一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

竹内五段の順位戦復帰の目を考える(2)

2024-11-15 00:11:13 | 目を考える
竹内雄悟五段の順位戦復帰の目を考えるシリーズだが、9月15日の記事から3局を消化して、2勝1敗だった。
では、今年度の勝敗を確認しよう。

■2024年度
4月2日 第50期棋王戦予選3回戦 ●黒田尭之五段
4月19日 第74期王将戦一次予選4回戦 ●藤本渚五段
4月24日 第37期竜王戦5組昇級者決定戦2回戦 ○片上大輔七段
5月28日 第37期竜王戦5組昇級者決定戦3回戦 ○小林裕士八段
6月18日 第96期棋聖戦一次予選1回戦 ○池永天志六段
6月18日 第96期棋聖戦一次予選2回戦 ●上野裕寿四段
7月5日 第18回朝日杯一次予選1回戦 ○中田功八段
7月5日 第18回朝日杯一次予選2回戦 ●船江恒平七段
7月25日 第10期叡王戦五段戦2回戦 ○石川優太五段
8月28日 第66期王位戦予選1回戦 ●藤原直哉七段
9月6日 第73期王座戦一次予選1回戦 ○藤原直哉七段
9月13日 第37期竜王戦5組昇級者決定戦4回戦 ○高田明浩五段
10月3日 第73期王座戦一次予選2回戦 ○平藤眞吾七段
10月18日 第37期竜王戦5組昇級者決定戦準決勝 ●千葉幸生七段
11月11日 第10期叡王戦五段戦3回戦 ○今泉健司五段

以上、9勝6敗。例の「いい所取り.650で20勝10敗」だと、年度最初の2敗を除けるから「あと11勝6敗」でよい。
それと私は前回の記事でうっかりしていたのだが、「年度.600で18勝12敗」の線もあった。
これは増田裕司七段と同じパターンだが、竹内五段は達人戦に参加できないので、通常通り?「18勝12敗」でよい。この条件なら、年度末までに「あと9勝6敗」となる。勝率5分の差が意外に大きいのだ。
今年度の残る棋戦は、

第33期銀河戦
第73期王座戦
第10期叡王戦
第38期竜王戦
第75期王将戦
第51期棋王戦
第75回NHK杯

である。さて、どうなるか。
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増田裕司七段の順位戦復帰の目を考える(2)

2024-11-07 23:16:27 | 目を考える
たぶん当ブログだけが注目している、増田裕司七段の勝敗である。きのうは王座戦が指された。では、今年度の戦績と合わせて、確認してみよう。

5月16日 第96期棋聖戦一次予選1回戦 ●長岡裕也六段
6月4日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦1回戦 ○神崎健二八段
6月26日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦2回戦 ○長岡裕也六段
7月2日 第18回朝日杯一次予選1回戦 ●長沼洋八段
7月17日 第10期叡王戦七段戦1回戦 ●矢倉規広七段
7月29日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦3回戦 ○浦野真彦八段
8月13日 第66期王位戦予選1回戦 ○齊藤裕也四段
9月5日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦4回戦 ○黒田尭之五段
9月12日 第73期王座戦 一次予選1回戦  ○島本亮六段
9月19日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦5回戦 ●山本博志五段
9月25日 第2回達人戦予選1回戦 ○畠山成幸八段
9月25日 第2回達人戦予選2回戦 ○阿部隆九段
10月3日 第66期王位戦予選2回戦 ●狩山幹生四段
10月16日 第73期王座戦一次予選2回戦 ○冨田誠也五段
10月22日 第2回達人戦予選3回戦 ○今泉健司五段
10月22日 第2回達人戦予選決勝 ○藤原直哉七段
11月6日 第73期王座戦一次予選3回戦 ●横山友紀四段
(11勝6敗)

王座戦は横山四段に敗れ、今年度11勝6敗となった。順位戦復帰まで「あと8勝6敗」はまだまだ大丈夫だが、羽生九段の例を見るまでもなく、連敗は誰にも突然やってくる。
また、勝ったら勝ったでそれなりのプレッシャーがかかるので、数字をクリアするのは見た目ほど簡単ではない。
残る棋戦は6つ。

第33期銀河戦
第2回達人戦(12月3日)
第38期竜王戦
第75期王将戦
第51期棋王戦
第75回NHK杯

とにかく、勝つしかない。
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増田裕司七段の順位戦復帰の目を考える(1)

