一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

中尾五段の順位戦復帰の目を考える・5

2018-02-28 01:56:18 | 目を考える
フリークラス10年目の中尾敏之五段は2月18日現在、今年度の成績が「16勝8敗」。そして27日には竜王ランキング戦6組で牧野光則五段と対戦した。
ここで問題をひとつ片付けておこう。中尾五段も先日の藤原直哉七段同様、2月19日か23日に次期NHK杯予選を戦っている。現在中尾五段の順位戦復帰条件は
「年度18勝以上の勝率6割」
だから、ここで2勝以上を挙げていればめでたく条件をクリア。日本将棋連盟のサイトにニュースが載ったに違いない。
しかしそれがなかったということは、中尾五段はNHK杯で「○●」もしくは「●」だったということだ。
ここで1勝1敗か0勝1敗かはかなり状況が変わってくるが、27日の牧野五段戦には、日本将棋連盟の携帯中継が入っていた。これをどう見るべきか。
まあ27日は東京・将棋会館での男性棋戦が2局しかなかったので本局が中継されても不思議ではないのだが、本局が順位戦復帰までマジック「1」だったから中継した、という見方もできる。23日の藤原七段VS久保田貴洋アマ戦に携帯中継が付いたのと同じ理屈だ。
話が脱線したが、ともあれ中尾五段の26日までの成績は「17勝9敗」か「16勝9敗」と断定していいと思う。
そんな状況で本局が始まったわけだが、これが予想に違わぬ大熱戦となった。
私は将棋連盟のモバイル中継は契約していないので、ネットの某巨大掲示板で情報を得るのみ。すると中尾五段の後手番で相矢倉になったことまでは分かった。
が、あとはネットの声を拾い、進行を類推するしかなくなった。
形勢は中尾五段が優勢の局面もあったが、いい勝負だったようである。夜になると持将棋模様になり、深夜に至って小駒1点を巡る攻防になった。
ネットではユーザーが静かに燃えていて、私もその輪に加わりたいのだが、局面が分からないからROMで見守るのみ。このフィーバー、数年前の森内俊之竜王VS熊坂学五段戦と同じである。
その後も牧野五段が阿修羅のごとき指し手で中尾五段を楽にさせず、指し手は延々と続く。
途中持将棋の目もあったのだが対局は続き、中尾五段が1点足りなくなり、牧野五段が勝勢になった。ところがそこからまたごちゃごちゃあって、公式戦の平手最長手数は390手だそうだが何とそれも更新してしまった。
しかもその後中尾五段が奇跡的に1点を取り、420手までで持将棋となった。
とりあえず、今年度の勝敗を記しておく。

5月9日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦1回戦 ○木下浩一七段
6月1日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦2回戦 ○堀口弘治七段
6月8日 第89期棋聖戦一次予選1回戦 ●小林宏七段
6月14日 第3期叡王戦五段戦1回戦 ○金沢孝史五段
7月24日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦3回戦 ●牧野光則五段
7月30日 第26回銀河戦予選1回戦 ○室岡克彦七段
7月30日 第26回銀河戦予選決勝 ●村山慈明七段
8月1日 第3期叡王戦五段戦2回戦 ●高見泰地五段
8月9日 第59期王位戦予選1回戦 ○室岡克彦七段
8月31日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦 ○上田初美女流三段
8月31日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦 ○野月浩貴八段
9月5日 第59期王位戦予選2回戦 ●佐々木勇気六段
9月11日 第66期王座戦一次予選1回戦 ○木下浩一七段
10月3日 第66期王座戦一次予選2回戦 ●高野秀行六段
10月19日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選3回戦 ○門倉啓太五段
11月14日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選決勝 ○高橋道雄九段
12月14日 第31期竜王ランキング戦6組1回戦 ○香川愛生女流三段
12月21日 第11回朝日杯将棋オープン戦二次予選1回戦 ○佐藤康光九段
12月21日 第11回朝日杯将棋オープン戦二次予選決勝 ●高見泰地五段
12月25日 第44期棋王戦予選1回戦 ○川上猛七段
1月11日 第68期王将戦一次予選1回戦 ○中座真七段
1月23日 第44期棋王戦予選2回戦 ○飯塚祐紀七段
2月3日 第31期竜王ランキング戦6組2回戦 ○所司和晴七段
2月8日 第68期王将戦一次予選2回戦 ●宮田敦史六段
2月19日or23日 第68回NHK杯テレビ将棋トーナメント予選 ○●or●
2月27日 第31期竜王ランキング戦6組3回戦 持将棋・牧野光則五段

