一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

社団戦第1日(前編)

2011-06-30 00:57:58 | 社団戦
26日(日)は、社団戦の第1日だった。当日は午前10時に現地集合だったが、朝グズグズしていたら、けっこう厳しい時間になってしまった。私は人との待ち合わせには遅れないが、罰則がない場合は、のんびりする傾向がある。
会場のエレベーターに乗る時、中倉彰子女流初段に「おはようございますー」と声を掛けられた。たまたまいっしょになったようだ。
LPSAきっての人気女流棋士に、挨拶をしていただける将棋ファンが、全国にどれだけいるだろう。これだけを取っても、私が恵まれた環境にいることが分かる。LPSAの名に恥じないためにも、今年も昇級を勝ち取らねばならぬ。
朝から縁起よく5階の会場に着くと、すでにLPSA星組メンバーは揃っていて、私が最後だった。いま思えば、ここですでに気合負けしていたのかもしれない。星組メンバーはY総監督、W・Hanaちゃん、Wパパ、T・K、Sa、ミスター中飛車、Fuj、Idの各氏。早速2番のゼッケンを受け取り、所定の席に座った。
私の右は、大将のWパパ。左は三将のT・K氏。四将以降も錚々たる顔ぶれで、すごいメンバーだ。私は社団戦に参加して3年目になるが、年々戦力が増強されていると感じる。今年はとくに頼もしい。
私はふだん扇子を持たないが、社団戦では御守がわりに持つことにしている。今回は藤森奈津子女流四段、船戸陽子女流二段、島井咲緒里女流初段の直筆扇子を持参した。いずれもLPSAリーグ戦で優勝したときの副賞だ。
東京アマチュア将棋連盟理事長、LPSA代表理事・石橋幸緒女流四段の開会の辞を背中で聞いたのち、対局開始となった。
偶数の先手になり、私は先手となった。盤の手前に藤森女流四段の扇子を置き、▲7六歩。△3四歩▲2六歩△5四歩。やれやれ、ゴキゲン中飛車か。私は超速▲4六銀で行く。
中盤の入口、▲3四歩(疑問手)△2二角を利かせて、▲4六銀と引く。△同銀▲同歩。ここで後手が△5六飛と走ってくるかと思いきや、△5四飛と浮いたので、私は▲4五銀と打ったが、△5一飛▲4七金に△3五歩と銀の退路を断たれ、次に△4四歩の銀殺しを見せられては忙しくなった。
ここから局面が進んで、下の場面。

先手・一公:1七歩、1九香、2九桂、3五歩、4五歩、4六金、5六歩、5八飛、6六香、6七歩、6八金、7七歩、8七歩、8八玉、8九桂、9七歩、9九香 持駒:角、桂、歩2
後手:1三歩、2三歩、2四角、2七銀、3三金、4三歩、5一飛、6一金、6三銀、6四歩、7二銀、7三歩、8一桂、8二王、8三歩、9一香、9三歩 持駒:銀、歩

