かぶれの世界(新)

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田舎暮らし雑感13夏(7)

2013-09-05 22:10:56 | 日記・エッセイ・コラム

台風一過というが今日は1週間ぶりの快晴、日差しはまだ強いが湿度が低く過ごしやすい1日だった。私が何故1週間ぶりといったかというと、洗濯してまだ生乾きの下着が7組あったからだ。もう着替えがなくなるところだった。

朝の強い日差しを見て、朝食後台所や風呂・トイレなどのタオルやフキンを纏めて追加の洗濯をした。日曜日に母が一時帰宅すると東京に知らせると、娘夫婦が都合を付けて急遽田舎に来てくれることになったからだ。

米国に単身赴任した私のところに頻繁に顔を見せてくれた娘のことを思い出した。「さすが私の娘!」と家内の言を聞き、「俺の娘でもあるんだけどな-」と思った。娘の優しい思いやりとなれば、私の血筋ではないら良い。

雨戸を開き1週間の雨でジメジメした家に乾いた空気を入れた。その後、田舎に来て以来2度目の掃除をした。1度目は7月に家内が東京から戻ってきた時だ。誰かが来てくれないと実家は誰も掃除しないで綿ぼこりが溜まっていく。私一人が静に過ごしているだけなのに誇りが溜まり、こぼしたコーヒーの跡があちこちにある。虫の死骸やフンも。

このところの雨で涼しくなり犬を散歩させる人達が散歩道に戻ってきた。スマートで美人の奥さんも、可愛いく歩くダックスフンドを連れた太った奥さんも、でっかくて怖いけど優しい犬を連れた人とか。チョット違うのは日が短くなったので、皆少し足早に歩いている気がする。2週間前までは暑さでバテ気味になり大人しくなっていた近所のレトリバーは、私がそばを通ると再び吼え始めた。

減塩食事をまだ続けている。自分で作る食事はパターン化して特に難儀はしてない。たまに外食すると、味が濃く美味しく感じる。だが、少し緩めたところもある。面倒臭く感じてやる気がない時にはラーメンやうどんなどの麺類を食べるようになり、今日は2ヶ月以上冷凍していた塩さばを一切れ食べた。さすがに凄く辛く感じた。残りは捨てた方が良いかもしれない。

この減塩食事の効果がどうなっているか、市立病院に相談して3ヶ月後に同じ検査をして同じ先生に診てもらうことにした。東京の掛付けの病院は血液検査を外注し、二度手間になるし検査項目数も少ない。2年前のガン疑惑以来年に1度は検査するように言われた項目も、市立病院の検査には含まれている。

なので、いつもより滞在期間を延長し10月一杯まで田舎にいることにした。実家と山林田畑の手入れの為にも、初夏から初秋まで田舎にいるほうが都合が良いし、東京で特別な行事も予定されてなかった。2ヶ月前の飛行機のチケットを予約すると、何と松山東京間が1万円以下だった。■

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矢落川氾濫警報

2013-09-04 15:29:24 | 日記・エッセイ・コラム

目が覚めると尋常ならざる雨音が聞えてきた。窓を開いて外の様子と屋根の状況をチェックした。1階の屋根瓦が一部乾いていたので、一昼夜ずっと降っていたわけではなかったと思った。物置代わりに使っている別棟の小屋を見ると、2階の樋から雨水が溢れて1階の屋根瓦に凄い勢いで打ち付けていた。いつも気にしている部分で修理が必要かもしれない。

朝食中テレビニュースを見ているとテロップが流れ肱川ダムが放流を開始したと伝えていた。その後サンルームに移り新聞を読んでいると、9時半過ぎにラジオのニュースが実家の近くを流れる矢落川の氾濫注意報を伝えていた。ニュースになったのは肱川の支流の小さな川だが1級河川で、国土交通省の管轄下にあるからかもしれない。

テレビ・ラジオで矢落川の名前を聞いたのは初めてだった。戦国時代に山を越えてきた土佐の軍勢に攻め込まれ、この土地の豪族と川を挟んで対峙した時、両軍が放った矢が川に落ち血が流れ、川が真っ赤になったのが矢落川のいわれだと子供の時聞いた。

注意報が出ると言うことはどういう状況か現場を見てみようと思った。外に出ると雨は少し小ぶりになっていたが、台風が近づいている為か風が強い。実家の回りを流れる小川は普段にはない水量で勢いよく流れていた。こうして高齢者が小川に落ちて死んだとニュースになるとふと頭を掠めた。

