一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

最近見た夢(2024-07-30、31、08-02、03、05、06)

2024-08-06 23:35:23 | 新・大野教室
最近見た夢を記しておこう。
まず、7月30日に見た夢。
私たち数人は、2人一組で自動車に乗り、美味そうなラーメン屋をあたっていた。ある林の中にラーメン屋があり、そこに何組かがいた。だが私には相棒がおらず、私ひとりだった。
ある女性がそこの女性店主のもとへ行くと店主が表に出てきた。そして私を見るや「あ、あなたはたしか……」と言った。私はかつて、そこを訪れたことがあるようだった。

続いて31日に見た夢。
私はある大広間にいた。そこには重症患者ばかりいて、整列して座っていた。私たちは脚を悪くしており、そこにいる全員が、いまから脚を切断するのだった。
私は左脚を切断することになった。外科医が来て、1回ですべて切るか、3回に分けて切るか、患者に聞いて回った。私は、そんな痛い思いを3回もするのはイヤなので、1回で済ませてくれるよう頼んだ。
場面変わって、私はある駅の前にあるガード下を歩いていた。歩行者の信号が青になったので、私は渡る。私のうしろには湯川博士氏がいた。でも、私は何も言わなかった。
横断歩道を渡り切ると、その先にいた老人が、湯川氏にある職業名を言った。
そして私はまた同じ横断歩道を渡った。私の後ろには湯川氏。その先に例の男がいて、湯川氏に、今度は別の職業を言った。
それが何度か繰り返され、男は湯川氏に「アンタ、ブローカーだろ?」と言った。すると湯川氏がムッとした。私は、男が「将棋ペン倶楽部」を読んでいたのではないかと思った。

続いて8月2日に見た夢。
私は刑事で、大部屋で合同会議があった。私は開始時間の20分前に入室した。
しかしみんなもう集まっていて、私がいちばん最後。よって、上司の小日向文世に、遅刻扱いされた。

続いて3日に見た夢。
私は長嶋茂雄に連れられ、ある中華料理屋に入った。そこで中華かゆをごちそうになった。そんな私の向かいに、徳光和夫が座った。お互い面識がないので、徳光和夫はそわそわしていた。
徳光和夫はふつうの白かゆをオーダーした。すると、王貞治がじきじきに、83円のおつりを持ってきて、徳光和夫に渡した。

続いて5日に見た夢。ある駅から、新路線が開通した。でも、全長数キロの延長だ。
私も乗ることにしたが、肝心の車両はバズみたいで、しかもそれがタテ半分に切れていた。その車両は2階建てで、私は2階に上がったが、1階にも座席があった。
場面変わり、私は変身ヒーローだった。だが弱いので、軽トラックの荷台に乗り、幌を拡げて、何かから隠れた。すぐ近くには大島優子がいた。ほかにも女優がいた気がするが、よく分からない。
私はゴムボールを2つ、もてあそんだ。

続いて6日に見た夢。
私がいつも寝ている部屋に、両親と伯父が寝ることになった。布団をのべるのは私の役目で、敷いてみる。すると、敷布団がどれも小さかった。

前回のアップから間が空いていないが、ここでアップしておこう。
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35万円の使い道

