意外に控えめだった。20日の朝日新聞は「骨抜き」、「分権はもう進まぬ」と霞ヶ関の見方を伝えた。

支持率低下に怯えた麻生内閣が、開き直って公務員改革を打ち上げたと先月の記事「深読み公務員制度改革」を書いた。( http://blog.goo.ne.jp/ikedaathome/d/20090204 ) 

直後に支持率が一旦下げ止まった気配を見せたが、その後も未曾有の経済危機に適切な対策を打てず内閣支持率はジリ貧になっていた。新聞各紙は、麻生首相は当初示した改革意欲が消え、各省に統廃合改革の工程表を作れと指示した形跡がないという。

簡保の宿の民間売却ではあれほど能弁に問題を指摘した鳩山総務相が、公務員改革になるとすっかり無口になり何らの指導力を見せてない。不思議なのはメディアの追求も弱い。簡保の宿で見せた熱心さが全く見られないのは何故か。上記の朝日新聞の記事も4面の目立たない扱い、主要紙はどこも社説で論評しておらず、世論の反応も鈍かった。

さればといって、野党の声も何故か全く聞こえてこない。気持ち悪い。いつもなら改革が後退したと攻め立てるはずの民主党が、小沢党首の企業献金問題以来歯切れが悪くなった。簡保の宿と公務員制度改革の扱いの差は、メディアにとってニュース性と重要性が逆転しているということか。

公務員制度改革は、麻生政権のやる気次第だと思ったが、どうもそうではないらしい。改革を断行するほどの党内支持基盤がないのも一因らしい。この状況は官僚にとって極めて都合がいいことだけは明らかだ。上出の記事は続けて霞ヶ関では「既に分権はどぶに落ちた改革。もう進まない」という声が広がっていると伝えている。

鳩山総務相の元気な簡保の宿発言と、公務員改革の歯切れの悪い発言は好対照だが、何を基準に重要と考え優先順位をつけているか理解困難だ。国民年金や健康保険の抜本的見直しを主張していた舛添大臣の最近の歯切れが悪さとは偶然の一致だろうか。不思議な凪(なぎ)状態が不気味だ。■

コメント
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