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日経平均ITバブル超えと安保法制

2015-06-25 12:05:57 | 社会・経済
日経平均が昨日2万868円をつけ、2000年のITバブル期の高値を上回ったと報じられた。安倍政権が発足以来2倍以上の上昇率になった。一言で言えば「アベチャン、良くやったね」だ。日本株価倍増は安倍首相のリーダーシップによるところが大きい。だが、それは見かけの話で中身はそれほどシンプルではない。

日経新聞は株価倍増を牽引したのは海外マネーだと報じている。従来の米英に加えスペイン、マレーシア、イスラエル、インド等が日本企業の大株主になった。彼等には今後予定されている米利上げによる円安、株価水準の妥当性(PER=17倍)、安倍政権の安定性などが買い材料になっているという。何しろ海外マネーの取引が全体の7割近く、株主の31%以上が海外だという。

ところが、一方で日本の個人投資家はアベノミクスが始まって株価が上昇し始めて以来ずっと売り越しているという。日本経済の先行きを楽観的に見ておらず、今のうちに利益を確定させようということなのだろう。全体としてはそれ以上に海外や年金・生保など国内機関投資家が株を買って株価を上げている。短期売買をしない海外機関投資家の投資のニュースが聞かれるのは心強い、日本企業への期待が伺われる。

それに反して日本の個人投資家が株を売り越したのは、彼等がマーケットを信頼していないのが主な要因だと思う。80年代のバブル、ITバブル、リーマンショックの度に株価は暴落して立ち直れず、それ以来二度と株に手を出さなくなった人が多いと取引先の証券会社の担当に聞いたことがある。再び株式投資を始めた人も極めて用心深くなっていると思う。

私の考えを総括すると、アベノミクスの株高は国内では冷たく扱われている一方、海外勢に熱く支持(今最もホットな市場)されている。これって何だか今話題の「安保法制」と同じように感じる。安倍首相が執念深く進めている安保法制は国内では根強い反対にあっている一方で、マスコミは報じないが海外では期待する声の方が圧倒的に多い。

日本では世界第二次大戦のトラウマが澱のように残っていて、安全保障に関わる政策には異常な(!)想像力を働かせて反対する。PKOのような平和維持活動でさえ戦争に巻き込まれるとして反対論が沸き起こった。今も、民主党は徴兵制復活まで言い始めたと報じられた。

同様に日本の個人投資家は何度も酷い目にあい被ったPTSDが完治せず、株価倍増の小さな儲けのうちに撤退し、儲けの大半を海外に持って行かれている構図になっている。そんな報道は全く聞こえてこないのは、私のひがみなのだろうか。

日本人とか国は先頭に立って返り血を浴びるリスクは負わず、後からついて行く安全な道を歩きオコボレはしっかり頂こうとする。しかし、余りにもオコボレが多過ぎると非難されるので寄付をして回る。株式投資も安全保障も天邪鬼の私にはそんな風に見える。明治維新を振り返れば日本の遺伝的体質ではないのは確かだが。

かくいう私も実はPTSD が完治してない一人だ。日本株を保有せずアベノミクスの恩恵に預かってない。リーマンショックを前後して日本の株式投資からは手をひいた。だが、投資総てを止めなかった。ゼロ金利の銀行口座で退職金を寝かす気にはなれなかった。毎日株価に一喜一憂する生活は老人には無理だった。よりマクロ経済を反映する海外市場の投資信託とか債券に投資した。大儲けはしないが定期預金よりはましだった。

私には小心な腰抜けと狡猾な勝負師の両方の気持ちが分かっている様な気がするのだが。■

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