▲6六香△2四角▲3五歩△6四歩まで。…のように思ったが、△2四角のときに▲6三香成はなかったか。この局面は合っているが、その前の手順は違ったかもしれない。
ここから▲6四同香△同銀▲4二角△6五銀▲5一角成△同金▲1一飛△3二金と進み、そこから▲2一飛成としたが、手順に△3一香と固めさせてよくなかった。
W氏がまさかの投了を告げた。芝浦サロン最強のW氏に土が着くとは、4部はどのくらいハイレベルなんだと思う。私も苦戦が続いていて、これは厳しくなった。
局面は終盤にさしかかっている。▲2九桂、△2八竜、3六馬、4六角の局面で、私は▲3七銀と打つ。竜、馬、角の三方取りだ。後手氏、時間いっぱい考えて△3七同角不成と指し、チェスクロックのボタンを叩いた。「不成」とは、駒を裏返す時間がなかったのだ。
ところが時計を見ると、私の時間が「0」になっている。これは…? 
私はとりあえず「負けました」と投了したが、どうも釈然としない。自分では秒読みに突入した意識がなかったから、秒読みの音も聞こえなかった。
しかし、状況は私のボタンの押し忘れを示している。では▲3七銀と打ったときだ。後手氏は、私の秒読み音を聞いていたのだ。そこで着手後自分のボタンを叩いたが、私の秒はかまわず進み、私の時間切れが成立したのだろう。
時計の押し忘れは、3年連続3回目。一体何回、同じ過ちを繰り返すのだ。私が耳鳴り持ちということはあるが、秒読みの音が聞こえない、というほどではない。ただ、押し忘れた3回はいずれも劣勢で、局面に集中し過ぎていたキライはある。これも社団戦の恐ろしさだ。
後手氏は何か感想をしゃべっているが、私は上の空だ。投了の局面は私の銀損だったから、不利は不利。しかしお互い秒読みでは、この先何が起こるか分からない。しかし時間切れでは、一縷の望みも断たれる。まったく痛い敗戦で、ただただ放心していた。
私が黙りこくっているので、後手氏もアイソを尽かして、感想を切り上げる。後手氏には申し訳ないが、私も中途で終わった将棋の感想戦など、する意味を感じなかった。
大将と副将が負け、2敗が確定。これでは1回戦の勝利はむずかしいだろうと思いきや、チームは5勝2敗で勝利していた。つまり、三将以下が全勝したのだ。
これでは大将と副将の存在意義がまるでないが、皮肉なことに、この星が今年のLPSA星組の特徴を端的に表した、ともいえる。すなわち、出場メンバーに実力の差がほとんどない、ということだ。大将と副将がさえなくても、それを補って余りある力が、三将以下にはある。
私は時間切れで負けていながら、昇級への手応えをハッキリと感じ取った。
(つづく)

Y氏とジョナ研メンバーへお詫び。ジョナ研でY氏は、「棋譜を持参すること」と言っているのみだった。それを「自慢の一局」と拡大解釈したのは私。したがって棋譜自体は、何でもよかった。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジョナ研に行く。Ayakoさんの笑顔。