2024-02-18 23:44:47 | 新・大野教室
大谷翔平選手が所属するロスアンゼルス・ドジャーズは、韓国で開幕を迎える。JTBではそのツアーを組んでおり、4日間だと72万8千円、3日間だと49万8千円もするそうだ。
10日放送の文化放送「てるのりのワルノリ」では、「49万8千円があったら何をするか」というテーマとなり、あるリスナーは「吉田照美さんに家に来てもらい、くつろいでもらう」との投稿をした。
当ブログの読者によると、将棋界では、藤井聡太竜王・名人のオフミーティングがあり、それが35万円もしたという。
驚くべきはその人気ぶりで、定員30人が3時間で完売したらしい。たぶんその大半がお金持ちのマダムで、おカネがあるところにはあるのだと感心させられた。
もっともこの35万は、東京・将棋会館建設プロジェクトの一環で、クラウドファンディングの返礼品らしい。
そうなると若干意味合いが異なるが、いずれにしても35万円をポンと懐から出すのはなかなかできない。
むかし、大野教室のW氏と談笑していたとき、「室谷由紀ちゃんと新幹線の新大阪から東京までご一緒して、おしゃべりできる権」があったら、いくら出せるか、という話になった。
私は「10万円」と即答した。当時の室谷女流三段なら当然その価値はあったし、これこそ生きたおカネの使い方だと思った。
ただ、いまだと少し考え方も変わって、例えば西山朋佳女流四冠と10万円でお話をする機会があったとしても、私は躊躇する。
なぜなら、私は西山女流四冠を前に緊張してしまうだろうし、また西山女流四冠も、ハゲ散らかしたオッサンといたって、面白くないだろうからだ。
私はこのパターンで、多くの女流棋士に迷惑を掛けてきた。大いに反省するところだが、もう遅い。
話を戻し、私が35万円を自由に使えたら、何を買うか。
新しいデジカメは欲しいが、カメラというのはどうなのだろう。高ければ高いほど、いい写真が撮れるのだろうか。突き詰めていくと、カメラマンのセンスになるような気がする。私にいいカメラを持たせても、豚に真珠だ。
35万円で豪華な旅をしてみようか。でも私は貧乏旅行が染みついてしまって、贅沢な旅行が性に合わない。列車は新幹線よりローカル線のほうが味わい深いし、食事は牛丼とラーメンで満足してしまうし、豪華なホテルに泊まっても、大半は睡眠の時間に充てているわけで、それで35万円を出すのはバカバカしい。
株を買う手もあるが、これは買い物というより投資だ。35万円を何倍にもしようという下心があるから、適切でない。
などといろいろ考えて、これなら35万円を出してもまったく惜しくない、という「商品」を思いついた。
「角館の美女・郁子さんか、南足柄市の美女。夏子さんに再会できる」のだったら、ひとりあたり35万円を出す用意がある。
じゃあ70万円で探偵を雇え、と言われそうだが、それを言ってはミもフタもない。
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情けを掛けていただく・宮嶋四段との指導対局(後編)

2023-12-30 23:03:15 | 新・大野教室

第4図以下の指し手。▲4五同銀△4四歩▲5四銀△同金左▲4五歩△3四歩▲4四歩△3五銀▲同角△同歩(第5図)

第4図、私は▲4五同銀と取った。△4四歩▲5四銀に△同金左がソツのない取り方で、角筋が間接的に7一まで行かない。
私はそれでも、▲4五歩とこじ開けるしかない。
上手の△3四歩は次に△3五銀があるが、それを防いでいては負ける。私は▲4四歩としたが、この取り込みも大きい。
上手予定の△3五銀には角を切り、さあどうするか。

第5図以下の指し手。▲4五銀△同金▲同桂△4四金▲5三銀△同銀▲同桂成(第6図)

第5図から▲4三銀は△同銀▲同歩成△同金で、下手指し切り。
私は▲4五銀と合わせた。「これはいい手です」と宮嶋健太四段。アマチュアは自分の指し手に疑心暗鬼だけに、プロのお墨付きをいただけると自信になる。
ここで△同金と取らず曲線的に指す手もあるが、△同金と素直に取ってくれるのが指導対局である。
以下手順に桂を捌き、▲5三同桂成として、たとえ負けても形にはなったと思った。

第6図以下の指し手。△4七歩▲同飛△4五歩▲4三歩△3三銀▲4二銀△2四歩▲3三銀成△同玉▲4二歩成(第7図)

宮嶋四段は△4七歩から△4五歩と収めた。私は歩の連打で飛車道を止め、先手を取られると思っていた。ただ、それは上手が歩切れになるし、指し切れなかったものだろう。
私は▲4三歩と垂らし、△3三銀にも▲4二銀と食らいついた。さっきからこの類の手ばかり指しているが、将棋とは駒をハガすことなり、だ。
私は▲4二歩成とと金を作り、まだこちらが指せると自分に言い聞かせた。