表の通りに繋がる道が冠水し、矢落川の堤防までの田んぼの稲穂が見えない。東京の家族に知らせてやろうと思いついて、急遽家に戻りカメラを手にして山沿いの小道を辿って冠水してない表の道に出た。車の行き来があるから表の道は何処も冠水してないようだ。

直接堤防に行く道も冠水していたので、表の道を下流方向に向かい歩いていった。主要な道は少し高くしてあるようでどこでも車を見かけた。橋の袂で堤防に到達、もう一つ下流の橋を渡って以前報告したことのある貯水池の近くの水門についた。国土交通省の名前の付いた巨大なクレーン車が何か作業をしていた。

一般論として大雨時に水門は逆流を防ぐ為に全て閉じられており、山に降った雨が支流を作り流れてくる水の逃げ場がなくなり溢れて冠水する。だが、この支流だけは特別で水量が多く溢れると一帯の新興商店街や病院・工場などが冠水して全国クラスのニュースになる(かつてなった)大事件だ。それが、私がわざわざ見に行った理由だ。

見ると支流の低い堤防を今にも越えそうな水量で、上流のJRの鉄橋にあと1m程度まで迫っていた。ニュースではJRも高速道路もストップしている。クレーンが出動した理由は明確だった。クレーンは4つか5つのブイに取り付けた揚水機を引き上げていた。揚水機は水門を閉めたまま支流の水を吸い上げて本流に流す為だった。水門は逆流を防ぐために閉じ、支流に溢れた水は揚水して本流に流す。馬鹿馬鹿しいがしょうがない。

現場監督みたいなオジサンに聞くと水が引き始めたので「終い」に掛かっているのだそうだ。貯水池は本流の堤防が溢れた時の受け皿だそうで空だった。私は支流が溢れた時の為だと思ってた。私は作業服やヘルメットも被らないでクレーンの周りをうろちょろして、よく追い出されなかったものだ。最近思いつくと誰彼構わず声を掛ける傾向が酷くなった気がする。

戻り道の橋の袂で数台の車が止まっていた。クレーンの作業を見ているのかと思ったが、その先に広がる畑の様子が心配で見に来たと声を掛けた夫婦は返事した。私は「もう大丈夫、あのクレーンは水揚げ作業が終った、水は引き始めている」と言ってると、物知り顔で教えた。

実家に戻る途中の坂に付いたゴミ跡や田んぼの稲穂が見え始めて、少し水が引いて来たのが分かった。その時携帯の緊急通報を知らせる音楽が鳴り、本流の肱川沿いにある隣町の菅田(スゲタ)地区に避難勧告が出たと知らせていた。時刻は10時半、矢落川氾濫のニュースを聞いてから1時間余り経っていた。この辺は小雨になったが肱川上流のダムの放水で水位が警戒値を越えたという。

近所の人達の一団に会った。近所のオバサンに聞くと稲穂に実が付いているので収穫は出来る、だが等級が下がり売り物にならないだろうという。お米が水分を吸ってフワフワするだろうという。もう一人のオバサンが、等級が付かない「等外」になるだろうと笑いながら言った。その割に深刻感がなかったのは多分自家消費するからだろう。

もう大丈夫だと思い実家に戻り、テレビニュースで各地の大雨の被害状況を見た。床下も床上もない、田んぼや畑が冠水しただけで終ったようだ。昼食を済ませ落ち着いてテレビニュースを見ていると、又も携帯から音楽が鳴った。見ると避難勧告が解除されたという知らせだった。■

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周回遅れの読書録13夏

2013-09-02 23:28:03 | 本と雑誌

今回紹介したい最初の2冊は、私が取り上げなくても出版当時から世界的に評判になった書である。こういう名著でも古本になると、運が良ければ100円で買えるという意味で紹介すると理解して頂きたい。

最初に紹介するのは、イラク戦争を機にブッシュ政権外交の主役ネオコンから決別したといわれた「アメリカの終わり」(Fフクヤマ)である。歴史んだ人でないと分からない引用が非常に多いが、文章自体は難解というほどではなく私でも読めた。シリア問題でオバマがどういう対応をするのか、著者の主張する重層的多国間外交を推し進めるか、現在の問題にも当てはまる内容だ。