規定では30分後に指し直しである。決着がつくのは、28日の明け方になるのだろう。お二方とも、お疲れ様です。
私もさすがにお付き合いできないので、寝かせていただきます。
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冬の北海道旅行2018・8

2018-02-27 00:51:17 | 旅行記・北海道編
「極寒チア」は2人構成。それぞれ2本の棒を手にし、「ア・サ・ヒ・カ・ワ」と作る。それを見て思い出したのだが、彼女らは昨年も出場していた。
彼女らはフリーアナウンサーで、旭川の観光大使もやっている。それはいいのだが、東京の新橋などで、通勤のサラリーマン相手にパフォーマンスをやることもあるという。彼女らの本拠地はどこなのだろう。
ステージではさらに、別のチア1人と戦隊ヒーローが加わり、異色のチアとなった。
私は大人数でのパフォーマンスを期待していたのでやや寂しかったが、それでも楽しめた。
2月は陽も伸びてきたが北海道の日暮れは早く、もう空が暗くなってきた。
残る見どころは、19時からの「LOVE&PEACE~Heartful Night~」。いつものプロジェクションマッピングと打ち上げ花火である。







それまで時間があるので、平和通買物公園に戻る。が、3代目京ラーメンに行くと休みで、「定休日 第1、第2日曜日」の看板が出ていた。これは予期しなかった展開で、さすがに落胆する。昨年店に入れたのは、土曜日だったからと気付いた。
気を取り直して、旭川フードテラスの「そば処・花の家」に入る。大もり700円(+税)は安くはなかったが、蕎麦はツルツルとしていて、美味かった。
河畔会場に戻ると、和太鼓の演舞をやっていた。これも冬まつりイベントの定番で、聴いているだけで体が暖かくなる。





18時半からは津軽三味線の演舞があり、いよいよ「LOVE&PEACE~Heartful Night~」の時間となった。
私(たち)は後方のコテージに登る。ここからの眺めが素晴らしいのだ。
定刻になり、大雪像にプロジェクションマッピングが映し出され、レーザー光線が乱舞した。もう見慣れてしまったところもあるが、それでも感動的だ。
さらに大花火が打ち上げられる。冬の花火は寒そうだが、夏に花火を愛でる日本人が珍しいのだ。
空は強風が吹いていて、大輪の花が風に流される。しかし天候にケチはつけられない。それでも花火は綺麗だった。



19時からは「I SCREAM DANCE MUSIC FESTIVAL」だ。何かの歌の祭典らしいが、今年はこれで観戦終了とする。ブルゾンちえみは拝見できなかったが、チアを堪能できたから、良しとしようか。
平和通買物公園に戻って、氷像の鑑賞である。色とりどりにライトアップされて、やはり氷像は夜がいいと思う。しかし熱心に鑑賞している観光客はパラパラだ。
今の時間、ふつうの旅行者は豪勢な食事を摂っているか飲みに出ているか、ホテルでのんびりしているかなのだろう。私がアクティブすぎるのかもしれない。
このままホテルにチェックインしてもいいのだが、たまたま目に入ったラーメン屋があったので、入った。「家系」で、私はしょうゆラーメンをオーダーする(750円)。
これが北海道らしい脂ギットリ系で、若干とまどった。麺がちょっと短い気がしたが、あんなものか。
スープに脂の固まりが浮いているのがアレだが、壁際に「スープを全部飲み干したら云々」の貼り紙があり、つい最後まで飲んでしまった。
帰る際は何ももらわなかったが、摂取カロリーが気になった。











「東横イン旭川東口」にチェックインする。今回は宿泊料が3,456円と安かったので、予約時に有料ビデオも申し込んでおいた。これが500円という安さ。東横インはテレビも大きいので、元は取れるとフンだ。
部屋に入って、ビデオの項目を見る。ピンク系番組は、ビデオ放映されているものと、好きなソフトを見放題のものがある。
いわば受動的と能動的に分かれるのだが、視聴者としてはソフトが選べて一時停止や早送りができる後者が断然いい。東横インはむろん後者だった。
早速鑑賞に入るが、意外にこれといった作品がない。そんな中でも、春原未来(すのはら・みき)と加藤あやのは気に入った。
一段落して、「さっぽろ雪まつり」のプログラムを調べてみる。すると、今日以降にブルゾンちえみの出演はなかった。
だが、陸上自衛隊第11音楽隊のコンサートは、11日に行われていた。この鑑賞も毎年の定番だっただけに、残念だ。
Natsuki&ブライトサッポロのゴスペルライブは12日午後6時から。例年よりちょっと早く、ということはこの前後の時間に小樽運河へ出向くことはできなくなった。まあよい、小樽は最終13日に訪れようと思う。
冬の北海道旅行も折り返し点を過ぎ、そろそろ現実に戻る準備をしなければならない。だけど帰京したって何の楽しみもないわけで、私はいよいよ追い込まれてきた。

