一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

1月27日の東十条囲碁将棋サロン(後編)

2015-01-31 12:54:12 | 東十条囲碁将棋サロン
時刻は午後7時半を過ぎており、私は植山悦行七段に指導を仰ぐ。植山七段はFuj氏と感想戦を行っていて、もちろん平手戦だが、どうもFuj氏が勝ったように見える。アマがプロに平手で勝つのは大変なことだが、この光景に違和感がないのがすごい。
Fuj氏が退き、私とS君が入る。ともに平手である。もちろん私の先手で、▲7六歩△8四歩▲6八飛。
と、
「またですか。それ、イヤなんだよな」
と植山七段がこぼした。
どうも、角交換四間飛車を嫌っての発言らしい。Fuj氏との将棋もこれだったのだろうか。
「大丈夫ですよ。私は角道を止めますから。ビビリですから」
△3四歩に▲6六歩とした。どちらが上手か分からない会話だ。
植山七段は、「たまにはこれを…」と、穴熊を志向する。
「先生、この前もそれやられましたけど」
それはともかく、対振り飛車に穴熊は常道になっているようだ。
私は早めに▲7五銀と出て△6二飛を強要し、まずまずと思っていたが、以下の指し手がのんびりしすぎたようだ。ことに△8五歩を許したのは問題で、ここは▲8六歩と突いてどうだったのだろう。
本譜は△8二飛に▲2六歩がまた問題で、△7四歩▲同銀△8六歩▲同角~▲7七桂△8六飛▲同歩△4五歩▲同桂△7七角成で、上手ペースとなった。
左のS君は矢倉戦を指しているが、ポンポン進んでいる。私の時は少考を繰り返していたが、この違いをどう解釈したらいいのだろう。
私の将棋はますます具合が悪い。カナ駒でガジガジ攻めるが、いかにもダサい。植山七段に筋よく端を攻められ、下手もう勝てない形である。
植山―S戦はどんどん進み、もう3局目である。1、2局目ともS君が勝ったように見えたが、だとしたらS君はすごい才能だ。
私は▲1九玉、▲1八歩と「穴熊のような形」になったが、香がないのでさすがに弱い。「(よくなってから)全然手が見えないんですよ」と植山七段はボヤくが、私には的確に急所を衝いているように見えた。
私が敵馬を取って形を作ると、植山七段が下手玉を仕留めにかかる。やがてS君と詰み手順を検討?し始めたのでクサッタが、結局綺麗に詰まされた。
S君の将棋が続いているので私も席を立つことができず、こちらの感想戦は割と長めだったが、穴熊相手でも下手(先手)が指せることが分かり、収穫だった。

このあとは食事である。植山七段、W氏、Fuj氏と、近くの中華料理屋に直行する。昨年12月の「大野八一雄七段―和田あき女流初段戦」があったときに寄った店で、定食が590円と激安だった。そのとき、「ここは使える!」がみなの意見だった。
植山七段らはごはん系の定食、私は半チャーハンと担担麺のセットを頼んだ。
これが素晴らしい! 担担麺は味もよく具も多く、ほかの店と遜色ない。半チャーハンも同様で、3分の2チャーハンといえるくらい量がある。これで590円とは、東十条の値段設定はどうなっているのだろう。
食後はしばし雑談。Fuj氏が怒っている。聞くと、Fuj氏は先日、植山七段が指導対局を務める某将棋センターで指したらしいのだが、指導対局の前に指した一般対局で必勝の将棋を落とし、三段認定された。それに憤慨しているのである。
「こっちは早く植山先生と指したいのに、相手がいつまでも考えてるから…。こっちもテキトーな手を指して、負けましたよ」
しかしFuj氏はふだんから、自分の棋力を「三段」と言っているのだ。これでちょうどいいのではないか。
…とはいえ、自分の棋力を正当に評価されなかった?Fuj氏の気持ちも分かるのだ。ことに、一手ごとに長考する手合いは、私も当たったことがあるが、閉口する。
それにしても、植山七段の行くところFuj氏あり。このストーカー的熱意には頭が下がる。
「大沢さん、31日の蕨(将棋教室)には行くんですか」
となおもFuj氏。
「いや」
「(2月1日の支部大会のために)コンディションを整えるって(ブログに)書いてたじゃないですか」
「だからあれは方便だって。土曜日は土曜ワイド劇場を見るからダメだよ」
「あ、それボクと同じだ」
と、これは植山七段。
アンタ講師だろう!? と、私は心の中で突っ込んだ。

