一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第75期順位戦の昇降級者予想

2016-05-31 01:18:06 | 勝敗予想
明日6月1日に、第75期順位戦が開幕する。では恒例の昇降級者予想をしてみよう。

A級:
名人挑戦 深浦康市九段
降級 広瀬章人八段、稲葉陽八段

誰が挑戦者になるのかまったく分からない。本当は渡辺明竜王に期待したいのだが、毎年裏切られているので、今期は外した。そこで、大穴で深浦九段を選んでみた。
降級者だが、これまたまったく分からない。このメンバーで本当に2人も降級してしまうのだろうか。イメージが湧かないのだ。ただ、深浦九段はこっちに入れるべきだったか。

B級1組:
昇級 郷田真隆王将、松尾歩八段
降級 山崎隆之八段、畠山鎮七段

昇級者は郷田王将を挙げないとしょうがないだろう。
もう一人の昇級者の松尾八段は、若干希望が入っている。あまり知られていないが、私は松尾八段のファンなのだ。
降級は山崎八段を挙げた。電王戦の後遺症が残っていると見る。
あとの一人が分からないが、畠山七段の残留力も前期までということで、挙げてみた。飯島栄治七段はしぶとく残留する気がする。

B級2組:
昇級 菅井竜也七段、中村太地六段

菅井七段は順位も上がったし、「当確」だろう。
もう一人は思い切って、中村六段を挙げてみた。9回戦に斎藤慎太郎六段戦があり、これに勝った方が昇級する気がする。

C級1組:
昇級 北島忠雄七段、千田翔太五段

前期9勝を挙げて昇級できなかった北島七段。今期は8勝を挙げれば昇級できるのではないか。
もう一人は、千田五段をもう一度推してみる。千田五段は将棋ソフトに心酔しているイメージがある。強いものは強い、と素直に認め、その強さを吸収しているようだ。その姿勢に1票。

C級2組:
昇級 八代弥五段、増田康宏四段、三枚堂達也四段

なかなか難しいが、上記3人にしてみた。八代五段と三枚堂四段は昨年に続いて。この3人はそれぞれ直接対決がないので、星のつぶし合いもない。
ほかには名人戦解説の梶浦宏孝四段、デビューから11勝3敗の近藤誠也四段も推したいところだが、とりあえず見送り。この辺りは勘、というしかない。
あとは、加藤一二三九段の最後の戦いに括目したい。
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6月11日(土)は、将棋ペンクラブ関東交流会!!

2016-05-30 02:05:26 | 将棋ペンクラブ
将棋ペンクラブ関東交流会が、6月11日(土)午前10時より、東京・将棋会館で行われる。
このイベントは、将棋ペンクラブ会員が一堂に会し、指し将棋を通じて交流を図るというもの。といっても、一般での参加も大歓迎である。会費は一律3,000円。
スケジュールとしては、午後4時まで交流対局。棋士の指導対局もあり、今年は去年に引き続き、上野裕和五段、熊倉紫野女流初段、渡部愛女流初段が来席してくれる。20代の独身女流棋士の指導対局を受けられるなど、滅多にないチャンスと思う。
昼はおにぎりなどの軽食が出るので、お腹が空いても大丈夫だ。
対局参加者には、棋士の色紙や棋書などの賞品がもれなくもらえる。この時、短い自己紹介をしていただく。
4時からは約2時間、同所で親睦会となる。ビールやつまみなどが出て、酒類はほぼ飲み放題。棋士などサプライズゲストもある。「見る将」で棋士と交流を図りたい方には、絶好のチャンスだ。
また、女性が優先されると思うのだが、マンガ家のバトルロイヤル風間さんに似顔絵を描いてもらえる特典もある。ちなみに私もむかし描いてもらったことがあるが、ブスッとした表情がよく似ていた。
これで交流会は終了だが、二次会もあり、そちらは別途会計で自由参加となる。

