一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

LPSA一口スポンサー特典・色紙

2020-09-30 01:10:44 | マッカラン勝負
先月26日に、LPSAから色紙が届いた。「勝手にマッカラン勝負」で寄付した、一口サポーターの特典(5口)である。
昨年は中倉宏美代表理事揮毫の色紙をいただいたが、今年は島井咲緒里女流二段だった。


「雲破月来」

雲破れて月来たる、と読むのだろうか。冬が過ぎて春が来る、と同義語だろうか。
私もこの思いを胸に秘め、頑張りたい。年齢的に手遅れの気もするけれど。
島井先生、ありがとうございました。
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2020年度上半期、驚愕の一手

2020-09-29 00:52:16 | 将棋雑記
早いもので、2020年度もほぼ半年が終わってしまった。私はだらしない生活が続き、屈辱の極みである。
さてこの半年間の将棋公式戦で、私が最も驚愕した一手を記そう。
それは8月1日(土)深夜に放送された、第70回NHK杯将棋トーナメント1回戦・阿久津主税八段VS斎藤明日斗四段の一戦である。
阿久津八段の説明は必要あるまい。A級2期の強豪で、NHK「将棋フォーカス」ではこの半年間、講座の講師を務めた。阿久津八段はNHK杯の解説でもテレビカメラを意識して話すが、この講義も私たちに語りかける感じで、すこぶる印象がよかった。講座の内容はココセの連発だったが、実戦で使える手筋もあり、大いに勉強になった。
斎藤四段は2017年10月デビューの22歳。活躍はまだこれからだが、NHK杯に出場したことが最初の殊勲といえる。
解説は宮田利男八段。宮田八段は五段時代の1983年、第31期王座戦で挑戦者決定戦まで進んだが、中原誠十段(当時)に敗れた。
また1974年の早指し将棋選手権戦では、大山康晴十段・棋聖(当時)相手に、当時ではごく珍しい居飛車穴熊を採用した。宮田八段はあまりイビアナを用いなかったが、この戦法は同門で新人の田中寅彦四段が引き継ぎ、数年後、連戦連勝。猛烈なイビアナブームを巻き起こした。
その宮田八段は斎藤四段の師匠だ。NHK杯で若手棋士が初出場した場合、その師匠が解説役を務めることが多い。
聞き手の藤田綾女流二段が宮田八段に、「阿久津八段の印象はいかがでしょうか」と聞く。
「まだ若い、30代ということで、まだまだ勝ち上がるでしょうけども」
藤田女流二段はそういうことを聞きたいのではないと思うが、「鋭い攻めが持ち味ですね」とフォローした。宮田八段の解説に若干の不安を覚えたが、これがベテランの持ち味ともいえる。
将棋は阿久津八段の先手で、相居飛車で進んだ。38手目、斎藤四段の△6五桂に阿久津八段が▲8八銀と引いたのが頑張った一手。▲6六歩から桂を取り切ろうというのだ。だがこの瞬間は先手が壁銀で、相当危険である。ここで斎藤四段が手を作れば、必然的に勝利が転がってくる。
斎藤四段は横歩を取り△7六飛。阿久津八段は▲7七歩と打った。以下△7五飛の一手だと思ったのだが、斎藤四段は△5五角と飛び出した。これが、私が驚愕した一手である。