第7図以下の指し手。△3六銀▲4八飛△3七銀打▲4三金△同金▲同と△3四玉▲5四成桂△4八銀成▲同金△2九飛▲4九歩△3七銀成(第8図)

△3六銀に飛車の引き場所が難しい。どこに引いても角か銀を打って飛車取りとくるだろう。そのとき飛車が4九だと、また下手が飛車を逃げなければならない。だから4八に引き、最低でも銀との交換を甘受した。
▲4三金△同金に▲同とか▲同成桂か迷ったが、▲同とを選んだ。
そして△2九飛に▲4九歩がピッタリの受け。このふは先の「△4七歩▲同飛」でいただいたものだ。この歩がなかったら下手が負けていたわけで、してみるとこの2手は上手の指しすぎだったかもしれない。
△3七銀成では△4七銀成もイヤだったが、2七に利かす意味もあったのだろう。

第8図以下の指し手。▲1五金△3六歩▲4四銀△2五歩▲2四銀(投了図)
まで、90手で一公の勝ち。

第8図で上手玉に詰みがあれば話が早い。しばらく考えたが、どうも詰みはなさそうだ。
そこで「気が利かないけど……」と、▲1五金と縛ってみた。すると、「正着だと思います」と宮嶋四段。私は勝ちに近づいているのだろうか。
△3六歩にも▲4四銀。宮嶋四段は「どうしましょうか」とにっこり笑う。ふつうは負けになれば顔が曇るものだが、宮嶋四段は正反対の表情だ。なるほど、これが指導対局なのだと、私は心底感心した。
宮嶋四段は△2五歩とし、私は空いたスペースに▲2四銀。16日に当ブログにアップした、1手詰第10問のような形になった。
これは次に①▲3三と△同桂▲同銀右成と、②▲3五銀左の2つの詰みを見ている。△4六歩でも▲3五銀左△4五玉▲4四とで詰む。
なお、本譜△2五歩で△2三玉でも、▲2四歩△2二玉▲3二歩△1二香▲3一銀△1一玉▲2三歩成で下手が勝つ。
宮嶋四段は▲2四銀を見ること数秒、にっこり笑って「負けました」と投了を告げてくれた。私はほっと一息である。
とりあえず感想戦となった。「(第7図からの△3六銀に)▲4八飛と辛抱したのがいい手したね」から、口頭でいくつかやり、第4図の局面を作った。ここで宮嶋四段は、▲4五同銀に換えて、▲4五同桂を読んでいたという。
以下△4四金右に、「好手があります」と宮嶋四段。▲3三桂成(参考図)がそうで、△3三同桂に▲4四角△同金▲同飛で下手十分。

よって▲4五同桂には△同銀▲同銀△4四歩と我慢するつもりだったという。
一連の手順はまったく読めなかった。これがプロの読みといえようか。
「完敗でした」
と宮嶋四段。でも第6図から「△4七歩▲同飛」の交換がなければ、△2九飛のときに▲4九歩と打つ1歩がなく、下手が敗勢だった。快勝と惜敗は紙一重。私は僥倖だったというよりない。
左の将棋も終わっており、宮嶋四段が感想戦を並行して行っていたため、これで一局の終わりとなった。

私は7~8年前のことをすっかり失念していたのだが、今回の宮嶋四段は何もかもがゆったりしていて、これぞ指導対局だと思った。情けを掛けていただいたと思った。
宮嶋四段の栄えある未来に幸あることを願ってやまない。
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情けを掛けていただく・宮嶋四段との指導対局(前編)

