女流棋士スーパーサロンのあとは、引き続き将棋会館道場での対局を行う。スーパーサロンの対局後は、会館道場が無料になるのがありがたい。
ところで道場内のテレビモニターには、羽生善治名人・王座・棋聖対森内俊之九段の王将戦リーグが映しだされていた。後手番羽生名人の☖8五飛戦法。羽生名人の手つきがグリグリと力強い。駒に魂をこめているかのようだった。
ちなみに本局は両者100局目の対戦。同じ「昭和57年組」の羽生-佐藤康光戦がとうに100局を越えている。十八世名人有資格者の森内九段としては、羽生-佐藤の対局数に早く追いつきたいところであろう。
きょうは次の2つの局面の符号を記す。局面①は次の一手。局面②はどう指すか。おヒマな方はどうぞ。
局面①
先手(実際は後手)・一公:1六歩、2七歩、3六歩、3八金、4六歩、4七銀、4九桂、5八銀、6八玉、6七歩、7一竜、7六香、8六金、8七歩、9六歩 持駒:角2、歩
後手(実際は先手)・四段氏:1四歩、2三歩、2九竜、3四歩、3七金、6五歩、6六銀、7二金、7三歩、8一桂、8三銀、9一王、9二香、9三歩 持駒:桂2、香2、歩4
局面②
先手(実際は後手)・一公:1六歩、2七歩、3六歩、4六歩、4九桂、5六玉、5八銀、6六歩、7六香、8六金、8七歩、9六歩 持駒:角2、金2、銀、桂、歩
後手(実際は先手)・四段氏:1四歩、2三歩、3四歩、4八竜、6五歩、7二銀、7三歩、8一桂、9一王、9二香、9三歩 持駒:飛、金、銀、桂、香2、歩4
道場の対局開始。初戦は三段氏と。これが、いままで見たこともない展開になる。三段氏の先手で、
☗7八飛☖8四歩☗4八玉☖8五歩☗3八玉☖8六歩☗同歩☖同飛☗7六歩☖8七飛成。以下、2度の☖8六歩~☖8七歩成が利いて、私の楽勝。この三段氏とはもう一局指し、その将棋はそこそこ形になったが、もちろん私の勝ち。どうもこの三段氏の棋力が、いまひとつ分からなかった。3級くらいじゃねえの。
2局目は二段氏との香落ち。☗2三竜☗2一成香、☖3三角☖4二飛☖4三銀の局面で、☖3二銀と引いたのが危険な手。本譜は☗3三竜以下私が勝ったが、☗3三竜では☗1二竜と我慢し、次の☗3四歩を見せられていたら、私が不利だった。
3局目は初段氏との角落ち戦。チェスクロックでお願いします、と言うので快諾する。早指しならこちらも望むところだ。この将棋は相手の無理攻めを冷静に受けて快勝。
初段氏は別の人との対局のときも、チェスクロックの使用を求めていた。
「考えるのがやたら長い人がいるでしょ。何を考えてるんだか」
とか言っていた。これは同感である。
4局目は四段氏と。私の後手番。☗5六歩に☖5四歩と対抗し、相中飛車になった。この四段氏が長考派で、「そうか…」「まずい…」「失敗した…」とブツブツ言う。それでいて形勢は相手がいいからイヤになる。私は午後3時半にLPSA芝浦サロンで、石橋幸緒女流四段との指導対局に予約を入れている。まだ昼が回ったばかりだから遅刻することはないが、展開によっては、これが道場での最後の対局となる。
私の不利で迎えた終盤が、上に記した局面①である(便宜上先後逆)。9九の馬を☖7七馬と王手し、6九の金を☗6八金と上がり、☖同馬☗同玉☖7二金と打った局面である。