翌12日(月・祝)。前日の検討により、今日は「第69回さっぽろ雪まつり」の鑑賞のみ。
朝は例によってホテルで朝食である。旭川駅前一条通店とほぼ同じメニューだったが、これはしょうがない。美味しくいただいた。
さて札幌までは中央バスを利用する。JRも利用したいが、高速バスの安さは魅力だ(2,060円)。
高速バスはこの時間20分ヘッドで、次は09時20分の出発だ。私は左の窓際の席に座った。今日も大きな天気の崩れはないようで、何よりである。
途中の停留所で何人か乗ってきた。子供連れの母子は並んで座りたいふうだったが、2人分空いている席がない。お母さんは私の前の通路側の席に座ると、補助席を出して、そこに子供を座らせた。
こういう場合、私はどうすればいいのだろう。私がお母さんに言って、彼女と席を交換してあげれば、すべてうまくいく。しかしそれは出しゃばりではないか。
前のオバサンだって、私が来たら迷惑だろう。
そんなことを考えていたら、眠ってしまった。
…起きると、前の補助席にはオバサンが座っていた。そして窓際、つまり私の前の席には、子供が座っていた。きっと、オバサンが席を替えてやったのだろう。
オバサンはとてもいいことをした。対して私は見て見ぬフリをしたわけで、やや自己嫌悪に陥った。
11時28分、バスは定刻より2分早く「時計台前」に着いた。例年通り、ここで下車する。3日ぶりの札幌である。
札幌ももちろん雪が多かった。札幌時計台が見えてくると、屋根が白くなっていた。それはそれで趣があり、見入ってしまう。観光客も多く、みな記念写真を撮っている。



私は反対側の建物の2階テラスに上る。ここは無料でお邪魔できるのだが、あまり人が来ない。
しばしのんびり鑑賞していたが、タクシーの運転手がお客を連れてきたので、私は1階に下りた。
しばし歩くと、大通公園が見えてきた。いよいよ30回目のさっぽろ雪まつり鑑賞である。
(3月2日につづく)
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冬の北海道旅行2018・7

2018-02-26 01:05:37 | 旅行記・北海道編
(23日のつづき)
10日(土)は、13時からブルゾンちえみwithBが出演していた。HBCラジオの公開録音である。
旭川冬まつりも予算が潤沢にあるとは思えないがそこはよくしたもので、HBCなどが毎年旬の芸人を起用する。すなわち2015年はやしろ優、2016年はとにかく明るい安村、2017年はホリと永野である。古くは小島よしおの出演もあった。
私はミーハーではないと思うが、私も運気が落ちているので、勢いのある芸人にあやかりたい、という思いはあった。
しかも12時からは、旭川観光大使の柳ジュンも出演していた。…やはりこの冬まつりは、土曜日がメインだったのだ。
…そうか! ラジオ番組だから、曜日が固定なのだ。
あっ!! 芸人は旭川から札幌をハシゴする場合がある。今日はブルゾンちえみ、まさか札幌の雪まつりに出ているんじゃあるまいな!?
こんなことなら日程をもっと深く検討すべきだったが、「札沼線→深川→名寄→旭川→札幌」の行程は、綺麗な一筆書きで理想的な観光ルートになっている。下手に手直しをできないところもあった。

