一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

27日の朝に見た夢

2013-02-28 00:16:49 | 
27日の朝は奇怪な夢を見たので、記しておく。
私はどこか旅をしていたようなのだが、そこで「将棋マガジン」を手元から落としてしまった。将棋マガジンは下水口に繋がるコンクリート蓋の穴からストーンと落ちてしまった。雑誌の厚みと、穴の形がピッタリ同じだったのだ。
私は落胆しつつ宿に戻ったのだが、これが宿といいながらどこかの会社の事務所のようで、周りの客も私と知り合いらしいのだが、私はまったく面識がなかった。ひょっとしたら、宿で知り合ったのかもしれない。
私は再び外へ出たが、今度は「将棋世界」最新号を手元から落としてしまい、それはやはり、コンクリート蓋の穴から、下水道に落ちてしまった。
この将棋世界は前日に買ったばかり。まだほとんど読んでいなかっただけに、これは本当に落胆した。
そこから、どこかの原っぱに移動した。私は列車の先頭車両に乗っているのだが、列車は2階建てで、私は客席の一番前に座っていた。前面は半球状のガラス張りで、私の体は中空にせり出された形になっていた。数十メートル右にも別の線路が見えたが、あちらは上り電車か下り電車の線路だったのだろう。
そこでまた場面転換して、女性の2人組旅行者がいたが、彼女らが私と知り合いかどうかは分からなかった。

…というところで、ボンヤリ目が覚めた。
なぜ落とした将棋雑誌が下水道に落ちてしまったのか。実は前日の26日夕方、トコヤから帰ってきた私は、着替え中に誤って障子を破ってしまった。
セーターの袖から勢いよく拳を出したら、それが障子を直撃してしまったのだ。
なんでこんなところに障子が…。
夢の中で私が下水口蓋から雑誌を落としてしまったときも、なんでキッチリと穴を通過しちゃったんだ、の思いがあったから、26日の出来事が潜在意識となって表れたと思う。
また、宿で見知らぬ人と知り合いになっていたくだりは、先日観たテレビ朝日系「人生の楽園」に誘発されたと思う。
この宿は、寝る場所は提供するが、食事や布団の上げ下げは宿泊者に任せる、というものだった。必然的に宿泊者同士仲良くなるわけだが、このユースホステル方式にも似た斬新な手法が、鮮烈な印象となって私の脳裏に残っていたのだろう。
最後に出てきた女性2人は、まったく見覚えがなかった。
いずれにしても、全体的にセピア色がかかった、重苦しい夢だった。いまの私の状況を表わしているかのようだった。
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四十一たび大野教室に行く(後編)

2013-02-27 00:55:20 | 大野教室
きょうの生徒は大人11人、子供5人。大人数だ。
表ではHon氏が一服している。私もお邪魔すると、大野八一雄七段、植山悦行七段、W氏も合流した。中は暖かかったが、外は寒い。北海道より寒い。
話題になったのは、10日に行われた女流最強戦・上田初美女王と清水市代女流六段の一戦だ。この将棋、私見では清水女流六段の指し方がダサかったと思う。あれじゃあ40年前の指し手だ。
この分なら、21日に行われる女流王位戦・中井広恵女流六段と清水女流六段の一戦は、中井女流六段が勝つだろう。
3時休み後は、植山七段に教えていただく。植山七段が香落ちを指したがるのを抑えて、角落ちでお願いする。
将棋は矢倉模様に進む。私が駒組みを進めていると、植山七段が先攻した。植山七段は受けの棋風なので、ここはやむにやまれぬ攻め、ということになる。
私は交換した桂を▲7五に打つ。以下△8四飛浮き▲7三歩成~▲8三桂成と飛車を殺せては下手十分になった。