この時の解説を再録してみよう。
宮田八段「あら?」
藤田女流二段「なんかすごい手が出てきました、が……。どうなっているんでしょうか」
宮田八段「ゴォゴォカク?」
藤田女流二段「△5五角……。飛車取りに構わず」
宮田八段「研究手順なのかなあこれ」
藤田女流二段「早かったですよね。△5五角と出る手が」
宮田八段「たぶん(▲5五同銀と)取ると思いますけども、これで(次に△3六飛で)こんなんで行けるのかなあ。ちょっとびっくり」
藤田女流二段「これで、△3九飛車成が王手飛車取りになるということなんですね」
宮田八段「ううん、これ……。なにこれ、すごいね。へぇ~」
実戦も▲5五同銀に△3六飛。角を犠牲に飛車を生還させたわけだが、これで後手が面白くなりそうなところに、△5五角捨ての価値がある。
以下▲3七角△5五銀▲同角△3九飛成▲6九銀となり、阿久津八段が角得となった。とはいえ自陣に作られた竜が不気味だ。先手は▲8八銀の壁銀が痛い。
実戦もそこから斎藤四段の指し手は冴え、気が付けば斎藤四段の勝勢になっていた。
宮田八段は、「へぇー、びっくり」と繰り返すのみ。変化満載の解説もいいが、この感嘆も立派な解説であることが分かる。
この将棋は結局、斎藤四段が86手までで快勝した。
全国の視聴者に鬼手を披露し、斎藤四段は棋士冥利に尽きただろう。私も、将棋にはいろいろな手がある、と教えられた一局だった。
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ある持将棋

2020-09-28 01:06:32 | 将棋雑記
26日(土)の社団戦第2日は、我が将棋ペンクラブは、3組で4-1、3-2、3-2、3-2の4連勝。私はフル出場で、3勝1敗だった。チームは都合7勝1敗で、未確認ながら14チーム中、2位につけたようだ。強いぞ将棋ペンクラブ。詳細は後日。

同日には、第14回マイナビ女子オープンの一斉予選対局があった。今回はコロナ禍の影響で、非公開の対局となった。夜、打ち上げの席で結果を知り、渡部愛女流三段はなぜ勝てない、の思いはあったが、帰宅して改めて調べると、ほかに一局、気になる結果があった。船戸陽子女流二段VS長谷川優貴女流二段戦である。
13時05分に始まった本局は、15時30分近く、持将棋になった。だがその経緯がおかしく、ネット情報だと、点数が1点足りなかった長谷川女流二段が対局の最中に持将棋を提案し、船戸女流二段が了承したため、持将棋になったというのだ。
そして指し直し局は長谷川女流二段が勝ち、続く中倉宏美女流二段戦にも勝って、本戦入りを果たしたのだった。LPSAファンとしてはやりきれない結果で、船戸―長谷川戦で船戸女流二段が勝っていれば、LPSA勢の本戦入りが確定していた。
そしてこうなるとクローズアップされるのが、船戸女流二段戦の持将棋だ。
なぜ私がルールに拘るのかというと、最近倉敷藤花戦の中井広恵女流六段VS野原未蘭女流2級戦で、「宣言法」なる単語を聞いたからである。だがこれが曲者で、「宣言」したけれどその主張が間違えていた場合は、宣言したほうが負けになるというのだ。だから対局中の中井女流六段もビビって、宣言までできなかった。
そういうデリケートを有している宣言法があるのに、点数の少ないほうが持将棋を提案なんてできるのだろうか。もしこれを船戸女流二段が拒否していたら、どうなったのだろう。対局はふつうに続行されるのだろうか。つまり「宣言」は負けになるけれど、「持将棋の提案」なら、セーフという考えだ。この辺のルールがよく分からない。
そもそも持将棋の1点は果てしなく重い。2年前の2月、竜王戦ランキング戦の中尾敏之五段VS牧野光則五段戦で、1点を巡る果てしない攻防が続き、激闘19時間、420手を数えたのは記憶に新しい。まさに1点は命なのだ。
私はマイナビのサイトでこの持将棋局を見にいったが、なぜか削除されていた。無勝負だから掲載の要なし、ということなのだろうか。それとも、掲載しては具合の悪い棋譜なのだろうか。
長谷川女流二段はマイナビ女子オープンに関わりが深く、第5期参加中に女流棋士になり、その初対局は持将棋だった。公式戦初対局が持将棋、は史上初の珍事だった。
いずれにしても今回長谷川女流二段に、持将棋にまつわる新たなエピソードが加わったということだ。

