一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2月21日の川口大野・植山教室(2)

2016-02-29 21:25:36 | 大野・植山教室
傍らに「週刊将棋」が置いてある。マイナビ女子オープン、室谷由紀女流二段が勝って挑戦者決定戦に駒を進めた記事が載っている。室谷女流二段が相変わらず綺麗だ。
その室谷女流二段がらみで、あとで私の意見を聞きたいとFuj氏が言う。
なんだろう…。
2局目はKoh君と指す。Koh君は小学生低学年。さっきS君が二枚落ちで対戦したのだが、ものの5分で吹っ飛ばされたという。S君も小学生ながら、彼は将棋を覚えて1年余でアマ四段になり、現在は研修会で腕を磨いている手練れだ。その彼を破ったのだから、Koh君の底知れない才能が分かるというものだ。
そして先ほどはFuj氏と二枚落ち戦を指していたが、これはくんずほぐれつの戦いの末、Fuj氏が激闘を制していた。Fuj氏こそ二枚落ちの帝王だが、その彼にここまで戦えるのだからすごい。私もKoh君を有段と思って、気を引き締めて戦わざるを得なくなった。
私の二枚落ちで、△6二銀▲7六歩△5四歩▲4六歩△5三銀▲4五歩△5二金▲7八金△6四銀▲4八飛△5三金。
ここでKoh君が突如、▲4四歩ときたので驚いた。以下△4四同歩▲同角!△同金▲同飛(第1図)と進む。

▲4四歩は無謀だが、こんなところに才能を感じる。簡単に大駒を切ってしまうのはいただけないが、でもOk氏のそれとは一味違う。
第1図から私は△4二銀としたのだが、あまりよくなかった。それでも以下何とかごまかし局面は進んで、第2図の△1四角まで。

ここで何とKoh君が投了してしまった。
教室の小学生はどのコも諦めが悪く、最後の1手詰みまで指す。それだけに、ここでの投了が何か新鮮だった。
「もう投了しちゃうの?」
「だって両取りをかけられちゃ勝てないから…」
それはそうなのだが、以下▲4八歩△3二角▲2二歩と進めれば、苦しいながらも下手に楽しみがある。
まあ下手にこの手を求めるのは酷だが、ともあれこの早い投了に、却って私は、彼の才能を改めて感じたのだった。
彼に学年を聞くと、「小学2年」とのこと。そんなに幼いとは思わなかった。棋力は2級だそうだが、初段はあると思う。再度書く。教室にまた1人、有望新人が現れた。

ここで3時休み。おやつ置き場には、鹿児島名菓が人数分載っていた。
どうも、鹿児島出身の新規生徒が来ていたらしい。さっきから「鹿児島中央」とか「西駅」とか、鹿児島関連の単語がピョンピョン飛んでいた。たぶんその彼に一番話を合わせられるのは私なのだが、私もそこまでして会話に入りたくない感じである。
今日の主な生徒は、Hon氏、Kaz氏、Tod氏、Has氏、Ii君、Taga氏、Hat氏ら。Kaz氏が入って、旧ジョナ研メンバー色が濃くなっている。ただしW氏は重役出勤で、まだ姿を見せていない。
S君が「二枚落ちは上手の経験がモノを言うんだよ」と言うのが聞こえる。だから小学生のボクには上手はムリだ、の反語だ。S君、よほど先ほどの敗戦が堪えたようだ。
ところでFuj氏の報告によると、Koh君のお母さんが、室谷女流二段に似ているという。さっきの話のアレだ。
ところがその賛同者がいないようで、後で彼を迎えに来た時、確かめてくれませんかという。
それはいいが、室谷女流二段に似ているといっても本人ではないわけだし、何より人妻では、私の関心も半分、というところだ。
3時休みが終わって、対局再開。3局目は、某氏と平手戦。私の先手で、相矢倉になった。
私のスズメ刺し明示に、某氏は△7五歩▲同歩△同角。私は前回の反省を踏まえて、▲6五歩と指した。
以下、グッタグタ、ゴッテゴテの指し手が続く。途中、先手・7七桂、7八金、8八金、8九玉 後手・7九銀の局面で、△8八銀成を▲同玉と取ったのが失着。玉が2段目に上がることで却ってアタリが強くなり、形勢を損ねてしまったのだ。
第1図はその終盤。

私が▲4一角と打ったところだが、攻めが切れ気味だ。
ここで某氏は△3一金(第2図)。これがココセみたいな手で、形勢が逆転した。ここは△3二金か△3二桂で、後手が一手余していたと思う。
私はありがたく飛車を取り、▲2四歩の王手。△同玉は▲2五飛だから△3二玉と引く一手に、さてどう寄せる?