そこから上手の反撃もキツかったが、図の局面で、私が▲5五桂と打ったのが決め手になったようだ。
しばらく考えて、植山七段の投了。きょうは割合うまく指せた。
書棚に「石田和雄名局集」がある。先日その出版記念パーティー(&渡辺大夢四段昇段パーティー)があり、大野七段も出席してきたという。
発行元のマイナビは最近、ベテラン棋士の実戦集を立て続けに刊行している。これは以前から私が所望していたもので、装丁も私のイメージに近い。私は芹澤博文九段のそれを望んでいるのだが、故人なのがネックだ。
ここでAoさんと対局をする。私の二枚落ちだ。
Aoさんは▲7六歩~▲4六歩・▲4五歩と定跡通り指す。さらに右銀を4六まで、パッパッ進める。ここがAoさんの悪いクセで、Aoさんは相手の手を理解せず、指し手を進めてしまうところがある。しかも4六へは左銀を持っていくのが正しい。私はもちろん待ってあげる。
▲3五歩に私は△2二銀。△4二銀上と指しても▲3四歩とは来ないのは分かっているが、ここは大人しく指す。
中盤以降は私のアドバイスを参考に、Aoさんが指し手を進める。別に平手戦ではないので、私は負けても構わない。
向こうの部屋では、HanaちゃんがKun氏に挑んでいる。Hanaちゃんはあす17日、LPSAの大会に出る。一局でも多く実戦を指したいところらしい。
下手▲5四銀、5五飛の局面で、私が「銀を活用して飛車を働かせましょう」とアドバイスしたのを受け、Aoさんは▲6三銀不成と指す。私の玉は8三だから、これで寄りだ。
ところがAoさんは持ち駒をベタベタ打ち、もう飛車の活用を忘れている。
そこで思ったのだが、初心者は盤面のひとつところしか見ないようだ。広く見ることができない。持ち駒も、高い駒から使いたがる傾向があるようだ。
▲5一飛成~▲9一竜で、私の投了。次回以降もこんな展開で進むのだろうか。
続いてMinamiちゃんと将棋を指そうとするが、断られる。そこで大野七段ともう一局、となりそうだったが、結局Minamiちゃんと指すことになった。
対Minamiちゃんの指し方はむずかしい。本気は出さないけれど、わざと悪手も指さないという感じ。
以前Minamiちゃんが私との二枚落ち戦で、必勝の局面から負けたことがあったが、そのときのMinamiちゃんの悔しがりようが尋常でなかったらしいから、私も真剣に指さなければいけないのである。
中盤、Minamiちゃんが▲4四歩△同銀▲4五銀。以下は私がMinamiちゃんの攻めをいなして勝った。
局後は、指導対局中にこちらをチラ見していた大野七段が感想戦に参加してくれた。
大野七段は▲4四歩△同銀に▲4五銀が疑問で、▲5五歩△同歩▲同銀からの攻めを推奨する。私は自然に応接するが、意外に下手がでかしていない。
大野七段は別の攻めで来るが、私はのらりくらりと抵抗する。プロの七段が二枚落ちの下手を持っているのだから簡単に攻め潰せそうだが、そうならないのが将棋のむずかしさだ。
しまいには、「大沢さん、上手の指し方うまいですねえ」と大野七段がつぶやいた。きょう私がいちばんうれしかった言葉がこれであった。
Kun-Hana戦は、Hanaちゃんの勝ち。HanaちゃんはKun氏、Fuj氏、私に全勝。あす(17日)への弾みをつけた。それにしてもジョナ研メンバーはだらしがない。

食事会は、大野七段、植山七段、W氏、Fuj氏、Minamiちゃん、私の参加。
駅近くの「ガスト」の喫煙席が満席だったので、「サイゼリヤ」に移る。私の向かいにはMinamiちゃんが座った。
しばし政治の話をするが、すぐにバカ話に移る。食事をしたあと、Fuj氏とMinamiちゃんがAKB48(グループ)のメンバーを紙に書き始めた。どちらが多く知っているか、競っているらしい。平和だ。
そのMinamiちゃんは現在、ドリフターズのコント(レンタルビデオ)にはまっているという。おもしろいコントは時代を越えて受ける、ということか。私はこれを毎週観ていた、と言うと、羨ましがられた。
W氏が大野七段に、「AKBの番組を見ないと」とハッパをかける。大野七段は「大野八一雄ブログ」を開設しているが、なかなかアクセス数が増えない。「大相撲(のネタを載せて)も(アクセス数が)伸びなかったし…」と落ち込んでいる。そこでW氏が、AKB48のネタをブログに書けば、アクセス数も増えるのではと提案したわけだった。
何のキッカケか、「忠臣蔵」の話になる。歴史好きの大野七段、水を得た魚のように、ペラペラしゃべる。しかし相手が歴史嫌いの私では、張り合いもなかろう。
聞くと、現在言い伝えられている忠臣蔵は史実と違うことばかりらしい。
私もその噂は知っているが、それは私の想像以上に広範囲に渡っていた。大野七段の講義をひととおり拝聴したが、現在映像化されている「忠臣蔵」は、完全なフィクションと見ていいようだ。哀しい現実ではあるが。
話がブログに戻る。
私「(大野先生が)どうしてもアクセス数を増やしたいなら、私のブログの隅にリンクを張る、という手はありますよ」
大野「……。リンク張ってくださいよ」
大野七段、考えがセコイ。アクセス数を増やす近道はただひとつ。毎日地道に更新することである。
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四十一たび大野教室に行く(前編)

