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AIはジキルとハイド?

2017-04-07 14:18:08 | デジタル・インターネット
14歳の中学生棋士藤井四段が王将戦予選で40歳の小林七段に勝ち、デビューから11連勝したと4日報じられた。将棋界で最強と言われる羽生名人でもデビュー後6連勝だったというから凄い記録だ。藤井四段の強さの一因として、AIを活用して古い棋戦をくまなく研究した成果を生かしていると聞いた。

AI恐るべし、ビジネスの世界だけでなくあらゆる分野でAIが活用され始めた。私が恐れるのは知能犯罪の分野で、それとは知られずにAIが犯罪に使われる時代が始まるかもしれないことだ。というか、既にそれは始まっているというべきだろう。利にさとい人達は誰よりも早く活用し利益を得る、それが科学を発展する梃になったのは歴史が証明するところだ。

昨今報じられるAIのポテンシャルは、15年前までITの世界で仕事を経験した私にも驚異的に映る。80年代にも「人工知能ブーム」が起こったが実用化には至らずブームだけで終わった。その頃に聞いたAIの説明では「人工知能」という言葉だけが上滑りして現実に「使える」と実感が湧かなかった。

多分、その後も関係者は地道に研究を続けて来たのだろう。昨年頃から急に聞き始めたAIはかつての人工知能とは全く違ったものに聞こえた。今や多くの場面でAIが人を置き換えると言われている。IoTとビッグデータの利用から新しい分野だけでなく、従来オフィスのホワイトカラー、中間管理職からトップの意思決定までAIが幅広い分野で人に代わってやると予想されている。

AIに仕事を奪われる不安は自然な流れでやむを得ないだろうと思う。その時にはそれなりに、人にしかやれない仕事が出て来ると思う。問題なのはAIが犯罪などに悪用される恐れだ。AIの時代には明らかに犯罪と分かるような使い方ではなく、もっと微妙で犯罪とは分からないような形でAIが悪用されると予測する。

既にその兆候が表れていると思う。先月末に国債入札で価格を高止まりさせたカルテルを、ある弁護士事務所がAIを使って証拠を絞り込み突きとめたという記事(日本経済新聞3/30)を読んだ。それを読んで私はその裏返しのことが起こらないか気になった。そうしたら、それらしきことがもう起こっていた。

今月2日の日本経済新聞は、ライドシェアの大手ウーバーが価格決定アルゴリズムを使って高価格誘導し、運転手間の適正な競争が働かないようにしている(ディジタルカルテルという)と訴えられ係争中だと報じた。将来AIを使ったシステムが市場で互いに競争する時、カルテル機能が働き自然と競争が損なわれてしまう事態が起こりそうだ。

例によって私の誤解を恐れない大胆な仮説では、株価操作のような従来なら違法で禁止された市場機能が、AIに高速代行させて利益を得るといったやり口があらゆる分野で悪用されるようになると予測する。AIはそのくらいインパクトがある、使い方によってジキルにもハイドにもなると心すべきだと思う。政府関係当局や業界は早急にAIを使った商取引の規制や犯罪防止に取り組むべきだ。(もうやってるかもしれないが)■

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