2023-12-29 21:48:12 | 新・大野教室
10月22日の社団戦最終日で、大野八一雄七段に久々にお会いした。
「大沢さん、久しぶりです。12月23日なんですけど、宮嶋健太のパーティーをやるんですが、どうですか」
「宮嶋健太」とは大野七段の弟子で、今年10月1日付で四段昇段した、大野門下期待のルーキーである。
私も土日はなかなか予定が取れないのだが、展開次第では参加も考えた。
そして今月16日、九州旅行中の私に、大野七段からあらためて電話が来た。いわく、23日は宮嶋四段と加藤圭女流二段の指導対局会があり、それに参加しませんか、とのことだった。
大野教室の指導対局会は不定期に行われていて、現在は2棋士セットで10,000円である。これが高いか安いかはさておき、社団戦のときの話とは若干様相が異なるが、宮嶋四段へのご祝儀の意味でも、参加させていただくことにした。
当日朝は桃の木の手入れをやったため、川口駅の立ち食いソバ屋に入る時間がなかった。
11時少し前に大野教室に入室した。実に昨年の3月25日以来で、(女流)棋士との指導対局となると、2019年10月22日の飯野愛女流初段以来となる。
教室内は、まったく変わっていなかった。ま、そりゃそうだ。
W氏に会うのも久しぶりだ。
「そんなに変わってないんじゃない?」
とW氏。私が頭髪のことを気にしているので、それを慮っての言葉だ。ほぼ同じセリフを社団戦のShin氏からも聞いたが、その気づかいが心苦しい。ハゲ具合は私がいちばんよく知っているからだ。
寒暖差でメガネが曇ってしまったが、その先に宮嶋四段がいた。
「お久しぶりです」
曇ったレンズの先で、宮嶋四段がにこやかに笑う姿が見て取れた。これが勝者の笑顔だと思った。
「先日は竜王戦の勝利、おめでとう」
宮嶋四段は19日のデビュー戦(第37期竜王戦6組)で、初勝利を飾ったのだ。
が、そこから宮嶋四段は意外なことを言う。「(大沢さんの)ブログを読みました。7~8年前に対局をしたと思うんですけど、そのときは失礼しました。私も高校生だったもので……」
「……?」
話を聞くと、そのとき宮嶋奨励会初段の態度に私がカチンときて、そのことをブログで書いたらしいのだ。
なにしろ私は、対局相手の小学生が失礼な態度を取っても、それをブログに書き、ご尊父の怒りを買う始末である。だが私は、宮嶋四段の言う核心部分の記事は、まったく記憶になかった。
だけど、書かれたほうは書かれ損で、反論さえできないのだ。ペンは剣よりも強し、という。私も将棋ブロガーの端くれとして、ゆめゆめ気を付けなければならない。
ともあれ、指導対局の開始である。3面指しで、私はいちばん右に座る。左はときどき見る常連氏で、対局中のボヤキが印象的である。
私は角落ちを所望し、左氏は飛車落ち、その左の紳士氏は二枚落ちを所望した。「指し方」も聞かれ、私と左氏は「ふつう」、だけど二枚落ち氏は、「急所で緩めてもらえれば……」。いわゆる「天使モード」を所望した。

初手からの指し手。△6二銀▲7六歩△4二玉▲2六歩△3二玉▲2五歩△6四歩▲3六歩△6三銀▲3八銀△2二銀(第1図)

宮嶋四段の△6二銀からスタート。それはいいとして、7手目の△6四歩が変化球である。でもそれに惑わされず、私は自分の信じる手を指さねばならない。
第1図の次の手が、早くも急所だった。

第1図以下の指し手。▲3五歩△8四歩▲3七銀△8五歩▲7八金△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛▲3六銀△4二金▲6九玉△7四歩(第2図)

指導対局の制限時間は1時間。これは想像以上に短く、下手は直感で本筋の手を見極めなければならない。
第1図で▲2四歩から1歩を手にするのがいつもの私だ。しかしこれはその代償として後手を引くし、あとから2筋を盛り上がられて困ったことが、大野七段戦で何回もあった。よって▲2四歩は後回しでいい。
それより私には最優先の手があり、それが▲3五歩だった。言うまでもなく二枚落ち定跡の応用で、私の「飛車落ち一公流▲2五飛戦法」も、中座飛車の応用である。
本譜▲3五歩に戻り、これは△3四歩からの盛り上がりを防いだもの。また▲2五歩も、現在は位としての役目を果たしている。まずまずの序盤だと思った。
宮嶋四段の指し手は静かだ。八代弥七段のように、駒を慈しむように指す。
△8五歩に▲7八金と上がると、宮嶋四段は手を止め、「飛車先は受けないんですか?」と言った。
「むかし大野先生から、こういう局面では飛車先を受けないほうがいい、と言われまして。もちろん似た局面ですが」
そうですか……と、宮嶋四段は飛車先の歩を換える。私が不安だったのは▲8七歩に△7六飛と歩を取られる手だ。これには▲6六角が常套手段だが、本局は△6四歩型なので、直後に△6五歩がある。
だから△7六飛は有力と思ったのだが、それは素人考えだったようで、宮嶋四段はふつうに△8二飛と引いた。
△7四歩に、次の手を褒められた。

