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かぶれの世界(新)

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どたばたギリシャ新喜劇

2011-11-05 17:48:02 | 国際・政治

映画祭で有名な南仏カンヌで開催されたG20首脳会議を舞台に、世界を揺るがすギリシャの債務危機を巡るどたばた劇が展開された。全世界が注目したG20は8-9割が欧州問題に費やされるという異例の展開になったと報じられている。

だが、G20が打ち出した包括的な支援策を受け入れるか国民投票で問うと、突如パパンドレウ首相が言い出したものだからG20首脳は全員のけぞり、世界の市場は暴落した。自慢するわけでは無いが、先日投稿した記事「異説・誰がユーロを救うのか」(10/18)で、「欧州を救うのはギリシャ国民」だと逆説的に指摘したのが危うく本当になるところだった。

折角取り纏めたG20共同宣言のはしごを外され、サルコジ大統領とかメルケル首相は激怒してパパンドレウ首相を呼び出し、ユーロに留まるのか出るのかはっきりしろと迫ったという。絶体絶命と思われたパパンドレウは野党と取引し、たった3日で国民投票は撤回された。人気の無い支援策を受け入れた後の自らの立場を強める為の賭けのように私は感じた。とんだ茶番劇だった。

この茶番劇は凄く分かりやすい。簡単に漫画が描けそうだ。身勝手な子供達に泣き叫ばれるパパンドレウ、彼の襟首を掴んで我慢させろと迫るサルコジとメルケル、その後ろから二人の背中を押しているオバマ、騒動を見守る後ろ手にニンジンの胡錦濤、遠巻きに心配そうに見守る金融・市場関係者。私は絵心が無いが、言葉だけでシーンが生き生きと見えてくる。

どたばた劇の重要な役割を果たすギリシャ国民は観客から馬鹿にされている。彼らの多くは、ギリシャが債務不履行になれば世界経済が大変なことになるのは分かっているが、今まで国民に嘘をついてきた政府が許せないから反対すると発言する姿をテレビニュースは報じていた。嘘をついて得た金を使ったのは彼等だ、その頃の生活が出来ないと文句言っている。やっぱり彼等は状況を理解して無い、私は同情する気にはなれなかった。

蛇足だが、彼等の言い分を聞いているとTPPに強硬に反対する農民の姿が重なって見えた。国が巨額な借金をしてギリシャ国民や我ら農民に配られたお金は当然の権利だ、原資となった国の借金は知らなかった、それを先ずはっきりさせてからでなければ議論に乗れない、みたいな。こんな新喜劇は見たくない。■

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