そんな植山七段は体調が悪いというし、W氏も近く医者にかかるという。私は慢性的に体調が悪いし、生きているだけで精一杯という感じ。
歳は取りたくないものだと痛感した。
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1月27日の東十条囲碁将棋サロン(前編)

2015-01-30 00:12:44 | 東十条囲碁将棋サロン
27日(火)は、「東十条囲碁将棋サロン」に行った。同サロンはその名の通り東十条にあり、駅北口から徒歩1分と近い。駅構内に隣接しているので、雨の日も大丈夫だ。
席料は1日800円、午後6時からは夜間料金で600円となる。毎月第2、4火曜日には植山悦行七段か大野八一雄七段が来席し、午後5時からは級位者を対象に、7時からは段位者を中心に指導を行う。級位者には講座、段位者には実戦が中心となる。こちらは席料込みで月5,000円(1回・2,500円)となる。
場所的には好アクセスなのだが、なぜか将棋客が少ない。囲碁客に押されっ放しで、ふだんは閑古鳥が鳴いている。閑静な住宅街にあったLPSA駒込サロンの繁盛を思えば、ここもプロデュース次第では盛り返せると思うのだが、どうもうまくいっていない。
サロンには5時50分ごろ入った。室内では級位者のKi君とTsu氏が植山七段に講義を受けていた。私は談話スペースで棋書を読む。きょうは口内左上の歯根から苦い汁がにじみ出て、1日不愉快だ。これは6月を待たずして抜歯か…と思うと、将棋を指すのも憂鬱だ。
しばらくするとスタッフのW氏が来て、ケータイを取り出し、将棋の話を始めた。どうも、携帯中継の一局についてだった。W氏、中継の会員なのか!? この行動、まさにFuj氏を彷彿とさせるが、W氏、こんなに将棋が好きだっただろうか。

時刻は6時をとうに過ぎたが、ほかに客は来ない。W氏が見かねて、私に対局を申し出た。
W氏は指し将棋から引退しているが、いろいろ気を遣っているようだ。
W氏の先手で、W氏が石田流の作戦を明示したところで、Fuj氏とS君が来た。こうなればW氏はお役御免、私とS君が指すことになった。Fuj氏はW氏と内輪の話となった。
こちらは振り駒でS君の先手。昨夏までは私がふつうに角を落としていたが、いまは振り駒でまったく違和感がない。子供の成長は恐ろしいほど早い。
▲7六歩△3四歩▲2六歩△3四歩。ここでS君が▲2五歩と来た。矢倉党のS君には珍しい「横歩取り辞さず」で、もし▲6六歩なら私は△8五歩▲7七角を決め、原始棒銀を採る予定だった。
▲2五歩以下は△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛。ここで私が涼しい顔で△2三歩と打ったら、S君が考えてこんでしまった。その結果、▲2六飛。ここは▲3四飛と取ってほしかったが、さすがに旧定跡は勉強していなかったようだ。
私が「鎖鎌銀」を目指すと、S君は玉を右に移動する。私は金銀三枚を密集させたが、▲6六飛に△5二玉と寄らされたのは失点。とはいえここでは自信があった。

以下の指し手。△8四角▲2四歩△6六角▲同歩△5九飛▲7八角△2六歩▲同銀△2七歩▲同金△4九飛成▲3九角△4七竜▲4八歩△4五竜▲3六歩△2五歩▲3七銀△9五竜▲9六歩△8四竜