2013-02-26 00:16:59 | 大野教室
16日(土)は、埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。午後1時27分に入室すると、下駄箱がほぼ満杯である。中では大野八一雄七段が4面指しを行っていた。さらにFuj×Hana戦も行われていた。
奥の部屋でも、植山悦行七段が3面指しを行っていた。さらに自由対局も1局。きょうは物凄い人数だ。
早速大野七段に指導を仰ぐ。私は居飛車で挑む。中盤までむずかしい戦いだったが、上手にジリジリ押される。
W氏が重役出勤したが、多くの客にビックリしている。
Aoさんも来席して、私の右に座った。きょうで2回目だ。大野七段に二枚落ちで教えてもらっている。平手好きのAoさんにしては感心だ。これは本気で強くなろうとしているらしい。
Aoさんに、ここへはよく来るのか聞かれる。月に1度くらいです、と答えておいた。
それにしても暑い。暖房がギンギンに効いているからだが、人いきれの熱気ということもある。「冷房にしましょうか」と大野七段が言ったが、これはうれしいジョークだったろう。大野教室の未来は明るい。
局面。△5五金!と大上段に出られた私は、数手後▲5五角と切り、▲5五飛と捌く。これで5筋からの成りこみが受からないと見ていたが、大野七段は△7八銀成▲同玉と下手玉を薄くしてから△5四歩。▲同飛なら△4五角の王手飛車だ。
私はやむなく▲8五飛だが、さらに上手は△8四歩。▲同飛なら△9五角の詰めろ飛車取りだ(△6二に飛車がいる)。どうやっても飛車が成れるとフンでいたのに、たった2歩で堰き止められた。ギャフンとなった私は、以下いくばくもなく投了した。
このところ指し将棋が充実していると自認していたのだが、きょうは若干、心ここにあらず。気持ちが北海道に残っていた。
Minamiちゃんは、指導対局を終えたFuj氏に、学校の勉強を教えてもらっている。Minamiちゃんは来年高校受験だ。この1年が勝負である。
私はHanaちゃんと指す。Hanaちゃんの先手で▲7六歩△8四歩▲6八銀。
Hanaちゃんの得意技はゴキゲン中飛車で、私との将棋では、無理なく中飛車に振りたいため、あえて後手番を所望するほどだったが、▲6八銀は珍しい。
△3四歩▲6六歩△6二銀に▲4八銀!! 矢倉か!? Hanaちゃん、バリバリの振り飛車党だったのに、これはずいぶんなイメージチェンジをしたものだ。
私は矢倉中飛車に構え、▲8八玉目がけて△8五桂。Hanaちゃんは数手後▲8五銀と銀桂交換に甘んじたが、これなら後手が十分だと思った。
しかし▲2四歩△同歩に▲2三歩の叩きが厳しかった。私はふらふらと△同金だが、▲1五桂でシビレた。これで将棋は終わっている。

