昨夜のWBC中国戦の視聴率が高かったと今朝の新聞は伝えていた。勝つのが間違いない中国戦でも、最近ペナントレースの野球中継が減少していても、背中に日の丸をつけて戦う試合となると、話は別のようだ。それだけ国民の皆が注目しているということだと、改めて感じた。私も見た。
閑話休題。しかし、試合の途中でも昨夜の「クローズアップ現代」が伝えた、“サラリーマン健保”、即ち、健康保険組合が不況と制度改正で苦境に追い込まれ、相次いで解散に追い込まれているニュースは、家内が嫌がっても見逃すことが出来なかった。
昨年から国の制度が変更になり、大企業の「健保組合」は、例の高齢者医療制度に拠出金を求められ、この財政負担に不況が重なり解散に追い込まれている。一方、中小企業の「協会けんぽ」は同じく保険料負担を減らす為、社員から派遣に切り替えるなど改ざんが行われていると、番組は伝えた。
私自身、早期退職後2、3年経って、かつて勤めた会社の健康保険組合から国民年金保険に切り替えた。保険金が安かったからだ。昨年途中から制度変更に基づき保険証切替えの通知が届き、新保険証には退職者を示すマークがついたが、その時はこの影響がそれ程大きいとは予想もしなかった。制度変更そのものは、一方で老人世代の負担も増やしており、理屈に合っていると当時思った。
これは昨年、主に民放メディアが老人の医療費負担について感情的な報道をした、後期高齢者の医療保険制度のコインの裏側の姿だ。困っている老人がいるのは間違いないが、「死ねというのか」とか「一生懸命働いてきた結果、こういう扱いを受けるのか」と恨み節を何度も繰り返し流して制度を非難するのを見て、著しく違和感がありこのブログにも何度か投稿した。
あの時、多くの国民は報道を見聞きして全体像を見失ったのではないかと思う。あの報道姿勢は、世代間の配分を巡る戦いを助長するやり方だ。もっと具体的に言うと、増加する老年世代が、縮小する世代からいくら分捕るか、何も生まない戦いにミスリードする。そして、オバマの目指すもの」でも書いたように、老人世代の政治力は若年世代より強い。
その結果、現役世代の健康保険が崩壊の危機に曝されるという、誰も望まない事態になるのに手を貸したと感じる。当時後期高齢者の問題を、正義感を持って長々と報じたメディアの当事者達は、保険組合の危機を結びつけて考えられないだろう。その存在すら知らないかもしれない。
しかし、これは日本の今と未来を支える人達の問題だ。日本は今後益々過去に手厚く投資していくだろう。こんな重要な話が、彼等メディアにとって報道する価値がないとしたら、この国の未来はそれ程容易ではないと感じないではいられない。最後にNHKの問題提起力は、この国にとって欠くことのできないものと評価したい。■
日本の消費者が求める高品質高機能は、米国の過剰消費と並び、他の国と比べユニークなもので、世界経済を牽引し大きな貢献をしてきたと思います。
しかし、そのユニーク性が、今回の世界同時不況に対し脆弱であった。それが景気回復時にどういう形で生き残るか、良くも悪くも同じ形には戻らないように私も感じてます。
fisherさんの言われる不況下でも勝てる環境は、つまるところ適者生存に基づくダーウィン的進化で、可逆性はないと私も思います。
その時車やデジタル家電などグローバル企業の商品は内外向けとも差の無い、かなりの程度同じになっていると思います。長期的に内需専用商品市場は人口減の速度より速く縮小を辿ることは避けられない事情もあるでしょう。
日本経済が世界最悪の打撃を受けた訳のコメント読みましたが、まったく同感です。
輸出型経済と内需不足
確かにそうかも知れませんが、景気後退期にGDPの減少が輸出業が中心だから日本は内需中心にすべきだったといえば、正しいように見えるかもしれませんが、
本質は、景気後退期に売上が急激に落ちる輸出産業しか育たず、それが原因でダメージが大きかったのだと思います。
例えば、マクドナルドやウォルマートやP&Gなどはこの不況化でもダメージが少ないです。また、中国やEUはGDP比の輸出の割合は日本より高く、世界的に日本が輸出中心の国家というわけではありません。
最近の日本のもの(例えば液晶やPC)を見ても海外に比べて決してコストパフォーマンスのよいものではありません。(為替の関係もありますが)
だから、重要なのは不況下でも勝てる環境を作る必要があるということが重要なのだと思います。