……とここまでが26日夜の状況で、27日に長谷川女流二段のツイッターが更新され、この対局のことに触れていた。私はヒトのツイッターを読まない主義なのだが、今回は覗かざるを得ない。
要約すると、船戸女流二段のほうから持将棋の提案があり、長谷川女流二段も受け入れたという。点数は船戸女流二段が十分、長谷川女流二段はギリギリ足りない、という状況だったようだ。つまり立場が逆だった。まあ、そうであろう。私もおかしいとは思っていたのだ。長谷川女流二段には失礼なことだった。
そしてそれなら、ガラッと見方が変わる。むしろ船戸女流二段が勝負に淡泊だったと言わざるを得ない。ただ、ほうぼうに気を遣う船戸女流二段のこと、あまりに時間が押したので、指し直しにしたほうが早く決着がつく、と判断したのかもしれない。しかし肝心の指し直し局に負けてしまっては、台無しである。
ちなみに船戸女流二段のツイッターには、この対局についての言及はなかった。敗者は弁解をしないのだ。
ただ、このような事態を招いたのは、持将棋のルールが整備されてないからではあるまいか。将棋連盟は何かあってからでないと動かない性質がある。持将棋ルールを早急に文書化し、全棋士に配布したらどうだろう。
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羽生九段、50歳に

2020-09-27 00:05:24 | 男性棋士
日付変わってきょう9月27日は、羽生善治九段の50歳の誕生日。おめでとうございます。
中学生で棋士デビューした羽生九段がついに50歳。これじゃあ私も歳を取るわけである。

19日は第33期竜王戦挑戦者決定戦第3局が行われ、羽生善治九段が丸山忠久九段に勝ち、豊島将之竜王への挑戦権を獲得した。
この第1局に羽生九段が負けた時、今期の挑戦は厳しいと思った。内容もそうだが、竜王戦では、挑戦者決定三番勝負で第1局を負けてからの逆転挑戦(●○○)は、第1期を含めた33回中9回しかなかったからだ。羽生九段は丸山九段に相性がいいが、それを相殺しても、丸山九段がわずかに厚いと見ていた。
しかし羽生九段は第2局を勝ち、続く第3局は後手・丸山九段の一手損角換わりを堂々と受け、勝ち切った。指し手は全体に渡り「自然流」で、気負うことなく淡々と挑戦権を手に入れた感じだった。
羽生九段は2年振りに竜王戦七番勝負に登場となるが、私は46年前の大山康晴十五世名人の姿とダブらせるのである。
すなわち1972年、当時49歳の大山名人は中原誠十段・棋聖に長年保持した名人位を奪われた。その後大山十五世名人は無冠になりながらも、この2年後の1974年、再び名人戦の舞台に還ってきた。もっともこの時、大山十五世名人はすでに十段と棋聖を奪還して無冠を返上していたが、名人位を奪還してこそリベンジ完成、という雰囲気だった。
今回の羽生九段は無冠だから、より「復活色」が濃くなっている。もし竜王戦七番勝負で奪取すれば、渡辺明名人に続いて、ナンバー2の座に返り咲く。そしてタイトル100期の金字塔である。私は10月からの七番勝負を楽しみにしている。
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今日、対局。

2020-09-26 01:58:48 | 社団戦
日付変わってきょう9月26日は、社団戦2日目である。
8月30日の1日目は、我が将棋ペンクラブは3組に出場し、チーム3勝1敗。全14チーム中6位だった。もし4回戦で勝っていたら2位だったのだが、過ぎたことは言うまい(言っているが)。
きょうは第14期マイナビ女子オープンの一斉対局も行われるが、社団戦は、私のようなヘボも堂々と出場できるアマ公式戦だと思っている。よって、対局前夜の高揚気分は女流棋士のそれと同じである。
出場した回では、悔いのない戦いをしたい。いや、する。
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