私は未練がましく指し継ぐが、図から▲4五角が決め手。▲6三角成△同金▲3二銀までの詰みと、▲6三角成△同金▲7二銀の両狙いが受からない。ここで私は投了した。
Hanaちゃんは将棋が粗く、本気を出せばこちらが勝つ、とフンでいたのだが、気が付けば私の連戦連敗。先の言は、私の負け惜しみにすぎなかった。
加えてHanaちゃんが居飛車も勉強しだしたとなると、これは厄介である。次回対局するときは、全身全霊をかけて負かしに行くつもりである。
3局目、植山七段に教えてもらおうと思ったが、Aoさんへの指導対局で手が離せないようだ。そこで、Ha氏と戦うことにした。
振り駒で私の後手。Ha氏の通常四間飛車に、私は結果的に中央位取りを採った。中盤、何度も振り飛車に捌かれる危機があったが、ことごとくHa氏が見送り、さすがに私が優勢になった。
Ha氏が▲4四銀と△5三金に当てて打った手に対して、じっと△5二金引が決め手。これで△4三歩の銀殺しが受からない。以下は私の快勝となった。
ここ大野教室で最も棋力を伸ばしたといわれるHa氏だが、まだ甘いところがあるようだ。
ここで3時休みとなった。
(つづく)
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冬の北海道旅行0・蛇足

2013-02-25 00:03:34 | 旅行記・北海道編
もう遅い時間なので、地下街の店はさすがにシャッターが下りている。そんな中、パン屋が開いていたので、条件反射的に入った。旅先でパン屋に入るのは、私の密かな定番なのである。
この店の閉店は午後10時。現在9時47分だから、ギリギリ間に合った形だ。
たこやきパンやら何やら、斬新なパンがある。この店は創作パンに力を入れているようだ。きなこパンなど、美味しそうな菓子パンを3つ購入した。
大通駅に到着する。ここから先の地下歩道は2011年3月に全通した。雪の時期は足元を気にしなくて済むし、暖房も効いているので、ありがたい。
札幌駅に着いた。千歳までの切符を買う。きょうの宿は千歳駅前の「千歳エアポートホテル」を予定している。明朝は無料送迎があるので、道内での交通費出費はこれが最後である。計算してみると、「周遊きっぷ・札幌道北ゾーン」を使った場合と比べて、570円多く遣っていた。小樽を往復しなかったので、「赤字」が最小限で済んだ。
22時28分の普通電車に乗る。23時07分、千歳着。すぐチェックインし、翌朝6時50分の送迎バスを予約した。
「千歳エアポートホテル」はここ数年の定宿で、価格が安いこともあるが、特別なビデオが無料で観られることが大きい。無料だからといってわざわざ観る気はないけれど、そのサービス精神に敬意を表したいところである。
昨年も記したが、その無料ビデオの内容を今年も記すと、「映画」「アニメ/TVドラマ」「バラエティ/癒し」「NHK」「ミュージック」「アダルト」「無料作品」と6ジャンル+1に分かれていた。
ここからまた細分化されており、たとえば「アダルト」だと、「フェチ/ハードコア・12本」「女優/アイドル・9本」「素人/女子校生・8本」「人妻・熟女/働くお姉さん・12本」「ナンパ/ギャル・4本」「Rシネマ・5本」に分かれていた。全部で50本。当然ながら、とても数時間で観切れるものではない。
ともあれせっかくなので、このジャンルを鑑賞してみた。リモコンの動きはスムーズで、快適だ。先月の郡山がひどかったから、余計それを感じる。
ビデオを観ながら菓子パンを頬張る。これはこれで至福の時間である。
しかしビデオの内容はというと、こちらも郡山と同じく似たりよったりで、思わず見入ってしまうものはなかった。もう少しいい女優を使えないものかと思う。それとやっぱり、話のスジがおもしろくない。ただちちくりあっているだけではダメなのである。
そんな中で、かすみりさはいい演技をしていたと思う。
ライティングデスクの壁に取り付けられている鏡を見る。髪の毛が一段と薄くなったと思う。このままいやらしくハゲていくのかと思うと、暗澹たる気持ちになった。

