かぶれの世界(新)

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混乱の2022年(補)

2022-02-05 21:42:10 | 国際・政治
先月末に2022年の世界を混乱させる二つの要素、「米中対立」と「金融引締め」を取り上げた。その中で中国の人口増減(2030‐50年)に基づく国力と、バイデン温泉(実行力)が米中対立の結果を左右する事になるだろう予測した。

米国の劣化により圧倒的力を持つ国が消滅したGゼロの世界で混乱を収める為には、米国が現状維持を続ける、つまりバイデン温泉になることだと指摘した。何もしないといっても年々軍事力を強化してきた中ロの暴発を抑止することは容易ではない。私は米国にはその力が残されていると思うと。

昨日の日本経済新聞にイアン・ブレマー氏の寄稿「国家しのぐ巨大テックのリスク」を読んで、私の考え不足で三つ目の要素があると気づいた。彼は国家機能がディジタル世界に存在するようになり、テック企業が未来を形作ることになれば、そんな実力はなく統治不全をもたらすと警鐘を鳴らす。

巨大テック企業は政治権力に見合う統治の仕組みなどない。だが、テック企業なくして米中両国とも国家に必要な統治機能の一部さえ維持できなくなるという。それが2022年以降の世界の現実だとブレマー氏は言い切る。米大統領選後に起こったことを考えれば理解できる。

確かに習政権を支えているのは全土に張り巡らしたディジタル網だ。中国政府の締め付けが度を越せば、習氏を支えたディジタルインフラの発展が妨げられる事になるだろう。日本GDPを上回るテック企業(株価)を持ち、民意が左右される米国の方がもっと深刻になる恐れもある。

ということで、巨大テック企業を如何に制御するかが2022年の重要な課題になると補足したい。今の米国が何とか出来るだろうか、極めて難しいテーマだと思う。最後に日経の編集委員は国際協調で対応できると楽観的だが、前回大統領選の混乱を見ると容易ではないと感じる。■
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