親ガチャは都合の良い言い訳

今朝７時前にベッドの中でＮＨＫラジオ放送を聞いていると、女性コンサルタントの解説で初めて「親ガチャ」の意味を理解した。今まで何度もネットで目にしたが一体何なのか意味が分からなかった。「子供は親を選べない、生まれた環境によって人生が大きく左右される」という意味だという。今朝初めて意味を知っただけなのに、何故か気に入らない、ということで一言。

親や周囲の育った環境によって、子供の能力だけでなく性格までも影響されるのはその通りだと思う。しかし、それだけかと言えばそんなことはない。貧困家庭に生まれながら世界的な業績を挙げた偉人を子供の頃何度も教わった。実家のある愛媛県ではノーベル賞受賞者が３人もいるが、ともに四国でも更に寒村で生まれた。決して大都市の恵まれた教育環境ではなかった。

こんな特別な人達は例外としても、例えば会社勤めする人にとってみれば、親が金持ちの方が良い教育を受けて良い会社に入り成果を出せて有利だと主張されると１００％否定はできない。だが、実際に仕事を始めると良い学歴が良い成果を保証する程甘くない。私が管理職になり部下を持った時、有名大学出身の社員でも成果を出せず苦労している姿を何度も見た。

米国赴任した時は政変や貧困国から難民となった移民がゼロから始めて世界を代表する起業家になった例を沢山見て来た。４０年くらい前だったか米高卒の若い研修生が会議の末席にいるのを紹介された。その彼が世界を代表する企業のトップになったニュースを聞いて私はぶっ飛んだ。有名なアップルの創設者も中東出身だ。私の米国の上司はハンガリー難民の娘だった。決して恵まれてない。

そんな例を沢山見聞きしてきた私が親ガチャの意味を知った上で考えてみると、「頑張って努力しない言い訳」のように聞こえる。昨夜明石家さんまが出演するテレビ番組で、成功したスポーツ選手は子供の頃からスポーツに取り組む子供を無条件に応援する親がいた、という専門家の解説はよく理解できた。必ずしも親がお金持ちだったとか、頭が良かったとばかり決めつけてないと思った。

「親のせいで私は努力せず頑張らない人です」というなら、確かにその人は親ガチャかもしれない。ネット情報では「頭が悪い、性格が悪い」等から始まって、「美しくない、背が低い」のも親ガチャだという。だが、そう言って一体何になるのだろう。私には「都合の良い言い訳」にしか聞こえない。そんな人をやる気にさせる仕掛けが欲しい、だが親ガチャと言って頑張らない人はどうする？。■