翌12日(火)朝6時20分、スマホのアラームで叩き起こされた。心臓がバクバクいっているのが分かる。前日就寝したのが午前3時。明らかに睡眠不足で、こうなるのが分かっていながら、つい夜更かしをしてしまった。これは特別なビデオを観すぎたからではなくて、北海道最後の夜を眠ってしまうのが惜しかったからである。
6時50分の送迎バスに乗る。始発は乗客が少なかったが、もう一軒の「アネックスホテル」で大人数が乗車して、けっこうな人数になった。
前夜は札幌を楽しみ、きょうの朝イチで帰る、という人も多いということだ。
新千歳空港に着く。土産物店で、自宅と隣の親戚、大野教室へのお土産を買う。
インフォーメーションで本屋のありかを聞き、「道内時刻表」も買った。今年は結局使わなかったが、コレクションとして購入した。
さらに酒屋へ寄り、松尾香織女流初段へのお土産も買う。松尾女流初段には今月の15日にLPSA芝浦サロンで将棋を教えてもらう予定である。さすがに手ぶらでは行けないと思う。
「雪中美人」という日本酒を買った。「松尾先生は美人だと思う」と言ったのは将棋ペンクラブのA氏だったか。これを聞いた当初は、美的感覚は人それぞれ、と吹き出してしまったが、いまはA氏の言うことも理解できる。この日本酒は、松尾女流初段のイメージにピッタリだった。
8時15分発のスカイマークに乗る。席は「30C」だ。この便は満席とのこと。左に誰が座るか知らんが、どうせオッサンなんだろうなあ、と期待せずにいたら、しばらくしてギャル系の女性が座ったので、ビックリした。イメージ的には鈴木奈々というところか。
さらに通路を挟んだ右前には、コスプレ系の服を着た女性がすわったので、二度ビックリした。太ももの絶対領域がまぶしい。
当たり前だが、この飛行機は東京行きである。もう、機内は東京の一部なのだった。
飛行機は定刻に離陸した。スカイマークは飲み物のサービスもないし、機内誌もおもしろくないので、やることもない。
左の女性はというと、コンパクトを開けて、化粧をし始めた。これは奇遇だ。今回は行きと帰りの両方で、女性のメイクを目にしたことになる。
さらに彼女は、ネイルのアートを始めた。ハデハデなネイルを装着している。狭い機内でも、いろいろやることはあるのだと、妙に感心した。
私は寝不足なので、さすがに目を閉じる。と、私の左肩に、彼女の気配を感じた。彼女も眠りに落ち、私の肩越しに、頭をあずけてきたのだ(正確には触れていない)。
ずいぶん無防備だなーと思うが、悪い気はしない。そのまま緊張していると、彼女は体勢を変え、向こうの男性のほうに頭をやった。何だかおもしろくない。
しばらくすると、今度は私のほうへ頭を戻す。最終的にはこっちだったか。私が勝利した気分になって、何だかうれしかった。
飛行機は安定飛行を続けている。東京までは、あと20分である。
(おわり)
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冬の北海道旅行9・感動のステージ