ここで正解は☗8二角☖同金☗7三香成まで、後手玉は必死。手筋集にも出ている有名な3手一組の手順だが、私にはこの手がまったく見えなかった。本譜は☗7二同竜☖同銀☗6六歩☖4七金☗同金☖2八竜☗4八銀☖5六桂☗6七玉☖5五銀☗5六金☖同銀☗同玉☖4八竜、で局面②となる。
☖4八竜のとき、四段氏は
「詰まされたらしょうがない」
とつぶやいた。その通りで、後手王には☗8二角☖同王☗7三香成以下の詰みがあった。☖7三同桂には☗7四桂以下。感想戦では四段氏が☖7三同銀を示したが、それは☗8三銀☖同王☗7五桂で詰む(注:読者から、☗8三銀には☖9一王で詰まないのではないか、という指摘があった。確かに☖9一王と戻られると詰まない。なるほど、という手があったものだ。読者氏に感謝しつつ、原文はあえて残す)。残りの応手☖7三同王が厄介だが、☗5一角と打って、あらかた詰みだろう。
それを私は☗2六角とやった。チェスクロックを使ってないので、時間がなかった、というのは言い訳。ここで後手王に詰みがあるとは思わなかったのだ。それに気づいたのは数手後である。
詰みがあるときに詰まさなければ逆転する。以下は☖5八竜☗5七歩☖5一香☗5四桂☖同香☗4五玉☖4一香☗4三銀☖同香☗5四玉☖4一飛☗6二金☖6三銀打☗同金☖同銀☗同玉☖7二銀☗同玉☖6一金☗6三玉☖7二金打☗6四玉☖5二桂☗6五玉☖6四歩☗5六玉☖5五歩☗同玉☖4七竜、まで四段氏の勝ちとなった。負けたから言うのだが、こう小刻みに時間を使われたらかなわない。もう少し早めに着手してもらえないだろうか。
時間は2時すぎになっていた。これはもう、芝浦に向かう一手である。
けっきょくこの日の成績は指導対局に負け、一般対局は○○○●の3勝1敗。連勝券の提示が遅れたので、前回の3.5連勝は白紙になり、6連勝の景品はもらい損ねた。
ところで道場内のテレビモニターには、羽生善治名人・王座・棋聖対森内俊之九段の王将戦リーグが映しだされていた。後手番羽生名人の☖8五飛戦法。羽生名人の手つきがグリグリと力強い。駒に魂をこめているかのようだった。
ちなみに本局は両者100局目の対戦。同じ「昭和57年組」の羽生-佐藤康光戦がとうに100局を越えている。十八世名人有資格者の森内九段としては、羽生-佐藤の対局数に早く追いつきたいところであろう。
きょうは次の2つの局面の符号を記す。局面①は次の一手。局面②はどう指すか。おヒマな方はどうぞ。
局面①
先手(実際は後手)・一公:1六歩、2七歩、3六歩、3八金、4六歩、4七銀、4九桂、5八銀、6八玉、6七歩、7一竜、7六香、8六金、8七歩、9六歩 持駒:角2、歩
後手(実際は先手)・四段氏:1四歩、2三歩、2九竜、3四歩、3七金、6五歩、6六銀、7二金、7三歩、8一桂、8三銀、9一王、9二香、9三歩 持駒:桂2、香2、歩4
局面②
先手(実際は後手)・一公:1六歩、2七歩、3六歩、4六歩、4九桂、5六玉、5八銀、6六歩、7六香、8六金、8七歩、9六歩 持駒:角2、金2、銀、桂、歩
後手(実際は先手)・四段氏:1四歩、2三歩、3四歩、4八竜、6五歩、7二銀、7三歩、8一桂、9一王、9二香、9三歩 持駒:飛、金、銀、桂、香2、歩4
道場の対局開始。初戦は三段氏と。これが、いままで見たこともない展開になる。三段氏の先手で、