以上を整理すると、将棋を何局か指し、指導対局を受け、おにぎりを食べ、賞品として色紙(棋書)をもらい、親睦会で飲み食いし、バトルさんに似顔絵を描いてもらって、3,000円ポッキリということだ。将棋ペンクラブはおカネがないのに、儲ける絶好の機会にも、まったく欲がない。
ま、だから私はこのクラブが好きなのだが。
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5月19日の検索キーワード

2016-05-29 01:20:57 | プライベート
今月も下旬から、goo恒例の「無料アクセス解析」が始まった。
これは2か月に一度行われ、ふだんは有料のアクセス解析(閲覧の時間帯、訪問者の時間帯、検索キーワード、ページごとの閲覧数、閲覧元URL、ブラウザリスト)が10日間、無料で見られるというものである。例えば初日だと、その前の10日分のデータも見られるので、実質20日近くのデータが見られることになる。
今回は「検索キーワード」の5月19日分を転載する。

1 一公(6PV)
2 将棋一公(3PV)
3 第9回世田谷花みず木女流オープン戦(2PV)
4 永井英明(2PV)
5 本格派居飛車党(1PV、以下同じ)
6 歩 成り プライド
7 鳩間島 シャワー ゆみちゃんち
8 島鉄 1000円
9 長崎 あんでるせん あたった
10 竹部さゆり あばずれ
11 竹部さゆり
12 大沢一公
13 大山康晴 将棋 勝つ受け方
14 太夫
15 船戸陽子水着
16 川棚 あんでるせん ネタばらし
17 森カンナ 飯野愛
18 振袖新造
19 将棋本受け方
20 将棋検定 問題集
21 女流棋士 高橋和 強いの?
22 女流きし うおざ
23 順位戦予想 2016
24 室谷由紀
25 桂扇生
26 熊倉紫野休場理由
27 丸山忠久
28 一公将棋雑記
29 アンデルセン 長崎 マスター 言葉
30 まほろば衆

将棋関係以外の単語で検索された項目は9。これは多いほうであろう。
訪問者数は404人、閲覧数は1,276PVだった。
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新橋駅前での名人戦解説会(後編)「羽生名人、絶体絶命」

2016-05-28 13:55:46 | 将棋イベント
スーツ姿の紳士氏はOk氏に見えた。昨年秋、東京ビッグサイトの東京モーターショーでOk氏そっくりな人を見かけ、それが当人という笑い話があったが、彼もまたOk氏にそっくりだった。
その紳士氏が私を見て、「おお大沢さん」と言った。やっぱりOk氏本人だった。
Ok氏はその場を離れる。しばらくして戻ってきた。トイレに行っていたらしい。
「新橋で解説会をやってたことは知ってたんだけどさ。やっぱり(大沢さんのブログに)書かれると、来たくなるよね」
会社の同僚と見に来たそうで、しばらく雑談した後、もとの席に戻っていった。
局面は羽生善治名人が絶体絶命である。大内延介九段は「▲8一飛成なら投了かもしれませんね」と語っていたが、そこで△8六歩が指された。なかなか妖しい手で、先手がアマならこれでだまされるところだ。
これには▲9一竜が第一候補。しかしギリギリで詰みはないようだ。仮に▲7八玉なら最終▲6七銀までの詰みがあった。
「だから▲7八玉のほうがよかった…」
と大内九段はつぶやくが、九段の最初の解説は「▲7九玉」だったはずだ…。「(▲9一竜のほかの候補は)▲8二竜△9四玉▲9六歩でシッシ(必至)なんだけど、これは先手つまらないでしょう」
これは△8八角▲6九玉△9九角成で粘れそうだ。
大内九段の変化手順は、「△7八金▲同玉△8七角▲6七玉△7六角成!」だが、「▲5七玉△7五角▲4六玉」で逃れている。
「角が二枚働いてもダメなんですね」
と藤森奈津子女流四段。梶浦宏孝四段の推奨も▲9一竜で、実戦もそうなった。
「逃げれば詰みなので△9二金ですか」
「先生、合駒をしないで逃げました」
大内九段が言うと、藤森女流四段がそう返した。
「逃げた? …これはもう、絶対詰みですね」
これには▲7六桂がピッタリだ。大内九段は名人の投了を予想したが、△7五玉▲9五竜が指された。
「ここまで何手? …129手? いいとこかね。これ以上やらないでしょう羽生さん。あ、やるの?」
そこに名人投了の報が入った。第1局と同じ手数だ。
「羽生さん出来の悪い将棋でしたね。盛り上がるところがなかった。(このまま終わったらつまらないから)皆さん羽生さんを応援してください。(羽生さんが不出来で)さびしい限りです」
と大内九段が総括した。ああ、この人は羽生名人のファンなんだな、と思った。
時に午後7時31分。ここ新橋駅前で解説を聴くのは3回目だが、だんだん将棋が大差になってくる。第1局、解説の休憩を挟んで8時半すぎまでやったのが、いまでは懐かしい。
次回第5局は、30、31日。中3日では羽生名人もつらいが、どうなるか。大盤解説は31日に同所で行われるが、同所での大盤解説はそれで最後となる。もし名人交代になれば、羽生世代以降で初の戴冠となる。大いに注目したい。

