「侮辱された国をみくびるな」と、ギリシャのチプラス首相は欧州首脳会議でトゥスク大統領に啖呵を切ったという。ギリシャへの財政支援の条件としてメルケル首相らEU首脳が突き付けた「最後通牒」に、チプラス首相が反発して言い放った捨て台詞だ。ギリシャの財政再建策は企業増税に偏り過ぎており、年金削減しないことには持続性に欠けるというのが欧州首脳の言い分だ。基本的に彼等はギリシャを信用してない。
何故、そこまでギリシャを追い詰めるのか。今迄32兆円を支援したのに構造改革の約束を守らなかった。ギリシャの年金支給総額はGDPの17.5%(2012年現在)でEU諸国平均の13.5%を大きく上回る。言い換えると自国の国民の為の年金を削ってギリシャの年金を払ってやることになる。安易にギリシャを支援すると国民の支持は得られない。だが、チプラス首相にとっても国民の1/4を占める年金受給者の支持なくしてやって行けない。
追い詰められたチプラスは首相の責任を放棄して決断せず、「最後通牒」を受け入れるかどうか国民投票に委ねるという「奇手」を繰り出した。多分、彼にとっては「年金カットかEU離脱」の選択は重すぎて決断できなかったのだろう。この無責任な判断に虚を突かれて、欧州首脳は方向感を失い戸惑っている。
チプラスが国民に甘い見通しを約束して選挙に勝ちギリシャ首相になったが、約束を守れず責任放棄した姿は既視感がある。根拠も見通しもなく普天間基地の代替として「最低でも県外」と言って沖縄県民を期待させ、現実に直面して前言を翻しゴメンと言って、今日の無用な混乱を招いた鳩山元首相と重なって見える。
冷静というか冷酷な見方を大西洋を越えた米国で見つけた。25日のNYタイムズDealB%kによると、ギリシャの財政破たんは、先に破産したラジオシャック(電器小売フランチャイズ、日本でいうとコジマとかヤマダ)であり、リーマン・ブラザーズの破綻ではないと根拠を示して指摘している。
リーマンショックが世界の金融システムを崩壊し経済恐慌を引き起こしたが、ラジオシャックは規模は大きいが一企業の破産の範囲で終わり他に波及しなかった。ギリシャの財政破綻も悪影響はその国の範囲内だという。ギリシャの債務はEU諸国の中央銀行に保有され、民間の金融システムに信用危機が波及しないからだという。
マクロでみるとギリシャの財政危機はこんなところだが、個別にギリシャ国民が直面している苦難には同情してもしきれない。失業者やホームレスが急増し、伝染病の予防注射等の公共サービスが無くなり、しかし病院にはかかれないといった、先進国では考えられない困難にある。ポピュリズム政治をベースにした国家運営の失敗であるが選んだのは国民だ。楽観的な未来はない。政治は民意の現れ、変に同情できない欧州事情だ。■
何故、そこまでギリシャを追い詰めるのか。今迄32兆円を支援したのに構造改革の約束を守らなかった。ギリシャの年金支給総額はGDPの17.5%(2012年現在)でEU諸国平均の13.5%を大きく上回る。言い換えると自国の国民の為の年金を削ってギリシャの年金を払ってやることになる。安易にギリシャを支援すると国民の支持は得られない。だが、チプラス首相にとっても国民の1/4を占める年金受給者の支持なくしてやって行けない。
追い詰められたチプラスは首相の責任を放棄して決断せず、「最後通牒」を受け入れるかどうか国民投票に委ねるという「奇手」を繰り出した。多分、彼にとっては「年金カットかEU離脱」の選択は重すぎて決断できなかったのだろう。この無責任な判断に虚を突かれて、欧州首脳は方向感を失い戸惑っている。
チプラスが国民に甘い見通しを約束して選挙に勝ちギリシャ首相になったが、約束を守れず責任放棄した姿は既視感がある。根拠も見通しもなく普天間基地の代替として「最低でも県外」と言って沖縄県民を期待させ、現実に直面して前言を翻しゴメンと言って、今日の無用な混乱を招いた鳩山元首相と重なって見える。
冷静というか冷酷な見方を大西洋を越えた米国で見つけた。25日のNYタイムズDealB%kによると、ギリシャの財政破たんは、先に破産したラジオシャック(電器小売フランチャイズ、日本でいうとコジマとかヤマダ)であり、リーマン・ブラザーズの破綻ではないと根拠を示して指摘している。
リーマンショックが世界の金融システムを崩壊し経済恐慌を引き起こしたが、ラジオシャックは規模は大きいが一企業の破産の範囲で終わり他に波及しなかった。ギリシャの財政破綻も悪影響はその国の範囲内だという。ギリシャの債務はEU諸国の中央銀行に保有され、民間の金融システムに信用危機が波及しないからだという。
マクロでみるとギリシャの財政危機はこんなところだが、個別にギリシャ国民が直面している苦難には同情してもしきれない。失業者やホームレスが急増し、伝染病の予防注射等の公共サービスが無くなり、しかし病院にはかかれないといった、先進国では考えられない困難にある。ポピュリズム政治をベースにした国家運営の失敗であるが選んだのは国民だ。楽観的な未来はない。政治は民意の現れ、変に同情できない欧州事情だ。■
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