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ブラジルは投資家心理の縮図

2016-03-26 16:19:39 | 社会・経済
家計の融資残高は昨年29兆円増えて1741兆円になったと、昨日日銀は発表した。そのうち現金・預金は902兆円(1.3%増)、株式169兆円(2.9%増)、投資信託96兆円(4.1%)だという。5年前は国民の金融資産が大よそ1500兆円といっていたから、200兆円以上増加したことになる。一方、企業の金融資産も1117兆円(4.4%増)と過去最高を更新した。押しなべて見るとアベノミクスの期間に国富は順調に増加した。

この凄い金額でも資産が高齢者層に偏り、地方が疲弊し格差拡大が報じられているから中々難しい。かくいう私の金融資産も昨夏の中国ショック頃から大幅に評価額が減った。負け組になった原因は分かっている積りだ。投資は自己責任であり誰にも文句は言えない。殆どの金融商品が値を下げたが、特にブラジル・インド・トルコ等の新興国がらみの投資が不調だった。私の場合は悔しいけどブラジルの比率がかなり高く損が拡大した。

実際、昨年央からブラジル政治経済の悪いニュースが連日入ってきて、その都度ブラジルの通貨レアル安が進行、連動して金融商品の価格が暴落した。最大の要因は中国経済停滞が資源国経済に打撃を与えたこと、加えてブラジル特有の原因としてバラマキによる財政悪化と前政権からの汚職問題があった。ルセフ大統領は政権維持を図って側近の辞職に追い込まれ、更に野党の大統領弾劾審査の動きが報じられた。その間に私が保有していた金融資産は見る間に値を下げて行った。”フリーフォール”状態が続いた。

ところが、最近になってブラジル政局の混乱は更に悪化し最悪の事態になりつつある。ルセフ大統領の保護者である前大統領が汚職問題でいよいよ取り調べを受ける事態となり、議会は大統領弾劾審査を始めることが決まった。弾劾阻止を図って大統領は前大統領を官房長官に任命するという奇策を打ったが、これを最高裁が否認するという考え得る最悪事態になった。支持率は10%程度で国民は大統領を全く支持していない。

ところがところが、これだけ酷い状態になった途端にレアルが値を戻し始めたのだ。最初私は何が起こったのか分からず、何か重要なニュースを見逃したと思った。だが、冷静になって考えるとこの異常現象は状況を先読みする投資家心理の反映だと理解した。つまり、「昨年は何か悪いことが起こりそうだと予測して商品価格に織り込み、それが実際に起こったら今度はこれ以上は悪くならないと予測して買いに出た。」という訳だ。全ては現実ではなく、現実から導き出され予測で決まる。 

相当にへそ曲りだけれどもこれが彼等のやり方だった。私の仮説が正しいかどうか分からないが、保有する金融商品は少しづつ値を戻し始めた。こんな連中が跋扈する市場で投資して利益を得るのは容易ではない。しかし、だからと言って投資を止める積りはない。一時の損を耐えることが出来るなら、長期的に利益を出すチャンスは十分あると今も思っている。昨年同じ頃から私は自宅の建て替えの交渉を開始、一時は建て替え資金が吹き飛ぶ事態にショックだったが現在は損の半分は取り戻した。暫く様子を見守ろう。■

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