第2図以下の指し手。▲5五角△5二金右▲8八銀△5四歩▲3七角△4四歩▲4六歩△4三金直▲4八飛△5三金上▲2六角(第3図)

私は▲5五角と飛び出した。角を右辺に転回しようの意で、「いい手ですね」と宮嶋四段が言う。
「これは経験がありましたか?」
「いえ、5筋を突いてなかったもので、対局中に考えました」
「……」
そんなに感心されるような手を指しただろうか。
本譜に戻り、私は▲3七角と引いた。宮嶋四段は△4四歩。当然の一着だが、私は4筋に争点ができたので、ありがたかった。
私は▲4八飛と増強し、△5三金上に▲2六角。これなら▲7七角~▲5九角~▲2六角の3手角と一緒だが、本譜は▲4八飛がいるので、そうスムーズにはいかない。幸い、▲5五角と出た手に意味はあった。
しかしこの手は早まった。上手の次の手がまったく見えていなかった。

第3図以下の指し手。△5五歩▲3七桂△5四銀▲5八金△3一銀▲3四歩△4二銀▲4五歩△同歩(第4図)

左氏は定跡通り果敢に攻めている。そこで上手の△5一銀打が異筋の受けで、下手がやや混乱している。
第3図で宮嶋四段は△5五歩と指した。これが上手らしい一着で、私はまったく気が付かなかった。角落ちは位負けしない、というのが常識である。その教えを軽視したツケがここで回ってきた。
▲3七桂に△5四銀と上がられ、▲4五歩と仕掛けづらくなってしまった。
そこで▲5八金と一手待つ。そこで△7三桂と換わっても下手のほうがつまらないが、宮嶋四段は△3一銀。壁銀を立て直した手だが、私はありがたかった。
なぜなら下手はいつか▲3四歩と突いて角道を通さねばならないが、そのとき△2二銀型だと、△3四同歩のあとに△3三銀と応援する手が生じる。本譜はそれがなくなったのが大きい。
本譜に戻り、▲3四歩△4二銀に、私はいよいよ▲4五歩。△4五同歩に次の手はこれしか考えなかった。

(つづく)
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3月25日の大野金曜教室(後編)

2022-07-02 23:41:27 | 新・大野教室

第3図以下の指し手。△5五歩▲8七歩△5三角▲5四歩△7一角▲4四銀△同銀▲4五歩△3三銀▲5五角(第4図)

第3図で△4五同銀は▲同桂で、先手の攻めが加速する。私は△6四角がイヤだった。対して▲3八歩は利かされなので勢い▲4四銀と取るが、A△4四同銀▲同角に△3七角成か△8九飛成か。また強くB△3七角成もあり、どの変化も後手が相当だった。
そもそも先手は8筋がガラ空きなので、強い戦いができないのだ。然るに△5五歩とは何たる手。これはハッキリ悪手である。
私は落ち着いて▲8七歩。この温度差の手をU君は軽視したと思う。ここで△6四角は▲4四銀△同銀▲5四金なのでU君は△5三角と引いたが、▲5四歩が一本利いた。
▲4四銀△同銀に▲4五歩から▲5五角と飛び出し、私がハッキリ優勢になった。

第4図以下の指し手。△3四銀打▲6四角△4二銀打▲5六飛△5二歩(第5図)