(つづく)
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2月21日の川口大野・植山教室(1)

2016-02-28 01:06:38 | 大野・植山教室
21日(日)は、埼玉県川口市にある「川口 大野・植山教室」に行った。自宅を出るのが少し遅くなったので、教室に着いたのは午後1時50分だった。
戸を開けて中に入ると、「今日は来ないと思ったら来た…」とFuj氏の声が聞こえた。
U君は「大沢さんだ」。私はたまにしか来ないので、いろいろ構ってもらえる。
Fuj氏が私に、3月19日に行われる「女流棋士との親睦会2016」のハガキをくれる。
昨日、和田あき女流初段が来席したらしく、彼女からのリレーだ。だが、2部の選択コースは、「C みんなで選ぼう次の一手」に、勝手に○を付けられていた。
これはどういうことかしらん? どうせなら「30秒将棋de二面指し」がよかったのだが、まさか定員に達してしまったのだろうか。もっとも、このコーナーの有無を事前に確認しなかった私がわるかったのだが。
今日もふつうに生徒は多い。15人近くいるが、これが当たり前になってしまった。
早速大野八一雄七段に教えていただく。もちろん角を落としていただいた。
対局開始。△5四歩▲7六歩△6二銀▲5六歩。いつもなら飛車先の歩を先に突くが、今日は矢倉を目論んでいたので、じっくり指す方針だった。
左はSato氏が平手で挑んでいる。大野七段が飛車を振ったようで、対抗型になっていた。
これがおもしろい戦いで、Sato氏が大野玉に詰めろを掛ける。大野七段は下手玉を詰ましたいが、詰まない。そこで△5一香とギリギリの受け。私のほうは序盤だから、こっちの観戦に夢中になってしまった。数手後に大野七段、△4七角と王手に打ち、△8三角成と成り返った。こうなると上手陣は厚い。
私は矢倉を組み、▲6八角と上がる。ここまで組んだのは久しぶりである。また左を見ると、奇怪な進行になっていた。

図以下の指し手。▲8二飛△同馬▲7四桂
まで、Sato氏の勝ち。

▲8二飛△同馬はいいとして、Sato氏はその馬を取らずに▲7四桂。△7四同歩に▲8二馬とするつもりか…と考えたら、大野七段は「アッ!!」と叫んで投了してしまった。
すぐに感想戦が始まる。しかし私は事態が把握できていない。▲7四桂△同歩▲8二馬に△8七歩成で、下手玉が詰みそうではないか。ここで投了する意味が分からない。
それを言うと、大野七段が再び「アッ!!!」と叫んだ。
よく分からないが、大野七段は、自玉が△8二にいると錯覚したらしい。いやそれでも▲8一に成銀がいるからあり得ないのだが、とにかく大野七段が大きな勘違いをしていたらしい。
これはSato氏も同様の錯覚をしていたようだ。
こういうケースは時々あるが、本局は珍局の部類に入ると思う。
ともあれこれで自分の将棋に専念できる。大野七段は△5五歩▲同歩△同金。いつもの私なら▲5八飛と転戦するところだが別の手を指し、△5四金引にも▲5六歩と謝っておいた。とにかく今日はじっくり指すのだ。
大野七段は△6四銀と圧力を掛けてきた。ここはチャンスである。

第1図以下の指し手。
▲6五歩△5三銀▲6六銀△6四歩▲7七桂△6五歩▲同銀△同金▲同桂△5四銀▲6四金△6二銀▲3五歩△6三歩▲5四金△同金▲3四歩△6五金▲6六歩△6四金▲3三歩成△同玉(第2図)