S君は▲5六歩で、飛車の逃げ場がない。私は誘われるように△8四角と打ったが、これはつまらなかった。△5四歩とでも突いておくのだったか。
私は△5九飛。これで後はどうとでもなると思ったのだが、S君の▲7八角が好打だった。
これで△5六飛成を防がれてみると後手がけっこうつらい。私はごまかし気味に△2六歩だが、▲1八銀と逃げられたら、指す手が難しかった。
本譜は私が生き延び、△4九飛成に▲3九角と受けざるを得ないようでは、やっぱり先手苦戦だ。しかしこの後の私の指し手がヒドかった。
△4五竜と引き揚げるのはやむを得ないとして、▲3七銀に△9五竜と横っ飛びしたのが悪手。以下△8四竜まで、二枚飛車がおかしなことになってしまった。
△9五竜では当然△3四竜とし、△2四竜と歩を払うところ。これなら後手優勢だった。
実戦はS君の指し手がのびのびし、私は3九角の利きを恐れて△8三竜と引くなど、震えまくっている。むしろ先手を持ちたい感じとなった。
左ではTsu君とKi氏が実戦を始めた。また奥では、Fuj氏が植山七段に挑んでいた。
私の方は最終盤である。

以下の指し手。△3三同金▲同角成△同玉▲4五銀△2六歩▲5四銀△2七歩成▲同玉△4九角▲3八歩△2六歩▲同玉 まで、S君の勝ち。

▲3三歩成に私は△同金と取ったが、△5一玉と逃げるのだったか。しかし局後の検討では▲4五銀と出られ、後手に指す手がなかった。
さて△3三同金の局面で、面白いことが起こる。S君が3三の金を自分の駒台に乗せ、「5六の角」をつまみ上げたまま、固まってしまったのだ。その時間10数秒。
もちろん角の利きがねじれており、この手は指せない。私がたまらず駒台の金を戻すとS君は我に返り、▲3三角成を着手した。そして▲4五銀。私は△2六歩。またもまやかしの△2六歩だ。
果たしてS君は▲5四銀と竜を取った。ここでは▲2六同金で負けだと観念していたので、チャンスが到来した。
ところが、△4九角が大悪手。これでいままでの苦労を水の泡にした。
△4九角では、一本△2六歩と叩くところ。これにA▲同玉は△5九角▲3七歩△2五歩▲2七玉△2六金以下詰みなので、B▲2八玉かC▲3八玉だが、B▲2八玉は△2七金▲3九玉△3八金打▲同角△同金▲同玉△2七角▲4八玉△5四角成でどうか。またC▲3八玉も△2七角▲3九玉△4九金▲2八玉△3八金▲同角△同角成▲同玉△2七角▲2八玉△5四角成となり、いずれも後手が負け形ではあるが、もう一波乱あったと思う。
再度の△2六歩は考えていたのだが、即詰みがないので△4九角から入ったら、こちらこそ全然詰みがなく、投了のやむなきに至ったという次第。
S君、この将棋を勝つとはすごい。とはいえ…。中盤△4五竜の局面から、後手が負けますかねえ。本譜は先手の8八銀がヒドかったが、後手の8二飛もそれ以上にヒドかった。何しろ、序盤の△8二飛から一手も動いていない。これでは勝てない。
こりゃダメだ…と、私は呆れたのである。
(つづく)
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1月27日の検索キーワード

2015-01-29 00:53:19 | プライベート
「goo」では1週間前から、「アクセス解析おためし中!」を実施している。
これは数か月に一度行われるもので、ふだんは有料のアクセス解析(閲覧の時間帯、訪問者の時間帯、検索キーワード、ページごとの閲覧数、閲覧元URL、ブラウザリスト)が、10日間無料で見られるのだ。
この中では「検索キーワード」が面白い。意外な語句から弊ブログにヒットしている。
過去1週間分をすべて紹介したいのだが、それはアレなので、27日の検索キーワードを紹介する。

