2018年度の公式戦も29日で終わり。そこで今日は、2018年度の将棋大賞を予想してみよう。
まず、記録4部門と女流最多対局賞は確定しているので、それを記す。
◎最多対局賞…広瀬章人竜王64局(初)
◎最多勝利賞…藤井聡太七段45勝(2回目)、佐々木大地五段45勝(初)(4月3日訂正:佐々木五段が46勝で単独受賞。確認不足をお詫びします)
◎勝率1位賞…藤井聡太七段0.849(45勝8敗)(2回目)
◎連勝賞…渡辺明二冠15連勝(初)
◎女流最多対局賞…伊藤沙恵女流二段36局(2回目)
続いて選考部門を検討する。
最優秀棋士賞は、かなりタイトルがバラけたので難しい。タイトルの格からいえば佐藤天彦名人や広瀬竜王が挙げられるが、佐藤名人は名人戦以外のタイトル戦登場がなかったし、広瀬竜王も竜王は奪取したものの、いくつか逆転勝ちもあった。棋王戦五番勝負の敗退も痛い。というわけで、こちらの2人は見送る。
となれば、二冠を獲った豊島将之王位・棋聖と渡辺明棋王・王将が候補となる。
加えて豊島二冠は名人初挑戦を決め、渡辺二冠は日本シリーズ優勝、順位戦B級1組では12戦全勝でA級復帰を決め、連勝賞も獲得した。勝率も0.800で、例年なら勝率1位賞も受賞しているところ。
こうして見るにどちらにも言い分があり、相当選考が難しい。考えれば考えるほど結論が出ない。まったく出ない。
でもここは新風を吹き込むという意味で、豊島二冠としたい。
ということは自動的に、渡辺二冠が優秀棋士賞となる。
敢闘賞は広瀬竜王とする。とくに年度後半からの活躍が素晴らしかった。高見泰地叡王、斎藤慎太郎王座も殊勲賞モノだが、今年度はタイミングが悪かった。
問題は藤井七段の扱いで、藤井七段は今年も最多勝利賞と勝率1位賞(歴代3位)を決め、朝日オープン戦と新人王戦に優勝した。竜王戦も昇級し、順位戦は昇級できなかったものの、9勝は立派な数字だった(再度訂正:最多勝利賞は受賞しておりません)。
つまり前年度と遜色ない戦いで、何か賞を差し上げたいところなのだが、タイトル戦に絡まなかったのが痛い。といって、今年も特別賞を差し上げるわけにもいくまい。
よって、今年は「受賞なし」とする。
新人賞は、YAMADAチャレンジ杯と加古川青流戦で優勝した、大橋貴洸四段とする。大橋四段は、記録4部門でもすべて7位以内に入っており、異論はないと思う。
東京将棋記者会賞は、藤井七段の師匠であり、50歳で順位戦昇級を決めた、杉本昌隆八段とする。
続いて女流賞。
最優秀女流棋士賞は、堂々四冠の里見香奈女流四冠でキマリ。
問題は優秀女流棋士賞で、候補は西山朋佳女王と渡部愛女流王位だ。タイトルの格から言えば西山女王なのだが、奨励会三段ならこのくらいの活躍は当然。対して、下馬評を覆し、不沈艦の里見女流五冠から一角をもぎ取った渡部女流王位は大殊勲で、今回は渡部女流王位に差し上げたい。
ほか、名局賞や升田幸三賞は私にはまったく分からないが、第31期竜王戦第1局は、とくに印象に残った。
以上を整理すると、各賞はこうなる。
◎最優秀棋士賞…豊島将之二冠
◎優秀棋士賞…渡辺明二冠
◎敢闘賞…広瀬章人竜王
◎新人賞…大橋貴洸四段
◎最優秀女流棋士賞…里見香奈女流四冠
◎優秀女流棋士賞…渡部愛女流王位
◎東京将棋記者会賞…杉本昌隆八段
◎名局賞…第31期竜王戦第1局(羽生善治竜王×広瀬章人八段)
受賞の皆様、おめでとうございます(?)