旭川は朝から雪が降っており、私はジャンパーのフードを出している。北海道に来て雪よけに傘を差すのはヤボだと、ここ数年で知った。もちろん寒いが、手袋をするまでは至らなかった。
旭川冬まつりは、大雪像以外は市民の小雪像が主となる。それらを鑑賞したあと、ちょっと早いが、平和通買物公園へ昼食を摂りにいく。河畔会場にもマルシェがあるが、割高なので利用しない。
平和通買物公園に着いた。昨年は7条通近くにある「3代目京ラーメン」のしお野菜ラーメンが美味かったが、それは今夜食べようと思う。
日本蕎麦を食べさせてくれる店があったが、まだ準備中。全面ガラス張りの「旭川フードテラス」に入ると甘酒がふるまわれており私もいただいたが、優しい味で体が温まった。
ここも日本蕎麦屋があったが、やはり準備中。結局近くの「敦煌」(中華料理)に入った。
敦煌ではワンタンメン(750円)をオーダーした。が、出されたワンタンの皮がギョーザっぽい。しかも中身も、ギョーザだ。
これはこの店のオリジナルなのか、それともワンタンの用意がなかったのか。
ただ私は雲を呑むあの喉越しを楽しみたかったので、歯ごたえのあるギョーザの皮では、肩透かしを食った感じだった。
河畔会場に戻る。12時からはステージがあり、その名も「GO!GO!フレフレ旭川」である。
12時半ごろから、「北海道観光大使」のシンガーソングライター・児玉梨奈の「氷点花ライブ」が始まった。
まずは1曲歌う。これがなかなかの歌唱力で、しかも合間のトークもうまい。
いわく今年は江戸時代の探検家・松浦武四郎が「北海道」と命名してから150年になるという。
ステージの両端には大型モニターが設置されており、次の児玉梨奈の歌では、そこに北海道のPR動画が流れた。
なかなかに感動的だった。やはり北海道は素晴らしいと思う。
さらにステージには、この大雪像を制作した陸上自衛隊の面々や、旭川市のシンボルキャラクター・あさっぴーとゆっきりん。さらに4組のチアダンスチーム(小・中学生)が登場。みなで「旭川ラーメンの歌」を歌い踊った。
ちなみにその後方でいっしょに踊っていた成人女性は彼女らのコーチで、元ミス旭川とのこと。さすがに綺麗だった。
改めて、「チアダンスフェスティバル」の時間となる。先ほどの4チームが順番に踊り、ローティーンだったのがアレだが、皆さんはじけた演舞だった。



















続けて「世界麺投げ選手権」。ペアで行うゲームで、毛糸の麺を平網に載せ、それをドンブリを持っている相方に投げる。そのキャッチした数で点数を競うものだ。
こちらは名寄と違って、出場希望者が多かった。みんなで楽しみながら、ゲームは進行した。
最後は児玉梨奈やチアチーム全員が再び登場し、「旭川ラーメンの歌」を歌った。この吹雪も何のその、実ににぎやかな光景だった。
私は常盤会場にある、旭川美術館に入る。今回は企画展「アートクイズギャラリー」と常設展の2本立て。クイズギャラリーはその名の通りクイズ形式で各作品を鑑賞するものだ。いろいろ工夫がこらされており、おもしろかった。
今回注目すべきは、この半券があれば次の入館時(1年以内)に入場料が半額になるというキャンペーンだ。
私は毎年訪れていたからありがたいが、ちょっと企画が遅かったか。私も歳を取ったし、来年もここに来られるかどうかは分からない。
河畔会場に戻る途中に、古本屋に入る。旭川に来ると、必ず寄る店だ。
ここは一部ヴィンテージマンガが廉価で売られているのだが、買うまでには至らない。牧村僚のエロ小説を買った(200円)。
河畔会場に戻ると、スコップ三味線「無弦」と新進歌手の歌謡ショーが行われていた。
歌は会場内のどこからでも聴けるので、それを聴きながらあたりをぶらぶらするのがよい。
「雪の巨大迷路」があったので、入ってみる。これ、みんなで入ってキャーキャーやるから楽しいのであって、男ひとりで入っても楽しくも何ともない。
数人の先客がいるが、みなは先頭の客の動向を注視する。すなわち、すぐ引き返してくるようなら行き止まりということだ。
迷路の上方には監視員が控えている。万が一道に迷ったら、正解を教えてくれるのではあるまいか。
そんな感じで私(たち)は難なくゴールしたが、これでは意味がない。とりあえず全ての道をトライして、間違えつつ進むのがエチケットであろう。
16時からはLa Voix Brillerのライブがあった。Mia&つぐみの2人組で、彼女らは地元在住のシンガーソングライターだ。昨年の浅井未歩、希海、かまたん、The Edenなどがそうだが、旭川冬まつりは、北海道在住シンガーの登場率が高い。
La Voix Brillerはしっとりと聴かせて、うまかった。
そして16時半からは「全日本女子チア部☆極寒チア!!」である。
こっちは何となく女子高生や女子大生を想起させ、より見応えがありそうだ。
(つづく)
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藤原七段の順位戦復帰の目も考える・2