次に、「市場の変相」(Mエラリアン)で、有力経済紙の2008年のブックオブザイヤーに選ばれたものだ。サブプライムからリーマンショックに発展する最中に、これほどポイントを突いた予測をした書はない。大局を失わないで細部に迫る。「百年に一度の危機」といったのも著者だ。著者が証券会社ピムコで働いた時、毎日市場予測をして感性を磨いていったという件は私には目から鱗(うろこ)だった。

最後に、「市場検察」(村山治)も面白い。冷戦後のグローバリゼーションの新しい世界に転換していく時、官僚や政治が自らを変えていったように、検察も自白優先から事後チェック型に転換してゆく姿を、悩み対立する検察の人間像を通して描いたもの。本書を読んで過去の事件の結末を納得したものもある。未だに検察は転換途中にある、だが間違った方向ではない、と私は感じた。

1.0+池上彰のやさしい経済 池上彰 2012 日本経済新聞 戦後日本経済史を平明な言葉で解説したもの。経済入門書というより、経済のイロハも知らない初心者向けであり、大生向け講義というにしては全く物足りない。

2.0+大収縮 検証・グローバル危機 2009 日本経済新聞 関係者の証言を交えて世界を恐怖の底に陥れたリーマンショックから1年を振り返ったもの。信用危機を網羅的にカバーし狙いは野心的だったはずだが、結果的には当時のニュースを表面的におさらいした程度に収まっている。何故リーマンを破綻させたか、何故対岸の日本が痛撃を受けたか、突っ込み不足で多くの人の疑問に答えてないのは残念というかもったいない。

1.52012世界大恐慌サバイバル 片岡剛 2012 フォレスト出版 給与のグローバル化(平坦化)、バブルが中流を厚くした、QE3の必然性などの鋭い指摘は一読に値するのだが、一方で根拠が怪しい予測がない交ぜに、リーマンショック世界同時不況の生き残り戦略を説いたもの。大恐慌が来ると読者を脅し長期的に円高傾向を前提に、安全策として金と現金保有を勧めるのはあながち間違いではない。だが、最低限予備知識のある方でないとミスリードする恐れあり。

2.5異業種競争戦略 内田和成 2009 日本経済新聞 デジカメやパソコンからフリーペーパーやスマホまで業界の垣根を越えたビジネスモデルの戦いを、専門用語を使わないで分かりやすい言葉で解いた佳作。異業種競争はビジネスモデルの戦いであり、経営者には戦時のリーダーシップが求められるというのは適切な指摘である。

3.0+市場の変相 Mエラリアン 2009 プレジデント社 原書はリーマンショック前に書かれたが、サブプライム問題の本質を把握して、その後の世界金融危機に発展すると系統的に予測した名著。大転換中の市場が発するシグナルをグリーンスパンが見逃し、過剰リスクをとる市場とその構造変化を際的な理論を用いた科的な解説は印象深い。

3.0-市場検察 村山治 2008 文芸春秋 冷戦終結後のグローバリゼーションを追って自白優先の護送船団方式から事後チェック・ルール強化型社会にあった検察のあり方に転換していく様を検察幹部と特捜現場の人物と摩擦を交えて描いた佳作。表に出てきた事件の裏側で何が起こっていたか、コンセプトと人間関係の両面から追いかけたもの。国民の安全と財産・社会の安定の為、旧来の異能検事からリーニエンシー(司法取引)導入の必要性を唱えているのも興味深い。

3.5アメリカの終わり Fフクヤマ 2006 講談社 冷戦後の「歴史の終わり」がベストセラーになりネオコンを代表する思想家がネオコンと決別した書といわれる。ネオコンの変遷の歴史とイラク戦争後の世界の問題を指摘し、キッシンジャー風の現実的なパワーポリティクスへの回帰を否定、重層的多国間主義を提言している。

1.5-アメリカ経済終わりの始まり 松藤民輔 2006 講談社 サブプライム焦げ付きが火を噴く前の2006年に米国発の金融危機を予測し驚くが、読み進むにつれ期待が失望に変わる。何が起ころうと米国の没落と日本の台頭に著者の金ビジネスの宣伝だったことが分かる。

2.5-)政治メディアの「熟慮誘発機能」 小川恒夫 2006 八千代出版 小泉劇場からマニフェスト選挙という時代背景で、受け手(視聴者・購読者)が争点を深く考えて判断する報道のあり方を説いたもの。事実を羅列した客観報道よりも、受け手に身近な影響の予測を含めた報道が熟慮を誘発するという。専門外の一般人には専門用語乱発で読みづらいが苦労して読む価値はある。

