入れ歯の金具を引っ掛ける歯に違和感があり、先月末に近くの歯医者に電話した。行きつけの歯医者に見てもらうには、帰京予定の11月まで待たなくてはならなかった。田舎の知人が勧めてくれた歯医者は予約で一杯だったが、受付嬢が割り込めそうな時間帯を割り当ててくれて1週間後の先週治療してもらった。
違和感があった歯に大きな穴が空いていると、拡大した写真を見せてくれた。それでも今迄痛みを感じなかった。レントゲン写真では穴と神経が見かけ上繋がっていた。先生は頭を捻って、痛みを感じないのは穴が徐々に広がっていって、神経の先端が少しずつ劣化していったのかもと。
そう言われて記憶を辿っていくと、時々奥歯に鈍痛を感じたことがあった。我慢できないほどの痛みではなかった。先生の言うように少しずつ神経が麻痺していったのか、或いは老化が進み神経が鈍くなったのか。私の素人診たてでは両方が働いた気がする。
先週の治療で、神経を殺して消毒し詰め物をし、今日はその確認をして次週最終処置をすることになった。ところが、今日先生に診てもらう前に技師に他の歯の状態をチェックしてもらい、左側の歯にも異常があることが分かった。
普段なんとも感じないが堅いものを噛むと違和感があるというと、彼女は小さなトンカチで順番に歯を叩いて音を調べ、次に歯1本1本の噛み合わせと痛みの場所を申告させ、痛みの部分のレントゲン写真を撮って異常を見つけた。何だか最近問題になった高速道路のトンネルの天井チェックのようだった。指摘されてかつて治療を受けた歯だと思い出した。
左側の奥歯が割れて付け根が弱くなっていたので、掛付け医は1)抜くか2)上部を繋いで補強するか治療法を説明し、長く持たないかもしれないが補強する治療を勧め、私はそれを聞いてお願いした。昔やった治療をすっかり忘れていた。
割れた歯の前方が傾き補強が緩んでいるらしい。噛み合わせの上側の歯も虫歯で少し欠けていた。これで大した痛みを感じなかったのだから、私は都合の良い鈍感体質になったようだ。痛みに弱い私の体質に併せて変化したのだろうか。帰京するまでに後2回の治療時間しか残されていない。先生に任せるしかない。■