2013-02-24 01:14:58 | 旅行記・北海道編
中村あゆみはオーバーを脱いで、さらに一曲。感心したのは、合間に出るトークのうまさだ。とくに奇抜なフレーズは使っていないのだが、絶妙の間合いで笑いを取る。もう何百回もライブをしているから、この手のトークはお手のものなのだろうが、それにしても見事だ。
ライブはまだまだ続く。続いては坂本冬美に提供した「アジアの海賊」を元気よく歌いあげる。これ、2008年に発売された「また君に恋してる」のカップリング曲で、同曲がヒットしたということは「アジアの海賊」も売れたことになり、中村あゆみもご満悦というわけだった。
最後に、新曲「愛のメロディー」(だったと思う)をしっとりと歌いあげた。
中村あゆみは、将棋でいえば居飛車も振り飛車も指しこなすオールラウンドプレーヤーという感じ。どのジャンルも器用に歌う彼女に、プロ歌手の真髄を見た思いだった。
予定を10分オーバーして、中村あゆみのライブは終了。残るは午後8時から7丁目で行われる、Natsuki&ブライトの、「サッポロ ゴスペル クワイア」だ。
数年前からさっぽろ雪まつりの「さよならステージ」がなくなり、各丁目の雪像製作責任者の紹介や、ミスさっぽろの引継式が観られなくなった。これが感動的だったのに、まことに遺憾だ。
現在はNatsuki&ブライトが、その代わりになっているわけだ。
ちょっと時間があるので、6丁目でラーメンでも食いたい。しかし人気店の前には、観光客が列を作っている。さすがに旭川と違い、この時間でもさっぽろ雪まつり会場は盛況だ。
すぐ食べられそうなところは、1杯700円である。言っちゃあ悪いが、出店で700円のラーメンは食べたくない。
私は大通会場を離れ、近くのコンビニで105円のおにぎりを買った。これで小腹を満たして、十分である。
8時、Natsuki&ブライトのステージが始まった。Natsukiは、さっぽろテレビ塔の近くで歌の教室をやっている。今年もそこの講師陣と生徒、総勢10数名を引き連れての登場だ。
まずは「ハレルヤ」を陽気に歌いあげる。私も手拍子を叩いて応援する。昨年もまったく同じ状況だったが、札幌も夜8時を過ぎると寒さが厳しくなり、体を動かさないとやってられないのだ。しかし今年は、最後まで手袋をしなかった。
続いて、映画「天使にラブソングを」の挿入歌をテンポよく歌い上げる。振りつけが全員ピッタリなのが素晴らしい。たとえば女流棋士会のファンクラブイベントでも、若手の何人かで、振りつけのあるポップスを歌ってみる手はあると思う。チームワークの良さがアピールでき、感動も呼ぶはずだ。
続いて「虹と雪のバラード」を、Natsukiと3人の講師陣で歌う。これがまた、おひねりを投げたいくらいの素晴らしい出来だった。講師陣のバックコーラスが絶品で、私は涙が出てくるのを抑えられなかった。やっぱりこの歌はいい。
「また来年のさっぽろ雪まつりでお会いしましょう!」
とNatsukiがまとめて、大通公園のステージはすべて見終わったはず…だった。
ところが4丁目を通ると、ハイティーンの女子がライブを行っていた。そういえば先ほど、制服の女子がこの付近でチラシを配っていたが、あれがそうだったのか。
しかしパンフレットには出ていなかったから、ゲリラライブ的な要素があったと思われる。
女子らは総勢16人いた。高校の制服や体操着、アイドル系の衣装などバラバラなのだが、それが妙な統一感を醸し出している。しかも制服などはコートなし、そのままなのだ。女子高生に冬の寒さは無縁らしい。女子高生万歳!! と叫びたくなるところである。
彼女らはAKB48の「永遠プレッシャー」を、本物顔負けに歌う。彼女らは撮影OKらしく、こーんな長いレンズを装着したカメラ小僧が、彼女らを激写し続けている。その傍らでは、彼女らの追っかけと思しき青年団が、「○○ちゃーーん!!」と雄叫びをあげ、一緒に踊っている。日本の文化を見る思いだ。
彼女らがノリノリで、体を一回転させる。…えっ?? いま、白いものが!? パンツ丸見えじゃねえの!? アンダースコート!? 本物!?
彼女らは、そんな細かいことはどうでもいいのである。見たければ見るがいいさ、という姿勢なのだ。まことに素晴らしい。最後の最後に来て、何だかスゴイ光景を見てしまった。ありがとう、ありがとう。
名残惜しいが、私はその場を離れる。最後のお楽しみ、「すすきの氷の祭典」も観なければいけない。
すすきのに着き、氷像を鑑賞する。これもとくに新鮮味はなく、旭川の氷像に比べて立体感もないが、力作ぞろいなのに変わりはない。今年はとくに、氷のツヤがよく映えている。
半分ぐらい観たときだったか。ツルッ! 足元がすべり、尾てい骨をしたたかに打った。足元が氷状になっていたのだ。
係の人は滑り止めの砂を撒いているのだが、ちょっと効果がなかったようだ。一周して戻ってくると、同じ場所で、今度は女の人がすべっていた。
氷像の鑑賞はこれで終了。私は痛みを堪えて、近くの蕎麦屋に入る。時刻は9時半にならんとしているが、雪まつり期間につき営業を延長しているのだろう。感心である。
私はもちろんもりそばを頼み、ズルズルッ。札幌…というか、北海道の代表的食物はラーメンというイメージがあるが、ラーメンはともかく、北海道の日本蕎麦は外れたことがない。どこも美味い。この店ももちろん、美味かった。
腹もくちて、表へ出る。これで、今年の冬まつり旅行は終了である。ああ、今年も楽しかった。来年もまた、この時期に来られればうれしい。
しかしこれから先の私の人生は、茨の道だ。私は一抹の寂しさを覚え、地下街へ降りた。
(つづく)
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