読書録を始めて以来、多分今夏が最も本を読まなかった3ヶ月だったと思う。私には畑違いの分野で難解な書物に取り組み、暑さで脳みそ沸騰状態になって読破に手間取った、サンルーム増築で時間がとれなかったから、言い訳は沢山ある。

読んだ本は10冊にも満たなかったが、内容的には充実していたと思う。上記3冊以外に佳作というほどでは無いが紹介したい本がある。一つは「異業種競争戦略」(内田和成)は今進行中の技術やビジネスモデルの進歩で異分野から競争相手が現れる状況(カメラが家電にCDがネットに置き換わったような)を描いたもの。身近なものがドンドン変化している状況に驚く。

最後に、「政治メディアの「熟慮誘発機能」」(小川恒夫)を紹介したい。必要以上に専門用語を使った悪文で冒頭紹介した2冊の名著とは違う。小泉劇場から政権交代したマニフェスト選挙までの経緯を分析して、選挙民が政策を深く吟味した上で投票する為に、マスコミは政策のもたらす結果を予測して報じるべきと説いたもの。先の参院選でも明らかなように道は遠いが考えさせてくれる。■

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米軍事介入のキーワードはPC

2013-09-01 11:59:29 | 国際・政治

国は議会に反対されシリア攻撃から手を引かざるを得なくなり、オバマ大統領は制度上承認を得る必要ない米議会の承認を求める事態になった。大量破壊兵器が確たる証拠もないままイラク戦争に踏み切ったトラウマが、オバマを不安にさせ議会と責任を共有する方針に転換した。

英国は介入断念、米世論は反対、国連では中ロの反対は間違いない。だが、米国は国益に従って介入するだろうと大方の専門家は見ている。国益とはシリア隣国の同盟国のイスラエル、ヨルダン、トルコを守ることだという。言い換えると、シリア政府を支援するイランやヒズボラを成功させることになり、反米勢力が勢いづきに中東情勢のバランスが変化する恐れがあるということだ。

今朝のニュース番組(TBSとテレ朝)を見るとゲスト出演の水口教授は明快な解説をしたと思う。シリア内戦で既に10万人が亡くなり、問題の化兵器で女子供を含む1400人以上が死んだ。この惨状を止める為にどうするか、誰がやるかという問題からスタートする教授の捉え方が私には明快で新鮮に思えた。地政的な力関係とかだけを議論すると判断を誤る。

連などの世界機関は全く役に立ってない。旧ユーゴ内戦では機能したNATOも今回ドイツ等一部が消極的だ。人道とか正義だと言葉は踊っても、米国がやらない限り世界の警察の役回りを誰もやらない。シリア内戦を長く放置した結果、現在は外国から色んな勢力が入ってきて訳が分からなくなっている。誰が勝っても戦後体制は他の「アラブの春」国どころではない混乱は間違いない。勝者のいない争いだ。

マスコミが大好きな国連は無力、今は一応あたってみたという言い訳にしか役に立たない。だが、現実に起こっている虐殺や化兵器は何としても止めなければならない。軍事介入は米国の驕りだとか言う批判の声には、他に代案があるのか聞きたい。ほっとくのが良いのか、そんなことはない。私には国益云々の前に、効果がはっきりせず不人気な役回りを米国がよくやる気になってくれた(まだ決まって無いが)と感謝の念すら感じる。

今朝のニュース番組ではTBSは水口教授の解説を受けて、いつものコメンテーターが的外れの意見を述べていた。キャスターの関口氏には軍事介入を全て愚かと決めつける発想しかなく、その延長で番組が進行した。一方、その後に続いてテレ朝ではハシゴ出演した水口教授の解説が尊重され、そのうえで異なった議論や補足があった。だが、話題は情勢判断のみ。国内政治でいえば、政策を語らず政局を追う。普段出来ないことを期待しても無理なのかもしれないが。

間違ったデータに基づかない限り米国の判断を日本が支持するのは妥当だと思う。米国の国益だといっても、米国の同盟国を守るのが国益だというなら、同盟国の日本の対応は決まっている。そうしないと、北朝鮮の核の脅威や中国との領土紛争で、同盟国の米国に何かを期待する根拠をなくすようなものだ。シリア情勢の判断はどれだけPC(政治的に正しいこと)にかかっている。■

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