1 一公
2 鹿児島 山ちゃんラーメン
3 里見香奈 室谷由紀
4 中原将棋勝局集
5 一公 将棋
6 里見香奈
7 梨沙帆
8 木内美穂 ヌード フライデー袋とじ
9 名人 芹沢将棋
10 峰えりか 引退
11 飯野愛
12 長崎アンデルセンマスター
13 中井広恵 身長
14 竹部さゆり twitter
15 第65回nhk杯将棋予選
16 大沢一公 ブログ
17 大沢一公
18 大山将棋勝局集
19 相崎 修司
20 早水千紗 休場
21 松尾香織
22 将棋検定 問題集
23 将棋一公
24 将棋ペンクラブ
25 将棋クイズ
26 勝局集
27 山口恵梨子 室谷ゆき
28 札幌 将棋 喫茶店
29 熊坂学 昇級
30 熊坂学 引退
31 丸山忠久モグモグ
32 茅原有希 倉敷藤花
33 加藤九段 感想戦
34 一公の将棋雑記
35 一公 将棋
36 一公 ブログ
37 ミス熱海撮影会
38 ペンクラブ 将棋 大賞 北野
39 アンデルセン 長崎 マスター 言葉
40 なんでも鑑定団 アシスタント さとこ
41 syougikenntei
42 NHK 将棋 予選 65回

私の名前を検索するのは、まあ弊ブログが目的だろうが、弊ブログとはほど遠い語句を検索してヒットしてしまったのは、お気の毒様というほかない。
コメント (2)
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1月18日の大野・植山教室(後編)

2015-01-28 01:11:16 | 大野・植山教室
フランクさんが
「大沢さん、今もブログ書いてますか? 女流棋士ランキングやってますか?」
といたずらっぽく言う。
女流棋士ファンランキングは毎回変動していて、和田あき女流初段もランクインしているのだが、説明するのが面倒だ。
6局目はHat氏と。Hat氏とは過去1度だけ対戦したことがあるが、右玉でうまく指され、私が中盤で投げた記憶がある。
右玉を得意とする人には飛車を振るべし、が持論なので、今度は四間飛車に振った。Hat氏は中央位取り。羽生善治名人が一度も指したことがないという戦法だが、大山康晴十五世名人は得意にしていたから、その善悪は分からない。
私は△4五歩と突っ張った。▲4五同銀なら△5四歩から乱戦に持ち込む狙いだが、やや粗かったか。
本譜は▲5七銀だが、私は△4四銀。▲1六歩の様子見には△5四歩▲同歩△4三金とした。以下▲4六歩△5四金▲4五歩△同銀と進んだが、ここで▲4四歩が好手で、△同金▲4五銀△同金の結果は、金が上ずり後手が面白くなかった。
以下はごちゃごちゃした戦いになり、形勢は二転三転。しかし先手・3七馬、後手・4七歩、4九竜…の局面で、▲3八銀に△3九竜と逃げた手が大悪手で、▲4九金と竜を殺されては、一遍に先手の勝ちになった。
私の△3九竜では、△4八竜と馬に当てるところ。以下▲同馬△同歩成となれば、後手が桂損ではあるが美濃囲いも固く、十分すぎる形勢だった。
本譜は後手指し切りで、いつもなら投了なのだが、あまりアッサリ投げるとなめられるので、もう少し粘ってみる。しかしHat氏は大崩れせず、ついに投了を余儀なくされた。
感想戦。Hat氏は終始自信があるふうだったが、▲4四歩には△同飛が好手で、これで後手も互角以上に戦えたようだ。
「もうダメだ…。私を癒してくれるのは植山先生だけです」
私が愚痴ると、ドッと笑いが起きた。
「わざと負けてるんじゃないですか?」
と、これは植山悦行七段の弁。本当に怒っているふうだった。
フランクさんは大野八一雄七段に角落ちで挑み、快勝していた。これを見ても、フランクさんの実力のほどが分かる。
また女流名人戦は、里見香奈女流名人が勝っていた。清水市代女流六段は割とアッサリ投了したが、ふだんならもっと粘っているところ。第1局からこれでは、清水女流六段のほうを心配しなければならない。
Fuj氏が来た。私たちはふつうに受け入れたが、考えてみれば不思議な話で、この時間にふつうは来ない。まあそのくらい、Fuj氏はこの教室を愛しているのだろう。