私は▲6五歩と突っ張る。こんなところで考えてはいけない。文字通りノータイムだった。
△5三銀▲6六銀。私の2手得で、駒の勢いが違う。△6四歩の合わせには▲7七桂。矢倉が崩れて、やっぱりこんな将棋になってしまった。
大野七段は△6五歩としたが、ここ△7三桂と対抗するのは▲5五歩△6五歩▲5四歩△6六歩▲5三歩成△6七歩成▲4三と(王手)で下手が1枚多く取れる。
大野七段は△5四銀。ここは△6四銀と思っていたから意外だった。私は▲6四金と張り付く。対して△6三銀打は、▲7三桂成△同桂▲同金△8一飛▲6三金△同銀▲5五桂で、下手指せると思う。
本譜△6二銀の辛抱には、▲3五歩の桂頭攻め。以下桂を取り合ったが、それはこちらに分がある。
△3三同玉に次の手は。

第2図以下の指し手。▲4五歩△5三銀▲2四歩△3五歩▲3四歩△同玉▲2三歩成(投了図)
まで、一公の勝ち。

第2図でふつうに▲2五桂と跳んでもいいが、一瞬飛車先が重くなるのが気に入らない。
角が働いていないので、▲4五歩と突いた。△5三銀の活用には、▲2四歩の合わせ。これで少しよくなったと思った。
△3五歩には、▲3四歩と最後の一歩を使う。△3四同玉に▲2三歩成。
と、ここで大野七段が投了してしまった。

ちょっと早い気もするが、△2三同銀に▲4三銀。以下△3三玉▲3四歩△2二玉に▲3五角で、上手に楽しみがないと見たものだろう(▲4三銀では▲4六桂もあるかもしれない)。
感想戦。大野七段は△6四銀を後悔した。「玉が▲7九だから▲6五歩とは突いてこないと思ったんだけど…」
「私は行きます」
後の△5四銀も、やはり△6四銀だったらしい。
まあもっとも、指導対局なのだから、多少緩手を散りばめてもらわないと、こちらに勝機がない。
ともあれ、まずまずうまく指せた一局だった。
(つづく)
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里見女流名人、7連覇達成

2016-02-27 20:30:30 | 女流棋戦
23日の女流名人戦、山田久美女流四段と高浜愛子女流2級との一戦は、山田女流四段の勝ち。山田女流四段はリーグ入りまであと1勝となった。高浜女流2級は昇級後初の対局だったが、上位者の壁は厚かった。
高浜女流2級は、もはやほかの女流棋士と同じ勉強量ではダメである。勝ち星を稼ぎたいなら、今後相当勉強しなければならない。食事と寝ている時以外は将棋の勉強をする、という覚悟で臨む必要がある。
今の女流棋界なら、勉強すれば上位に上がれる。ただし怠惰に過ごしても、もう女流棋士の資格は剥奪されない。厳しい道を選ぶか、ラクな道を選ぶか。どちらを選ぶかは高浜女流2級次第だ。