2024-10-28 00:03:51 | 目を考える
先日、日本将棋連盟の棋戦表を見ていたら、第2回達人戦で、増田裕司七段が予選を突破していたので、驚いた。
以前もチラッと触れたことがあるが、私の顔は増田七段によく似ている。全体的な雰囲気も含め、そっくりといってよい。ある年に将棋会館で行われた将棋ペンクラブ関東交流会に、増田七段がふらっと現れた。
私は増田七段に、「私、先生に似ていると思うんですけど、どうでしょうか」と問うた。
すると増田七段も即座に「うん」と答えた。私はうれしくなって、(女流)棋士とツーショットで収まる趣味はないのだが、このときばかりは頼み込んで、撮らせてもらった。私の頭が薄く肥満気味なのがアレだったが、ふたり並ぶとそっくりだった。
さてその増田七段の今年度の成績を確かめたら、かくのごとくだった。

5月16日 第96期棋聖戦一次予選1回戦 ●長岡裕也六段
6月4日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦1回戦 ○神崎健二八段
6月26日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦2回戦 ○長岡裕也六段
7月2日 第18回朝日杯一次予選1回戦 ●長沼洋八段
7月17日 第10期叡王戦七段戦1回戦 ●矢倉規広七段
7月29日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦3回戦 ○浦野真彦八段
8月13日 第66期王位戦予選1回戦 ○齊藤裕也四段
9月5日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦4回戦 ○黒田尭之五段
9月12日 第73期王座戦 一次予選1回戦  ○島本亮六段
9月19日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦5回戦 ●山本博志五段
9月25日 第2回達人戦予選1回戦 ○畠山成幸八段
9月25日 第2回達人戦予選2回戦 ○阿部隆九段
10月3日 第66期王位戦予選2回戦 ●狩山幹生四段
10月16日 第73期王座戦一次予選2回戦 ○冨田誠也五段
10月22日 第2回達人戦予選3回戦 ○今泉健司五段
10月22日 第2回達人戦予選決勝 ○藤原直哉七段

なんと、11勝5敗! このうち、若手の黒田五段、冨田五段、齊藤四段を倒した星が光る。そして達人戦が公式戦だったのが絶妙で、フリークラス脱出の目が出ていた。
その条件は例によって、まずは「いい所取り30局以上で勝率.650以上」。これは最初の5局を端折れるので「9勝2敗」となり、残りを「11勝8敗」でよい。
また、今回は年度初めからよく勝っているので、「参加棋戦数+8勝で、年度勝率.600以上」でもよい。
増田七段の場合、7大タイトルに朝日杯、NHK杯、銀河戦、達人戦に参加しているので、「19勝12敗」がクリアの一例となる。その場合、残りを「8勝7敗」でよい。
ところが改めて調べると、衝撃的事実があった。増田七段は、今年度がフリークラス10年目なのだ!
たしか熊坂学六段のときに議論になったが、フリークラスは11年目の勝敗は、復帰規定にカウントされない。年度末の戦績までが対象である。となると、「いい所取り30局」を指している猶予はないのだ。
じゃあ前年度の成績を加えればいいと思うが、前年度は終わり8局が1勝7敗だったので、全然ダメだ。
よって、増田七段順位戦復帰の条件は、「年度19勝12敗」。これだけとなった。ただ、残りを「8勝7敗」は、現在の増田七段の調子なら十分可能だ。
残り棋戦は、

第33期銀河戦
第73期王座戦
第2回達人戦
第38期竜王戦(2局)
第75期王将戦
第51期棋王戦
第75回NHK杯

となる。このうち銀河戦は9月に予選が行われているが、結果はまだ公表されていない。2勝していたらずいぶん楽になる。
とにかくこれからは一局でも多く勝って、対局を繋げていくしかない。
しかし熊坂六段といい中尾敏之六段といい、どうしてフリークラス10年目で勝ちだす棋士が出てくるのだろう。
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竹内五段の順位戦復帰の目を考える(1)