第4図でU君の手を楽しみに待っていたら、△3四銀打と辛抱した。善悪は分からないが、これがU君の高勝率の秘密だと思った。
私は「王手」と▲6四角。これにもU君は△4二銀打と辛抱したが、私は持駒を2枚使わせ、満足である。
▲5六飛と回って、△5二歩も強要した。これはもう負けられないが、改めて局面を見ると、妙な手があることに気付いた。

第5図以下の指し手。▲6一金△8四飛▲7五角△8五飛▲7一金(第6図)

私は▲6一金と打った。このベタ金で、後手の角が死んでいる。この手はいつからあったのだろう。
U君は△8四飛と角取りに浮いたが、▲7五角で逆に飛車取り。△8五飛に▲7一金とボロッと角を取り、丸々角得である。私が後手なら投了するところだ。
実際ここで打ち切ってもいいのだが、実はこの将棋、私が負けるのである。

第6図以下の指し手。△2二玉▲6三角△7五飛▲同歩△8八歩▲同金△2八角▲3八歩△3九角成▲5二角成△3八馬▲5三歩成△3一銀▲8六飛(第7図)

△2二玉は最善手であろう。悪いときは、無理に動かないほうがいい。
その後U君は角を手に入れたが、角一枚では何もできない。私は5三にと金を作り、着々と勝利に近づく。
繰り返すが、この将棋を私は負けるのである。

第7図以下の指し手。△5六歩▲同銀△3六歩▲3五歩△2三銀▲4三と△3七歩成▲3二と△同銀引▲4四歩△4二歩▲8一金△8五歩▲同馬(第8図)

△5六歩がいい叩きだが、私は強く▲同銀と取る。△3六歩には幸便に▲3五歩と打ち、4手後に▲3二とと金得して、また優位を拡げた。U君の△3七歩成も大きいが、大したことはない。
ただ、△8五歩に▲同馬しかないのがやや痛く(▲同飛は△5六馬)、勝つまで先は長いと感じた。

第8図以下の指し手。△6六桂▲同歩△5六馬▲9一金△6六歩▲6八歩△5七歩▲5九金△5八銀▲同金△同歩成▲同馬△4七と▲7六馬(第9図)

△6六桂から△5六馬で、かなり迫られている。然るに私の▲9一金はずいぶん余裕である。しかしもう、そんな悠長な手を指している時代ではなかったのだ。△6六歩~△5七歩~△5八銀がすごい迫力で、これはマズくなっていると思った。

第9図以下の指し手。△6七金▲7八金打△5八と▲7九玉△6八と▲同金△同金▲同玉△5七金▲7九玉△6七歩成▲1八飛△5八歩▲6九歩△4四銀▲3二馬△同銀(投了図)
まで、U君の勝ち。

U君の△6八とでは△7八金▲同金△6九金▲8八玉△6八とがあったが、本譜でもいいのだろう。
私の▲1八飛は情けない手だが、投げ切れなかった。
△4四銀の1歩入手は△7八歩以下の詰めろと思ったが、これは二歩である。▲3二馬と切ったあとに気付いたが、今度は△6八角の詰めろが生じているので、もう私の負けだ。
△3二同銀まで、投了。まったく、第65期A級順位戦で羽生善治三冠に大逆転負けを喫した藤井猛九段の気持ちが分かった。

感想戦では大野八一雄七段に加わってもらったが、あれでも勝ち、これでも勝ち、の変化がボロボロ出てきて、自己嫌悪に陥るのだった。
U君はあまり感想はなかったが、第7図以下で私が▲3二とと金を取ったところ、ここは▲3三とと、銀を取られるのがイヤだったという。これだとと金の取り方の味が悪いらしい。
本譜は△3二同銀引と形よく取れて、まだ粘れると思ったという。
なるほど、さすがにU君は私の考えもしないところを考えている。やはり強いと思った。
「U君も、オレにこんな将棋を指してるようじゃ、まだまだだな」
私は精一杯の強がりを言って、感想戦はお開きになった。
私はみなで晩飯を食う気力もなく、すごすごと帰るのだった。
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