24日の女流名人戦第5局は、里見香奈女流名人が勝って、7連覇を達成した。
本局、後手・里見女流名人のゴキゲン中飛車に、清水市代女流六段の採った作戦は「超速▲3七銀」。しかし数手後に▲6六歩と突いたので怪訝に思った。
名人戦でも出た手らしいから私がどうこう言えないが、速攻の▲3七銀とじっくりの▲6六歩の整合性がないと思ったのだ。
それと、これはレベルが違うのだが、私も対中飛車に▲6六歩型を指すことがあるが、あまりうまくいったことがない。やはり角の運用が難しいのだ。
清水女流六段は▲3八飛と回って▲3五歩△同歩▲同飛。これが清水女流六段用意の手だったらしい。
さらに▲5六歩△同歩▲5五歩。銀を追い返して▲5六銀、が清水女流六段の読みだったが、この瞬間△5七歩成が軽妙だった。
この手自体は行きがけの駄賃みたいなもので、私レベルでも指せそうである。ただし私が思い付きで指すのに対し、里見女流名人のそれは十分な読みの裏付けがある。読みの濃さ、という意味では天と地ほどの差がある。
里見女流名人、△5二銀。6三の銀を引いたのだ。ここ、私なら△7四歩と玉の懐を拡げるところ。しかし△5二銀は金銀の連結を密にして、指されてみればナルホドと唸る手だ。
里見女流名人は△2四歩と戦端を開いたが、清水女流六段はこの忙しい時に▲5八金引と1手入れねばならず、ここで差が開いたようだ。先の△5七歩成の効果である。
里見女流名人、5五に馬を作って、4四に引く。一般的に角(馬)は飛車より劣るが、この△4四馬の輝きはどうだ。敵陣、自陣と八方に利き、竜の働きに勝るとも劣らない。
ここで素人目にも、里見女流名人に利があることが分かってきた。
里見女流名人、△5三桂。桂は控えて打て、を地で行く手で、次に△6五桂が実現すれば将棋は終わる。そこで清水女流六段の放った▲7五飛!!にはのけぞった。
「イチヨの金」に書いたように、清水女流六段はよくも悪くも、形に拘らないところがある。▲7五飛はその典型で、並の棋士はバカバカしくて打てない。そこを平気で打つところに、清水女流六段の強さがある。
しかし本局は相手が悪かった。里見女流名人は的確に包囲網を狭め、△7八とで終局。
感心したのは、終局図がキッチリ一手違いになっていたこと。棋は対話、というが、最後は両者が申し合わせたかのように、美しい投了図を紡いだ。
これで里見女流名人は7連覇を達成。棋力の充実からして当然とも思えるが、それにしたって7連覇はなかなかできない。
一方の清水女流六段、敗れはしたが、現役奨励会三段相手にフルセットまで持ち込んだのだから見事だった。もはやほかの女流棋士とは大駒1枚違う感じである。ぜひ捲土重来を期してほしい。
両者とも、お疲れさまでした。いい将棋を、ありがとうございました。
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冬の北海道旅行2016(9)

2016-02-26 00:07:44 | 旅行記・北海道編
私は左に方向を変え、切符を買った。すぐさま改札口に向かうと、何とSuicaの使用は可だった。私は呆れつつ階段を下りるが、18時43分の電車には間に合わなかった。
私は落胆してベンチに座る。よく考えたら、今日札幌に来てから腰を下ろしたのは、食事の時以外で初めてだ。これだけ歩いて、少しはダイエットできただろうか。
18時50分の電車に乗り、53分、すすきので下車した。純粋に7分のロスだが、これが後になって響く気がした。
すすきの氷の祭典は、鷲や鮭などの氷像が並ぶ。定番だが、力作ぞろいだ。ただ、旭川のそれが立体的なのにくらべ、ここすすきのは平板なので、やや迫力に欠ける。
ちょっとシャレた蕎麦屋があったが、値段がやや高めだったので、見送りとする。
会場を最奥まで進むと、ミニステージで妙齢の女性が、ハワイアンダンスをやっていた。
…チッ、さっぽろの改札口で判断を誤らなければ、ここに7分早く着いていた計算だ。それにしても、すすきの会場でステージは珍しく、私は初めて見た。
彼女の踊りが終わると、今度はムキムキの男性が踊る。それが終わると女性2人が登場し、踊った。やはり女性が登場すると華やかになる。
その後も何人ものダンサーが入れ替わり登場し、ここだけが南国の趣となった。



ハワイアンショーは7時30分に終了した。私は得したような損したような気分だったが、一応満足して、氷像の鑑賞に戻る。ややライトアップが緩い気がしたが、こちらもまた満足した。
最後は大通会場で夜の雪像の鑑賞である。大通公園までは、今度こそ徒歩圏内だ。
交差点を渡ると、初見の光景があった。こ、これは…!!