時刻は午後7時近くになり、食事である。参加者は大野七段、植山七段、フランクさん、W氏、Hon氏、Fuj氏、Hat氏、私の8人。
道すがら、フランクさんと話す。
「棋書もそうですが、私がいちばん読みたいのは、棋士に関する読み物ですネ」
なるほど…。読み物の翻訳はなかなか難しいが、一考の余地はあると思う。
食事――。最初はデパート内のカレー専門店に行ったが珍しく満席でハジかれ、ピザ専門店も満席でハジかれた。8人は大人数だが、それにしても解せない。川口はこんなに人が多かっただろうか。
私たちは、サイゼリヤにすべりこんだ。
最初は6対2に分かれたが、すぐに合流した。ではここで、席の配置を記しておこう。

      壁
   Fuj W Hat Hon

  一公 植山 大野 フランク

私は鶏肉料理を頼む。ドリンクバーもふつうに頼み、年初のダイエットはどこかに行ってしまっている。
フランクさんが一足先に帰ると、植山七段がHon氏、Hat氏を連れて退席した。
これでも散会しないのが私たちで、大野七段、W氏、Fuj氏とおしゃべりを続ける。話題はいつの間にか、東十条将棋教室の講義方針になる。
これを聞くと、W氏とFuj氏で微妙に考え方が違い、そのどちらにも尤もな部分があって、私と大野七段などは感心するばかりだ。
「オレはね、将棋は指さないけど、将棋の経営にはウルサイんだよ」
とW氏。大野七段は本当にいいブレーンを得たと思う。
楽しくおしゃべりをして、散会は11時半過ぎ。日曜日にこの時間は味が悪いが、どうしても遅くなってしまう。
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1月18日の大野・植山教室(中編)

2015-01-27 01:00:16 | 大野・植山教室
ここで3時休みになり、W氏が来た。やはり手合い係がいないと、対局がスムーズに進まない。
「この前の大沢さんとの将棋、珍しく最後まで並べられたよ」
とW氏がいう。先日W氏が快勝したやつだが、わざわざ並べ返すとはW氏らしくない。やっぱりW氏も、将棋バカなのだ。
パソコンには女流名人戦第1局が映し出されているが、里見香奈女流名人がうまく指している。休場中でも棋力は衰えなかったようだ。
こちらも対局再開。3局目は、Honma君と指すことになった。Honma君とは私が駒落ちで指すことが多いが、いつも私が苦戦していて、平手の手合いが妥当と感じる。W氏もその辺は心得てか、今回は平手の手合いにしてくれた。
Honma君の三間飛車に、私の急戦。しかしこの指し方が雑で、Honma君にうまく捌かれてしまった。
中盤の難しいところで、ドイツ在住のフランクさんが見えた。フランクさんは本国で大学教授を務める、将棋のアマ強豪(優に四段はある)であり、植山悦行七段、大野八一雄七段らと交流がある。日本語も堪能で、日本と外国の架け橋として、フランクさんの存在は貴重だ。
フランクさんはたいやきを差し入れてくれ、私たちはしばし、たいやきブレイクとなった。
局面。こちらの分が悪いが、Honma君は秒読みにやや弱い。そうなればこちらに勝ちが転がり込むと思いきや、いつまで経ってもHonma君の指し手は確かだった。
私が何とかついていく形で、終盤を迎えた。