2024-09-15 21:37:52 | 目を考える
13日の将棋公式戦の結果を見て、アレッ?と思った。第37期竜王戦5組昇級者決定戦で、竹内雄吾五段が高田明浩五段を破っていたのだ。
まず、高田五段は2021年4月四段デビュー。その不敵な面構えはすでにベテランのようで、藤井聡太竜王・名人がいなければ、有力なタイトルホルダー候補だった。前期順位戦ではC級1組に昇級。大器始動せり、というところだった。
対する竹内五段は2013年4月、四段デビュー。その期のC級2組順位戦では2勝8敗で降級点を取るという大物ぶりを見せた。その後、竜王戦は5組に昇級し、他棋戦でも活躍はあったようだが、第81期と第82期のC級2組順位戦で降級点を取り、2024年4月にフリークラス入りとなった。36歳でのそれは、久々のやっちゃった感である。
その竹内五段と高田五段が戦えば、ふつうは高田五段が勝つと思う。ところが竹内五段が勝った。これは竹内五段が実力を発揮したというべきだろう。
竹内五段、風貌は大手企業の課長のようなで、瀬戸博晴七段を思わせる。将棋は独特のようで、こういう将棋は相対的に、成績が芳しくない。しかし鑑賞して楽しいのは、こういった将棋だ。
では、竹内五段の降級確定後の成績を見てみよう。

■2023年度
3月26日 第74期王将戦一次予選3回戦 ○脇謙二九段
■2024年度
4月2日 第50期棋王戦予選3回戦 ●黒田尭之五段
4月19日 第74期王将戦一次予選4回戦 ●藤本渚五段
4月24日 第37期竜王戦5組昇級者決定戦2回戦 ○片上大輔七段
5月28日 第37期竜王戦5組昇級者決定戦3回戦 ○小林裕士八段
6月18日 第96期棋聖戦一次予選1回戦 ○池永天志六段
6月18日 第96期棋聖戦一次予選2回戦 ●上野裕寿四段
7月5日 第18回朝日杯一次予選1回戦 ○中田功八段
7月5日 第18回朝日杯一次予選2回戦 ●船江恒平七段
7月25日 第10期叡王戦五段戦2回戦 ○石川優太五段
8月28日 第66期王位戦予選1回戦 ●藤原直哉七段
9月6日 第73期王座戦一次予選1回戦 ○藤原直哉七段
9月13日 第37期竜王戦5組昇級者決定戦4回戦 ○高田明浩五段

ここでおなじみ、順位戦の復帰規定だが、最もポピュラーなのが「良い所取り30局以上で勝率.650以上」である。フリークラス行きが決まったあとの同年度の勝利が上の条件に加算されるかどうか分からないが、新年度のしょっぱなに2連敗しているので、この3局は省く。
よって、その後の「7勝3敗」が現在有効のものである。復帰の「20勝10敗」まで残り13勝7敗は厳しいが、池永六段、高田五段という若手強豪に勝っているのだから、誰にでも勝てるということだ。
今後はちょっと、竹内五段の戦績にも注目してみようか。
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青野九段、800勝なるか(5)

2024-02-22 09:22:13 | 目を考える
20日に全国的な報道があったのだが、青野照市九段が20日のテレビ棋戦(第74回NHK杯予選)で勝利し、公式戦通算800勝を達成した。瞬発力が要求される早指し棋戦で勝利したのは見事である。
今回の達成は異例づくめだった。まず、71歳での達成はもちろん最年長。棋士生活49年10ヶ月も最長だ。引退が決まってからの達成も初。通算で負け越しも初の椿事だった。
これずべて、青野九段が成績が悪いときでも粘り強く指し、順位戦で踏ん張ったからにほかならない。
青野九段で将棋栄誉敢闘賞は26人目。ではここで、過去の達成者を記しておこう。

大山康晴十五世名人
加藤一二三九段
中原誠十六世名人
二上達也九段
有吉道夫九段
内藤國雄九段
米長邦雄永世棋聖
谷川浩司十七世名人
桐山清澄九段
大内延介九段
羽生善治九段
森雞二九段
佐藤康光九段
森下卓九段
森内俊之九段
丸山忠久九段
高橋道雄九段
郷田真隆九段
深浦康市九段
南芳一九段
島朗九段
阿部隆九段
屋敷伸之九段
中村修九段
久保利明九段
青野照市九段

錚々たるメンバーだが、石田和雄九段、勝浦修九段、田中寅彦九段あたりの名前がない。それだけ、800勝達成は大変だということだ。
青野先生、おめでとうございます。
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