まず、記録4部門と女流最多対局賞は確定しているので、それを記す。
◎最多対局賞…広瀬章人竜王64局(初)
◎最多勝利賞…藤井聡太七段45勝(2回目)、佐々木大地五段45勝(初)(4月3日訂正:佐々木五段が46勝で単独受賞。確認不足をお詫びします)
◎勝率1位賞…藤井聡太七段0.849(45勝8敗)(2回目)
◎連勝賞…渡辺明二冠15連勝(初)
◎女流最多対局賞…伊藤沙恵女流二段36局(2回目)
続いて選考部門を検討する。
最優秀棋士賞は、かなりタイトルがバラけたので難しい。タイトルの格からいえば佐藤天彦名人や広瀬竜王が挙げられるが、佐藤名人は名人戦以外のタイトル戦登場がなかったし、広瀬竜王も竜王は奪取したものの、いくつか逆転勝ちもあった。棋王戦五番勝負の敗退も痛い。というわけで、こちらの2人は見送る。
となれば、二冠を獲った豊島将之王位・棋聖と渡辺明棋王・王将が候補となる。
加えて豊島二冠は名人初挑戦を決め、渡辺二冠は日本シリーズ優勝、順位戦B級1組では12戦全勝でA級復帰を決め、連勝賞も獲得した。勝率も0.800で、例年なら勝率1位賞も受賞しているところ。
こうして見るにどちらにも言い分があり、相当選考が難しい。考えれば考えるほど結論が出ない。まったく出ない。
でもここは新風を吹き込むという意味で、豊島二冠としたい。
ということは自動的に、渡辺二冠が優秀棋士賞となる。
敢闘賞は広瀬竜王とする。とくに年度後半からの活躍が素晴らしかった。高見泰地叡王、斎藤慎太郎王座も殊勲賞モノだが、今年度はタイミングが悪かった。
問題は藤井七段の扱いで、藤井七段は今年も最多勝利賞と勝率1位賞(歴代3位)を決め、朝日オープン戦と新人王戦に優勝した。竜王戦も昇級し、順位戦は昇級できなかったものの、9勝は立派な数字だった(再度訂正:最多勝利賞は受賞しておりません)。
つまり前年度と遜色ない戦いで、何か賞を差し上げたいところなのだが、タイトル戦に絡まなかったのが痛い。といって、今年も特別賞を差し上げるわけにもいくまい。
よって、今年は「受賞なし」とする。
新人賞は、YAMADAチャレンジ杯と加古川青流戦で優勝した、大橋貴洸四段とする。大橋四段は、記録4部門でもすべて7位以内に入っており、異論はないと思う。
東京将棋記者会賞は、藤井七段の師匠であり、50歳で順位戦昇級を決めた、杉本昌隆八段とする。
続いて女流賞。
最優秀女流棋士賞は、堂々四冠の里見香奈女流四冠でキマリ。
問題は優秀女流棋士賞で、候補は西山朋佳女王と渡部愛女流王位だ。タイトルの格から言えば西山女王なのだが、奨励会三段ならこのくらいの活躍は当然。対して、下馬評を覆し、不沈艦の里見女流五冠から一角をもぎ取った渡部女流王位は大殊勲で、今回は渡部女流王位に差し上げたい。
ほか、名局賞や升田幸三賞は私にはまったく分からないが、第31期竜王戦第1局は、とくに印象に残った。
以上を整理すると、各賞はこうなる。
◎最優秀棋士賞…豊島将之二冠
◎優秀棋士賞…渡辺明二冠
◎敢闘賞…広瀬章人竜王
◎新人賞…大橋貴洸四段
◎最優秀女流棋士賞…里見香奈女流四冠
◎優秀女流棋士賞…渡部愛女流王位
◎東京将棋記者会賞…杉本昌隆八段
◎名局賞…第31期竜王戦第1局(羽生善治竜王×広瀬章人八段)
受賞の皆様、おめでとうございます(?)