☗7八飛☖8四歩☗4八玉☖8五歩☗3八玉☖8六歩☗同歩☖同飛☗7六歩☖8七飛成。以下、2度の☖8六歩~☖8七歩成が利いて、私の楽勝。この三段氏とはもう一局指し、その将棋はそこそこ形になったが、もちろん私の勝ち。どうもこの三段氏の棋力が、いまひとつ分からなかった。3級くらいじゃねえの。
2局目は二段氏との香落ち。☗2三竜☗2一成香、☖3三角☖4二飛☖4三銀の局面で、☖3二銀と引いたのが危険な手。本譜は☗3三竜以下私が勝ったが、☗3三竜では☗1二竜と我慢し、次の☗3四歩を見せられていたら、私が不利だった。
3局目は初段氏との角落ち戦。チェスクロックでお願いします、と言うので快諾する。早指しならこちらも望むところだ。この将棋は相手の無理攻めを冷静に受けて快勝。
初段氏は別の人との対局のときも、チェスクロックの使用を求めていた。
「考えるのがやたら長い人がいるでしょ。何を考えてるんだか」
とか言っていた。これは同感である。
4局目は四段氏と。私の後手番。☗5六歩に☖5四歩と対抗し、相中飛車になった。この四段氏が長考派で、「そうか…」「まずい…」「失敗した…」とブツブツ言う。それでいて形勢は相手がいいからイヤになる。私は午後3時半にLPSA芝浦サロンで、石橋幸緒女流四段との指導対局に予約を入れている。まだ昼が回ったばかりだから遅刻することはないが、展開によっては、これが道場での最後の対局となる。
私の不利で迎えた終盤が、上に記した局面①である(便宜上先後逆)。9九の馬を☖7七馬と王手し、6九の金を☗6八金と上がり、☖同馬☗同玉☖7二金と打った局面である。
ここで正解は☗8二角☖同金☗7三香成まで、後手玉は必死。手筋集にも出ている有名な3手一組の手順だが、私にはこの手がまったく見えなかった。本譜は☗7二同竜☖同銀☗6六歩☖4七金☗同金☖2八竜☗4八銀☖5六桂☗6七玉☖5五銀☗5六金☖同銀☗同玉☖4八竜、で局面②となる。
☖4八竜のとき、四段氏は
「詰まされたらしょうがない」
とつぶやいた。その通りで、後手王には☗8二角☖同王☗7三香成以下の詰みがあった。☖7三同桂には☗7四桂以下。感想戦では四段氏が☖7三同銀を示したが、それは☗8三銀☖同王☗7五桂で詰む(注:読者から、☗8三銀には☖9一王で詰まないのではないか、という指摘があった。確かに☖9一王と戻られると詰まない。なるほど、という手があったものだ。読者氏に感謝しつつ、原文はあえて残す)。残りの応手☖7三同王が厄介だが、☗5一角と打って、あらかた詰みだろう。
それを私は☗2六角とやった。チェスクロックを使ってないので、時間がなかった、というのは言い訳。ここで後手王に詰みがあるとは思わなかったのだ。それに気づいたのは数手後である。
詰みがあるときに詰まさなければ逆転する。以下は☖5八竜☗5七歩☖5一香☗5四桂☖同香☗4五玉☖4一香☗4三銀☖同香☗5四玉☖4一飛☗6二金☖6三銀打☗同金☖同銀☗同玉☖7二銀☗同玉☖6一金☗6三玉☖7二金打☗6四玉☖5二桂☗6五玉☖6四歩☗5六玉☖5五歩☗同玉☖4七竜、まで四段氏の勝ちとなった。負けたから言うのだが、こう小刻みに時間を使われたらかなわない。もう少し早めに着手してもらえないだろうか。
時間は2時すぎになっていた。これはもう、芝浦に向かう一手である。
けっきょくこの日の成績は指導対局に負け、一般対局は○○○●の3勝1敗。連勝券の提示が遅れたので、前回の3.5連勝は白紙になり、6連勝の景品はもらい損ねた。