2018-02-25 01:10:08 | 目を考える
順位戦復帰まであと1勝と迫っている藤原直哉七段は、23日に竜王ランキング戦6組で久保田貴洋アマと対戦した。が、武運拙く破れ、順位戦復帰は持ち越しとなった。
前述の通り、久保田アマは元奨励会2級で、しかも藤原七段の弟子だった。ここが微妙なところで、この将棋、もし藤原七段が勝って順位戦に復帰したら、心ない外野から「忖度が働いたのではないか?」といらぬチャチャが入ったかもしれない。
将棋界に「米長哲学」は浸透しているものの、つまらぬ疑惑はないほうがいい。もう結果が出たからあえて言うが、本局は藤原七段が負けてよかったと思う。
これで藤原七段は今年度17勝10敗となったわけだが、一つ問題がある。今のこの時期は、次期NHK杯の予選が行われているのだ。
この19日には岡崎洋六段が七段に、23日は遠山雄亮五段が六段に勝ち星昇段している。いずれも日本将棋連盟のサイトに対戦カードが載っていなかったから、これはテレビ棋戦のNHK杯か銀河戦である。
だが銀河戦は、岡崎七段も遠山六段も、すでに敗退している。よってこの昇段は、NHK杯予選で挙げたものと考えられる。
ということは、藤原七段は19日にNHK杯を戦い、1回戦で敗れた可能性が高い。なぜならもし勝っていたら、将棋連盟のサイトに、「藤原七段順位戦復帰」が発表されていただろうからだ。
よって当ブログでは、NHK杯は藤原七段の負けとして進める。
それを踏まえて、藤原七段の今年度の成績を記してみよう。

4月11日 第67期王将戦一次予選2回戦 ●澤田真吾六段
5月11日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦1回戦 ○豊川孝弘七段
6月5日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦2回戦 ○浦野真彦八段
6月21日 第3期叡王戦予選1回戦 ○高田尚平七段
6月21日 第3期叡王戦予選2回戦 ○堀口一史座七段
7月6日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦3回戦 ○小倉久史七段
7月12日 第89期棋聖戦一次予選1回戦 ○小林健二九段
7月27日 第89期棋聖戦一次予選2回戦 ●西川和宏六段
7月30日 第26回銀河戦予選1回戦 ○東和男八段
7月30日 第26回銀河戦予選決勝 ○北浜健介八段
8月21日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦4回戦 ○神崎健二八段
8月24日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦 ○伊奈祐介六段
8月24日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦 ○阿部隆八段
8月31日 第59期王位戦予選1回戦 ○東和男八段
9月5日 第3期叡王戦予選3回戦 ●小林裕士七段
9月12日 第26回銀河戦本戦トーナメント1回戦 ○上田初美女流三段
9月12日 第26回銀河戦本戦トーナメント2回戦 ●渡辺正和五段
9月15日 第11回 朝日杯将棋オープン戦一次予選3回戦 ●宮本広志五段
9月20日 第66期王座戦一次予選1回戦 ○伊藤博文七段
9月26日 第59期王位戦予選2回戦 ●都成竜馬四段
10月11日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦5回戦 ●脇謙二八段
10月17日 第66期王座戦一次予選2回戦 ○今泉健司四段
12月21日 第66期王座戦一次予選3回戦 ●大橋貴洸四段
1月16日 第44期棋王戦予選1回戦 ○伊藤博文七段
1月25日 第31期竜王ランキング戦6組1回戦 ○島本亮五段
1月31日 第68期王将戦一次予選1回戦 ●大橋貴洸四段
2月19日? 第68回NHK杯テレビ将棋トーナメント予選1回戦 ●?
2月23日 第31期竜王ランキング戦6組2回戦 ●久保田貴洋アマ

ここにきて3連敗で、「17勝11敗」。そして現在最接近している順位戦復帰条件は、「年度18勝12敗」である。
そして残る対局は、

第44期棋王戦予選2回戦 畠山鎮七段

のみである。
藤原七段はフリークラス1年目なのでまだ先はあるが、棋王戦でもし負けると、次のチャンスは「良い所取り30局以上で勝率6割5分」となり、かなりハードルが上がってしまう。
よって藤原七段は対畠山七段戦がラストチャンスと思い、是が非でもモノにしなければならない。
とにかく、次局に注目である。
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大杉漣、逝去

