再び我が家にサッカー熱

朝方６時過ぎに起きて居間に顔を出すと、テレビの前の家内が唐突に「スペインが負けたって！」と素っ頓狂な声をかけた。私は一瞬何の事か分からずチョット間をおいて、Ｗ杯の予選リーグで日本がスペインに勝ったことを理解した。家内は時折主語が不明確な喋り方をする。

少し間をおいて「エーッ！日本が勝ったの？」と叫んだ。我が家ではコスタリカに負けた後サッカー熱が冷めてしまい、スペイン戦に勝利する期待がしぼみ誰も深夜に起きてサッカー中継を見なかった。その後、今朝は全チャンネルで日本の勝利を伝えるニュースが流れ、私はチャンネルを変えながら飽きずに同点と逆転のシーンを見続けた。と言っても、運よく勝てたという印象はなかった。

我が家のサッカー熱はまさに手のひら返しで復活した。もしサッカー熱を測る温度計があったら、ドイツに勝った直後の熱より若干温度が低いように感じる。私の場合、日本が勝ったドイツとスペインは引き分けた、となれば日本がスペインに勝ってもおかしくないという変な理屈がある。

その後、中継録画でしっかりゲームを見た。日本が勝つと分かっていても録画を見るのは気楽で楽しめる、特に世界最高のチームを決めるＷ杯のゲームとなれば尚更だ。コスタリカに情けない負け方をした後、監督や選手の前向きなコメントは空元気と疑ったが試合内容は充実していた。

ゲームを通じてスペインのボール支配率が７割以上もあったというが、録画でゲームの流れを見て日本チームがそれ程劣勢にあったように感じなかった。素人目にも日本チームのプレスが良く利いていたと感じた。多分、日本が勝ったと分かって安心して録画を見ていたからだろう。

選手選考時に大迫を外したことを素人の私が批判したが、予選リーグを突破した今になって監督の戦略に基づく選考だったと認めざるを得ない状況になった。今までヘディングによる得点がないこともあり、今でも大迫がいればと思う時もある。だが森保監督の意図はやっと少し分かった気がする。ただ、ドイツ・スペインには通用しても、今後戦う相手にどうかは別の話だと思う。

私は熱狂的なサッカーファンというより、スペイン戦の様にクールなサッカーファンとして今後もテレビ観戦を楽しみたい。起床後に家内と会話を交わし直ぐベッドに戻り寝た。ベッドの中でラジオを聞きながら血圧を測ると、いつもより少し低い値だった。日本勝利の贈り物だ。■