札幌市電、延伸部分の軌道だった。薄野から札幌駅前までは市内のメインストリートだが、この上下二車線を潰して軌道を敷いたのだからスゴイ。
先に進むと狸小路電停があり、待合所も造られていた。待ち人数も多く、市電の延伸は好手だったようである。札幌市電のますますの発展を祈った。
大通会場に入る。もうだいぶ夜が更けたが、まだまだ観光客はいる。4丁目「進撃の巨人」はライトアップされて、迫力が増していた。
忘れないうちに、雪まつり缶バッジ(200円)を購入しておく。これが来年の雪像造りの資金となるのだ。
ちょっと小腹が空いた。6丁目のマルシェでは、海鮮やきそばを半額の250円で販売していた。この額なら私も食べる。しかしこれ、量も半分になったんじゃないか、というくらい少なめだった。でも味はよかった。
コカコーラのブースでは、雪まつり仕様の瓶型缶コーラが売られていたので、買う(140円)。北海道でコーラを飲んだのは、5年前に余市駅で飲んで以来である。ゲフッ。
そのほか、ラーメン屋も美味そうなところがあったが、ラーメンならここで食べなくても、あっちこっちで食べられる。どうも注文を躊躇してしまう。
いくつかの大雪像で、プロジェクションマッピングが行われていた。8丁目の「北海道新幹線」は、新幹線が綺麗にカラーリングされ、ぐっとリアリティが増した。
それにしても、プロジェクションマッピングはあっちこっちでやっている。昔なら今の時間、よさこいとかのイベントをやっているところだ。もっとも今日7日は、ニトリ文化ホールでよさこいの大会が行われていたのだが。
話を戻して、プロジェクションマッピングが多い理由――。何故かと考えるに、仕掛けが派手な割には人件費がかからないので、スタッフ側から見れば都合がいいのではと思う。さっぽろ雪まつりも賑やかなようで、昔と比べれば明らかに予算が削減されているのだ。
11丁目のブースでは、初音ミクの歌が流れていた。こちらは初音ミクが現れるはずもない。その代わりというわけではないが、曲に合わせて、観客が見事な踊りを見せていた。やがてそちらに注目が集まって、写真を撮る人も現れた。こんなケースも珍しい。
初音ミク・クリアファイルが売られていた。赤い羽根共同募金とのコラボで、売り上げの一部が募金に充てられるらしい。1枚200円と安かったので、4種類買った。
12丁目まで行き、折り返す。「国際雪像」は、作品があらかた完成したようだ。それらがカラフルにライトアップされ、素晴らしい。再度書くが、名寄の雪像にまったくひけを取らない。
4丁目のあたりで、遠くにテレビ塔が見えた。ライトアップされ、ミニ東京タワーのようだ。
1丁目間際まで来ると、テレビ塔の時計は「9:09」を示していた。
氷像の北海道新幹線も、プロジェクションマッピングをやっていた。陸路で北海道に入りたいとは思わないが、話のネタに乗ってみたいとは思う。
これで雪まつり鑑賞は終わりとする。そろそろホテルに入りたい。今夜の宿は、「ホテルパークシティ札幌」だ。札幌駅から徒歩4分と至便で、素泊まり4,000円はリーズナブルだ。
コンビニで夜食用におにぎりを調達し、チェックインする。部屋は小綺麗にされており、ベッドが広い。当然とはいえ、自由に身動きできる空間があるのはありがたい。
テレビを観るなどして12時過ぎまでダラダラしたが、翌朝は早いので、就寝した。

8日(月)朝は5時50分に起きた。2日分の疲れがたまっていたので、熟睡できた。
すぐに着替えて、駅に向かう。06時15分の快速エアポート60号に、予定通り乗れた。
06時53分、新千歳空港着。帰りはAIR DO・08時00分発なので、これで無事に帰京できる。
以上、正味2日間の雪まつり旅行だったが、なかなか充実していた。さっぽろ雪まつり以下4つの祭りを見て、入場料の類はまったくなし。旭川の世界氷像大会で不満を述べたこともあったが、無料であることを考えれば文句など言えず、感謝、感謝の一言だ。
私はここ数年、気力、体力、それに精神力がメッキリ衰え、旅行するのも難儀だが、来年のこの時期、またここに来られればうれしいと思う。
(おわり)
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冬の北海道旅行2016(8)

