第69期順位戦は、3月15日のC級1組最終戦をもって、全日程を終えた。
今期も私は名人挑戦者と昇降級者の予想をしたが、きょうはその答え合わせをしてみよう。
名人挑戦:予想・森内俊之九段 結果・森内俊之九段
B級1組へ降級:予想・谷川浩司九段、藤井猛九段 結果・藤井猛九段、木村一基八段
名人挑戦は森内九段。名人に挑戦するくらいだから当然だが、1年間安定した戦いだったと思う。
降級は、ついに藤井猛九段が貧乏クジを引いた。現代のプロ棋界は振り飛車党受難である。藤井九段の降級はそれを象徴するものであった。木村八段は最終局まで踏ん張ったが、ついに力尽きた。しかし地力はあるから、すぐに復帰するだろう。
A級へ昇級:予想・深浦康市王位、佐藤康光九段 結果:佐藤康光九段、屋敷伸之九段
B級2組へ降級:予想・豊川孝弘七段、畠山鎮七段 結果:豊川孝弘七段、杉本昌隆七段
佐藤九段の昇級は予想どおり。B1は鬼の棲み家だから復帰は簡単ではないが、1局を残しての昇級は見事。貫禄を見せた形となった。屋敷九段は39歳にしてようやっとA級昇級。棋聖3期の大豪だけに、A級昇級は遅すぎた感がある。
降級のほうは、オジサンの星・豊川七段がついに力尽きた。しかしラス前に佐藤九段を破った星が光る。これが利いて、もうひとりの降級者の杉本七段より、順位が1枚上になった。
相手の昇級が決まっていて、自分の降級が決まっていても一生懸命指すのは、こういうことがあるからだ。順位戦に消化試合はない。
B級1組へ昇級:予想・阿久津主税七段、戸辺誠六段 結果・橋本崇載七段、阿久津主税七段
阿久津七段の昇級は順当。ここをスンナリ通過しないと、一流棋士にはなれない。橋本七段は前期昇級に推したが、4勝止まりだったので、今期は外した。しかしSHOGIバーを開きながらの昇級は見事。才能がある人は、副業をしていても本業に支障はないらしい。
B級2組へ昇級:予想・広瀬章人五段、豊島将之五段 結果・広瀬章人王位、田村康介六段
広瀬王位の昇級は順当。王将挑戦の豊島六段は最初の3局を1勝2敗で終え、早々と昇級争いから脱落した。これも順位戦の恐さといえようか。早指しの雄、田村六段の昇級は見事。田村六段は1月の「LPSAペア将棋選手権」で解説を務めた。LPSAイベントで解説をした棋士は昇級する、というジンクスがあるが、田村六段もそれを証明する形となった。
順位戦の恐さといえば、村山慈明五段が9勝1敗ながら無念の頭ハネ。これは大島映二七段(C2)、所司和晴七段(C1)に次いで3例目の悲劇だった(注:「将棋世界」2011年4月号によると、渡辺明竜王もC1で9勝1敗の頭ハネを喰らったことがあるらしい)。
C級1組は年々人数が増え、昇級割合でいくとC級2組より厳しい。9勝1敗で現状維持は辛いが、では代替案はあるかと問うても、棋士は答えないだろう。
C級1組へ昇級:予想・佐藤和俊五段、糸谷哲郎五段、稲葉陽四段 結果・佐藤天彦五段、糸谷哲郎五段、稲葉陽四段
今回の昇降級予想は、自分で書いていながら忘れていたので、C級2組の予想を改めて見たときは、2名も当たっていて、驚いた。
佐藤天彦五段の全勝通過は見事。C級2組は降級制度が復活してから、クラス内ではチカラの差がなくなっているだけに、この成績は特筆に値する。
糸谷五段は前期に続いて昇級候補に挙げていた。これは我ながらいい読みだった。あのふてぶてしい面魂は大物の雰囲気が漂う。
実力者・稲葉四段の昇級は、上がってしまえば順当だった。
以上、14名中8名正解だった。前期は3名だったから、大幅増だ。来期の予想では全員正解を目指したい。