以下の指し手。▲2二金△同玉▲4二竜△3二金▲6六馬△4四歩▲3一銀△1三玉▲2二銀打△2四玉▲2六香△2五桂▲同香△同馬▲4四竜△3四歩▲3六桂
以下、Honma君の勝ち。

Honma君が玉の逃げ方を間違え、ここでは逆転していると思った。
Honma君は王手ラッシュをかけてくる。私は△2四玉と逃げ越し、Honma君は▲2六香。ここで私が間違えた、本譜は△2五桂と逆王手をかけたのだが、Honma君に▲同香から▲4四竜と活用され、再び形勢が逆転した。
以下私も粘ったが、先手は▲3六玉と逃げだした形が広く、先手の勝ちは動かない。
最後は▲2六歩と詰めろで打たれ、この形が駒柱。実際指す手がなくなり、ここで私は投了した。
大野七段を交えた感想戦。▲2六香の局面は、私が自身で指摘したのだが、△1四玉とよろけるのだった。▲1五歩には△同玉と取り、これで後手が勝ちっぽい。以下▲2八玉の王手には今度こそ△1六桂の逆王手で、A▲同香△同馬は馬の力が強く後手の勝ち。
よってB▲3八玉だが、△5八飛成▲2八香には、△2七銀(→大野七段の指摘)▲同香△4七桂成までで後手勝ち。つまりいずれの変化も、後手に利があった。
対局中に△1四玉は浮かんでいたのだが、つい△2五桂で先手を取るほうを優先させてしまった。この辺が私の甘いところ。終盤は的確に読まなければならない。
ともあれリーグ戦でこの負けは痛かった。5敗目を喫し、今回の優勝はなくなった。
4局目はHanaちゃんと。お姉さんは現在、マイナビ女子オープンで大旋風を巻き起こしている。Hanaちゃんも続かなければならないが、焦らないことだ。
さてHanaちゃんは今年の女流アマ名人。前日の湯川恵子さんに続き、2日連続で女流アマ名人経験者と指すことになったわけだ。
Hanaちゃんは先手中飛車で来た。私は玉頭位取りに出たが、その前の△8五歩・△6四歩との整合性がなく、作戦負けに陥った。事実Hanaちゃんが攻めつぶせる手もあったのだが自重し、互角に戻った。
…と思ったのも束の間、Hanaちゃんに攻めを再開され、あっという間につぶされてしまった。
Hanaちゃん、私が負けて言うのもなんだが、将棋に手厚さが出てきた。私が敵わなくなるのも、時間の問題であろう。
大野七段はHon氏と対局中だったが、私も入れていただく。大野七段は、1日で複数回将棋を教えてくれることがままある。これはサービスのしすぎだと思うが、これも教室の特長である。
本局も角落ちだが、毎回居飛車では能がないので、今回は三間飛車に振ってみた。
私は▲6八の角を▲5九~▲4八とし、△8四金に狙いをつける。ここ、すぐ▲5七角だと△5五歩を気にしたからだが、考えすぎだった。
本譜は▲6五桂と跳んだが、桂の入手を見越して△1五歩としたのが上手の技。▲同歩と取るよりないが、△1七歩▲同玉△1一飛とされ、下手まずくなった。下手は▲4八角が壁になっているのが痛い。
以下△6五銀から△1六桂と打たれ、私も粘ったのだが、結局土俵を割った。
感想戦。▲6五桂が勝ち気に逸った疑問手で、ここは▲2六歩と、自玉の懐を拡げるところだったらしい。振り飛車党には当然の手なのだろうが、私には全然発想がなかった。
「大沢さんなら跳ねてくると思いました」
…。すっかりこちらの手の内を見透かされている。駒落ちの将棋では下手も我慢が大事なのに、つい自分から動いてしまう。ここでどっしり構えられるようなら、もう一段上の将棋になるのだろう。
ここまで5局指して、1勝4敗。植山七段に平手で緩めてもらってから、全然勝てない。これでは植山七段の立場がなく、私は申し訳ない気持ちになった。
(つづく)
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