2016-02-25 12:47:11 | 旅行記・北海道編
小樽運河の欄干の手前には、観光客がズラッと並んでいた。そのほとんどが撮影しているのだが、彼らが一向に動かない。東京に観光に来た人が、東京は何て人が多いんだ、とウンザリする笑い話がある。あなたもその一人じゃないですか、というオチだが、今の私の心境がまさにそうである。
背伸びをして覗くと、運河に浮き玉キャンドルが整然と浮き、右手の倉庫群と奥に見える山々、それに群青の空が混然一体となって、幻想的な光景を創りだしていた。陽が暮れかかっている今がちょうどいい時間なのだ。なるほどこれは、世界中から観光客が訪れるわけだ。
改めて「小樽雪あかりの路」は、今年で18回目。大雪像の類はないが、各会場にお手製のキャンドルが灯り、癒しの時間を満喫できる。イベントやステージがあるわけでもないが、それだけにほっとできる。参加会場も年々増え、今年は40を越えているようだ。
手前のスペースには、大きなハートが造られていた。この内側に人が入り、スタッフが無料で撮影してくれるのだ。私も何年か前、ここで記念写真を撮ったものだ。
私は人の間から運河を撮影して、先に進む。運河脇の歩道は、市民手作りのアイスキャンドルや雪像で、ロマンチックに演出されていた。観光客が作品を愛でる、という意味では、ここ小樽が最も秀でていると思う。





蛇足ながらアイスキャンドルは、バケツに水を張って1日置くと、バケツに接している箇所が凍る。その後中心部分の水を掃きだせば、アイスキャンドルの完成である。北海道ではポピュラーなカサだ。
運河の終点に突き当たり、そこを左折する。ゆるゆると坂を上ると、旧手宮線の廃線跡があった。ここが雪あかりの路・第2のメイン会場だ。
手宮線は南小樽から分岐していた全長2.8kmのミニ路線で、昔は旅客営業をしていたが、1962年に貨物専用線となり、1985年に廃止された。踏切があった場所には数年前まで、(自動車に対して)「一時停止の必要はありません」の看板があった。
私は昔、この廃線跡を全線踏破したことがある。その後手宮線跡は整備され、雪あかりの路のメイン会場にまで「昇格」した。廃線跡の使い道はいろいろあるが、結果的に人が訪れる場になるのが理想的だ。その意味で手宮線は、幸せな廃線だと思う。
ここ手宮線会場も、積雪を絶妙に整形してアイスキャンドルを配し、幻想的な光景になっていた。観光客ももちろん多く、その密度はさっぽろ雪まつりを凌駕している。若者やカップルが多いのがおもしろくないが、私も雪あかりを堪能する。
ここはさっぽろの喧騒はなく、出店もほとんどない。観光客のおしゃべりだけが響き、これが雪まつりの原点とも思える。







その途中、地元のオバチャンが雪像の脇でお餅を焼き、観光客におすそわけしていた。私はもらい損ねたが、その気持ちがうれしかった。
行き止まりになった。この大道路を隔てた先は、JRの現役線路だ。私は引き返し、焼きジャガイモを一片いただいた。無料の食べ物は、なんでこんなに美味いのだろう。

雪あかりに大いに満足した私は、小樽駅に向かう。その途中、アーケード街があった。ここを少し入ったところに美味い蕎麦を食べさせてくれる店があるのだが、私は一刻も早くすすきのに向かわねばならない。
一応その店をあたってみたが見当たらず、もうそれ以上は詮索せずに、小樽駅に着いた。
駅構内には「雪あかりの路」の看板が掲げられ、モニュメントも展示されていた。
札幌方面の列車は、18時04分発の快速エアポート184号があった。私は再びSuicaで入場する。
快速エアポートは、旅行者にお馴染みの721系だった。やはり先客は多く、今回も立たざるを得ない。ホームの反対側には18時08分発のいしかりライナーが待機していてガラガラだったが、今は数分でも惜しい。予定通りエアポートに乗った。
定刻に出発。小樽滞在はちょうど2時間だったが、意外に長く感じられた。
札幌には18時36分に着。ちなみにこのまま乗ったら新千歳空港に行ってしまう。
次に見るべきはすすきの氷の祭典だが、歩いていくには時間がかかりすぎる。ここはさすがに地下鉄の利用とする。
南北線の改札前に行くと、18時43分の電車があった。腕時計を見ると18時42分である。パッと見たところ、改札はSuicaでも通れそうだ。しかしそのままタッチして、バタンとゲートを閉じられたら赤っ恥だ。そのまま行くか、券売機で切符を買うか。
(つづく)
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