2018-02-24 00:07:31 | プライベート
21日夜にパソコンを開いたら、Yahooニュースに「漣さん、21日のドラマは放送」みたいなトピックスがあり、不審に思ってその上段を見たら、「大杉漣さん、急死」の言葉があった。
「ウソだろ!? いやウソだろこれ!!」
私は叫んだ。Yahooに載ったのだから間違いではないが、その事実を受け容れることにしばし時間がかかった。いや、今でもどこか疑っている自分がいる。だって大杉漣は今も連続ドラマに出ていたし、健康にも問題はなかった。世界のみんなが、私をかついでいるのではないかと訝ったのだ。

大杉漣は1951年9月27日、徳島県生まれの66歳。明治大学在学中に劇団に入ったがなかなかメジャーになれず、若かりし頃はピンク映画にも出演した。
ピンク映画は1988年、岸加奈子主演の映画に出演したのが最後らしいが、私はその映画をたまたま見ている。これはピンク映画五指に入る名作と信じているが、それに大杉漣が出演していたとは感慨深い。今思い返すと、あの敏腕プロデューサーが大杉漣だった気もする。
そんな大杉漣をメジャーにしたのは1993年、北野武監督の映画への出演である。ここで大杉漣は好演し、名前が知られるようになった。
以降、大杉漣はテレビ、映画、舞台に引っ張りだことなり、芸能界に欠かせないバイプレイヤー(脇役)となった。

大杉漣は映像を見る限りいつも穏やかで、優しいまなざしだった。
2006年、フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」の1コーナー「食わず嫌い王決定戦」に出演した際、石橋貴明に「漣(さざなみ)っていう避妊具ありましたよねえ」とからかわれたが、大杉漣は笑って済ました。そんな大らかさがあった。
ある年は学生の自主製作映画にも出演したが、その頃すでにキャリアがあったにもかかわらず、学生監督の指示に素直に従う姿があった。自身が苦労人だったこともあるが、年齢に関係なく相手の立場を尊重する、というポリシーを持っていたのだろう。
昨年6月、テレビ朝日「ぷっすま」で草なぎ剛やユースケ・サンタマリアと共演した時は、千葉県九十九里の別荘(合宿所)に招待し、裏庭でサッカーをプレイした。仕事から離れて、実に楽しそうだった。
10月にTBS「ぴったんこカン☆カン」にビートたけしと出演した時は、楽しそうにギターを弾いていた。
私は、齢を重ねてもこうして飄々と人生を謳歌できるのは素晴らしい、と感じたものである。
大杉漣が亡くなった夜は、テレビ東京で「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活をしたら~」第3話の放送があった。私は第1話を観たのだが、そのシュールな展開についていけず、第2話は見なかった。今回は追悼の意味でも観るべきだったのだが、ドラマの大杉漣があまりにも元気で、私はいたたまれず、チャンネルを変えた。
翌22日の日本テレビ「ぐるナイ・ゴチになります!19」もほぼ同様で、私は最後の成績発表のところだけチラッと見た。
昨年は2週連続ピタリ賞という離れ業をやってのけたが、最終出演は「自腹」。最後にみなにご馳走するなど、これもまた大杉漣らしかったというべきか。
また23日のテレビ東京「所さんのそこんトコロ!」でも、ドラマの番宣で元気な姿を見せていた。
それらを見るたび、私は混乱するばかりだった。
現在放送中の「相棒Season16」では警視庁副総監・衣笠藤治役でセミレギュラー出演していたが、この後の展開はどうなるのか。私はドラマでも、衣笠副総監の急死、という形で進めていく気がする。
大杉漣の死因はよく分からない。もう、急死というより突然死で、もはや防ぎようがない感じである。西田敏行が「人の命の終わりは寿命なんだと自分に言い聞かせるしかありません」と文書で綴っていたが、たしかにそう考えて自分を納得させるしかない。
人生の晩年は、何年も病に伏して苦しんで逝くより、ポックリ逝くのが理想ではあるのだろう。しかしあまりにもアッサリ逝くと、周りの人の心の整理がつかない。
神様はときに残酷な悪戯をする。どう考えても世の中に必要のない人間が偉そうに天下を牛耳るかと思えば、誰からも愛される善人がある日突然、天に召されてしまう。
今回大杉漣の訃報を聞いて、改めて痛感した。
心よりご冥福をお祈りします。
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