「大沢さんは飲まないからなぁ…」
Ok氏が改札口の手前でつぶやいたが、私も観たいテレビがあり、あまり話題を拡げなかった。そう、私はこうして交流の目をつぶし、自然に内向的になってゆくのだ。
3人で、埼玉方面行きの京浜東北線に乗る。同僚氏も子供のころ将棋は指したが、中学生になってやめてしまったという。昭和43年生まれとのことで、けっこう歳いってるんだなと思ったがよく考えたら、私のほうが年上なのだった。ああもう、眩暈がする。
「私はネ、この人のブログを会社でよく見てるんですよ」
Ok氏が同僚に言う。「記事が文字ばかりの時はいいんだけど、将棋の盤面が載っていると、後ろを通った人にバレちゃうから、見にくい」
最後に苦笑した。
読者とはありがたいものである。
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新橋駅前での名人戦解説会(前編)「大内九段の嘆息」

2016-05-27 18:51:27 | 将棋イベント
先日の女流王座戦一次予選の全棋譜が公開された。私は▲和田あき女流初段×△山口恵梨子女流初段(当時)の一戦を再生したが、▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩の次の手に呆れた。
▲6六歩とはナンだ▲6六歩とは!?
あきちゃん、はっきり言ってやろう。こんなヘタレな手を指してるから勝てんのじゃ!
一から居飛車を勉強し直せぇ!!

   ◇

25日・26日は広島県福山市で名人戦第4局が行われた。その福山市は、私が敬愛する推理作家・島田荘司の出身地である。島田荘司が生んだ名探偵・御手洗潔(ミタライ・キヨシ)は長年映像化されなかったが、昨年3月、玉木宏のキャスティングで2時間ドラマ化された。
そして今年の6月4日(土)には同じキャスティングで、「星籠の海」が映画公開される。
まだ島田荘司を読んだことがないひとが私は羨ましくてしょうがない。なぜならその人はこれから、めくるめく島田ワールドに歓喜することができるからだ。もちろん映画を観てもよいが、ぜひ小説を読んでほしい。「ら抜き言葉殺人事件」以外は、どれもおもしろい。何でもいいので、図書館で借りて読んでください。
話を戻すがこの名人戦、第1局は羽生善治名人が「らしい」指し回しで快勝し、やはり名人ペースか…と私は感じ入ったものだった。
ところが第2局で羽生名人が佐藤玉を詰ましにいけず、逆転負けを喫してから流れが変わった。
第3局は羽生名人にいいところがなく、負け。となってみると、3局を終わって星一つの差なのに、早くも佐藤天彦新名人誕生の機運が高まってきたのである。この雰囲気は羽生名人も気付いているはずで、これは初めての経験ではなかったか。
そんな中での第4局である。2日目の26日、私は三たび新橋駅前に足を運んだのだった。