今期も私は名人挑戦者と昇降級者の予想をしたが、きょうはその答え合わせをしてみよう。
名人挑戦:予想・森内俊之九段 結果・森内俊之九段
B級1組へ降級:予想・谷川浩司九段、藤井猛九段 結果・藤井猛九段、木村一基八段
名人挑戦は森内九段。名人に挑戦するくらいだから当然だが、1年間安定した戦いだったと思う。
降級は、ついに藤井猛九段が貧乏クジを引いた。現代のプロ棋界は振り飛車党受難である。藤井九段の降級はそれを象徴するものであった。木村八段は最終局まで踏ん張ったが、ついに力尽きた。しかし地力はあるから、すぐに復帰するだろう。
A級へ昇級:予想・深浦康市王位、佐藤康光九段 結果:佐藤康光九段、屋敷伸之九段
B級2組へ降級:予想・豊川孝弘七段、畠山鎮七段 結果:豊川孝弘七段、杉本昌隆七段
佐藤九段の昇級は予想どおり。B1は鬼の棲み家だから復帰は簡単ではないが、1局を残しての昇級は見事。貫禄を見せた形となった。屋敷九段は39歳にしてようやっとA級昇級。棋聖3期の大豪だけに、A級昇級は遅すぎた感がある。
降級のほうは、オジサンの星・豊川七段がついに力尽きた。しかしラス前に佐藤九段を破った星が光る。これが利いて、もうひとりの降級者の杉本七段より、順位が1枚上になった。
相手の昇級が決まっていて、自分の降級が決まっていても一生懸命指すのは、こういうことがあるからだ。順位戦に消化試合はない。
B級1組へ昇級:予想・阿久津主税七段、戸辺誠六段 結果・橋本崇載七段、阿久津主税七段
阿久津七段の昇級は順当。ここをスンナリ通過しないと、一流棋士にはなれない。橋本七段は前期昇級に推したが、4勝止まりだったので、今期は外した。しかしSHOGIバーを開きながらの昇級は見事。才能がある人は、副業をしていても本業に支障はないらしい。
B級2組へ昇級:予想・広瀬章人五段、豊島将之五段 結果・広瀬章人王位、田村康介六段
広瀬王位の昇級は順当。王将挑戦の豊島六段は最初の3局を1勝2敗で終え、早々と昇級争いから脱落した。これも順位戦の恐さといえようか。早指しの雄、田村六段の昇級は見事。田村六段は1月の「LPSAペア将棋選手権」で解説を務めた。LPSAイベントで解説をした棋士は昇級する、というジンクスがあるが、田村六段もそれを証明する形となった。
順位戦の恐さといえば、村山慈明五段が9勝1敗ながら無念の頭ハネ。これは大島映二七段(C2)、所司和晴七段(C1)に次いで3例目の悲劇だった(注:「将棋世界」2011年4月号によると、渡辺明竜王もC1で9勝1敗の頭ハネを喰らったことがあるらしい)。
C級1組は年々人数が増え、昇級割合でいくとC級2組より厳しい。9勝1敗で現状維持は辛いが、では代替案はあるかと問うても、棋士は答えないだろう。
C級1組へ昇級:予想・佐藤和俊五段、糸谷哲郎五段、稲葉陽四段 結果・佐藤天彦五段、糸谷哲郎五段、稲葉陽四段
今回の昇降級予想は、自分で書いていながら忘れていたので、C級2組の予想を改めて見たときは、2名も当たっていて、驚いた。
佐藤天彦五段の全勝通過は見事。C級2組は降級制度が復活してから、クラス内ではチカラの差がなくなっているだけに、この成績は特筆に値する。
糸谷五段は前期に続いて昇級候補に挙げていた。これは我ながらいい読みだった。あのふてぶてしい面魂は大物の雰囲気が漂う。
実力者・稲葉四段の昇級は、上がってしまえば順当だった。
以上、14名中8名正解だった。前期は3名だったから、大幅増だ。来期の予想では全員正解を目指したい。