自宅最寄り駅の近くで金券(JR切符)を買っていたら、それに手間取って山手線に乗り遅れた。その次の京浜東北線に乗ったが、1分半は確実にロスした。
新橋駅前のSL広場に着いたのは午後6時39分だった。観客はいつも通りいっぱいいる。空はまた、一段と明るかった。
あらためて記すまでもないが、解説は大内延介九段、聞き手は藤森奈津子女流四段、駒操作は梶浦宏孝四段である。
現地は現在、夕食休憩が終わり、対局が再開されたところ。大盤ではその局面までを進めているところだった。大内九段はいつものように、椅子に座っていた。
「…△8三歩と謝るなんてヒドイ話で……」
と大内九段が語っている。1分半前に来ていたらもっと話を聞けたのに…と後悔するが、これが私の生き方だからしょうがない。「あとは佐藤八段がどう決めるかです。……△4四歩がどうだったんでしょうね」
解説会が始まったばかりというのに、早くも終了宣言である。私は回れ右をして帰りたくなった。
とにもかくにも現在の局面を見ると、確かに羽生名人が絶望的だ。指し掛けの局面もまとめづらいと思ったが、その形勢のままズルズルきてしまった感がある。羽生陣左側の角金銀が取り残されているのが哀しい。名人のこんな愚形を見たのは初めてである。
「残り時間は、佐藤八段が40分、羽生名人が1時間55分です」
と藤森女流四段が散文的に言う。
「起死回生の手がないんですね。控室で梶浦四段と検討したんだけれども、しのぐ手が見当たらないんです」
そう言って、大内九段が予想手順を続ける。「▲8五歩△9三玉▲9五金△6四飛▲8四歩。そこで△8九歩成▲同玉△8六飛▲7九玉△8四飛寄としますか。▲同金に△同玉は、▲8三飛△7五玉▲8七飛成。
そこで▲8四同金には△同飛と取ります。そこで▲8三飛と打つ。△同飛▲同金△同玉▲8二飛△9三玉に、じっと▲8一飛成で後手玉はシッシ(必至)なんですね」
変化の余地のない手順だ。これで先手が勝ちなら、こう進む可能性が高い。
「このまま羽生さんが負けると、くだらない将棋ですね」
大内九段はキッパリと吐き捨てた。「何の意味もない」
名人の拙局に、怒っているように見えた。
名人△8九歩成。「アマヒコ君、5分ぐらい考えて▲同玉と取りますよ」
しかし長くは待たせず、▲同玉の報が入ってきた。
「羽生さんが勝たないとレースがおもしろくないんですよね。もし負けたら1-3でしょう。1-3から防衛したケースはあるけれども」
名人戦で1勝3敗から逆転防衛した例は、1992年の第50期に1度あるだけだ。中原誠名人に高橋道雄九段が挑戦したシリーズで、A級順位戦では大山康晴十五世名人が感動的な活躍を見せ、話題になった期である。
「羽生さんがこんなに追い詰められるとは…」
大内九段が嘆息する。「局面が狭いんで、攻めがなかなかほどけないんです」
今日は風が強い。藤森女流四段の衣服もはためいているが、パンツなのでおもしろみがない。
指し手が入ってきた。△6四飛▲8四歩。まあ、そうであろう。
羽生名人は△8九歩成と捨て、△8七から飛車を打った。少考の▲7九玉に△8四飛寄とし、以下バタバタと進む。▲8一飛成まで、まさに検討通りだ。
「どうも受けがないですね」
あたりは静まり返っている。
と、前方の観客席にいたスーツ姿の男性が立ち上がり、踵を返した。
あ、あの人は…!?
私は衝撃を抑えきれなかった。
(つづく)
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