2011-06-29 00:06:44 | ジョナ研
24日(金)は、月に1度のお楽しみ、「駒込ジョナサン研究会」こと、通称「ジョナ研」に行ってきた。
「ジョナサン」とは、LPSAが駒込にあったころ、金曜サロンが終わったあと、みんなで食事をしに行ったファミリーレストランの名前である。そして「ジョナ研」とは、LPSAが芝浦に移転したあとも駒込への思い断ち難い金サロメンバーが、ジョナサン駒込店に集合して将棋談議に花を咲かせる、というものである。
金サロ時代は、植山悦行手合い係を囲んでの食後の将棋談議は、とても楽しい時間だった。ジョナ研では植山七段はいないが、その代わり、私たちのマドンナであるウエイトレス・Ayakoさんの人懐こい笑顔が、一服の清涼剤となっている。
当日は午後6時半開会。しかし12時まで行う予定なので、急いで店に入る必要はない。この日のLPSA芝浦サロンは石橋幸緒女流四段の担当だったが、1局だけ指して田町→駒込と東京を縦断したくはないので、今回は自宅から直接ジョナサンに向かうことにした。
健康のため、徒歩で向かうつもりだったが、フジテレビ系「ペケポン!2時間スペシャル」を観ていたらこれが面白く、つい見過ぎてしまい、結局JRで行くことになった。
時計ははめてないが、8時半には入ったと思う。奥のテーブルに向かうと、金サロ有志が、早速将棋の研究をしていた。いまさらだが、駒込ジョナサンは、将棋を指していても多めに見てくれるのだ。ありがたいことである。ジョナサン万歳!!
参加メンバーは、W、Kun、R、Hon、Yの各氏だった。今回はY氏の発案により、事前に宿題が出されていて、「私の自慢の一局」を持参することになっていた。
いまはKun氏の将棋が並べられていたようだった。あとで聞くと、これは大野八一雄七段との角落ち戦だった。もちろんKun氏の快勝で、大野七段に角落ちで勝つとは、さすがにKun氏である。
Y氏の将棋が並べられる。「将棋倶楽部24」で指した将棋らしい。見ると、Y氏が石田流に構え、▲7四歩と突き捨ててから▲5八玉と立った。
まあ序盤だから、このあたりはスラスラ進むだろうと思いきや、みんなは▲7四飛と走る変化を延々とやっている。私は、Ayakoさんが運んでくれたパスタを食している最中だったので横目で見るだけだったが、全然先に進まないので、さすがに異を唱えた。
「ちょっとY氏、早く先に進めてくれよ!!」
「私はこのあたりを研究したいんですよ」
「はああ? それじゃ自慢の一局の披露になんねえじゃんかよっ!!」
「この変化は社団戦に出ますよ。それを勉強しておきたいんですよ」
な、何を言ってるんだY氏。社団戦は2日後。重要変化を勉強したい気持ちは分かるが、「自慢の一局」を提案したのはY氏ではないか。しかも彼は、「棋譜を忘れたら入場をご遠慮していただく場合があります」というジョークまで飛ばしていたのだ。これでは、マジメに棋譜を用意してきた者がバカみたいである。
結局、Y氏の一局は、最後まで並べられることはなかった。これなら最初から、棋譜の持参など呼びかけなければよかったのだ。
私の「自慢の一局」は、上田初美・現女王との将棋。さて並べよう、というところで、Kun氏が退席。残念だが、ジョナ研は、いつ来てもいいし、いつ帰ってもいいのだ。
この将棋は、女流棋士スーパーサロンで初めて教えてもらったときのもの。終盤、△7一金と竜取りに打たれたところで、竜を逃げずに▲9三銀と放り込んだのが会心の一手。以下△9三同王▲8五桂△8二王に、▲9三金の退路封鎖が第二の鬼手。やむない△9三同香に▲7三桂成が最後の好手だった。
いま思い返してもホレボレする順で、本当にあのころの私は強かった。もちろん上田女流二段(当時)も強く、将来のタイトル獲得は確実、と確信したものだった(この模様の詳細は、2010年11月16日アップ・「会心の一手」(カテゴリー・将棋雑記)に詳しい)。
私の頼りない「解説」を聞いて、
「大沢さん、こんなに終盤が強いのに、どうして大野先生に勝てないの」
とR氏がきつい一言を言う。終盤が強いかどうかはともかく、たしかに大野七段との角落ち戦は11連敗中で、ひどい成績ではある。
このあとは、R氏、W氏の棋譜が並べられる。しかしこれらも、到底「自慢の一局」とは思えぬ将棋だった。
結局、会がひけたのは12時だった。会計時に、仕事を終えて店を出るところだったAyakoさんとバッタリ。私服もまたかわいらしい。
「もうお帰りですか」
「電車がなくなりますので」
という平凡ながらうれしい会話をする。キュートキュートなAyakoさんは、私たちの間で人気急上昇だ。いまや彼女のいないジョナサンは考えられない。金サロ時代の私たちを知る彼女が、これからもジョナサンで働いてくれることを願ってやまない。
さて今回も5時間以上も粘って、会計は数千円だった。何という安さか。駒込ジョナサンにはまことに申し訳ないが、もう少しこの会を続けていきたい。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワインサロンは大入り満員!!

2011-06-28 00:11:48 | LPSA木曜ワインサロン
23日(木)は、LPSA木曜ワインサロンに行った。木曜ワインサロンとは、ソムリエでもある船戸陽子女流二段がおすすめのワインを提供し、ワイン講座のあとに指導対局も行うという、ワインと将棋好きにはたまらない企画である。
4月からのクールは全6回で今回が最終。私は5月26日の回以外は全部参加したことになった。これをどう考えるべきか。
開会の午後7時少し前に入ると、先客が3人いた。うちひとりは女性である。LPSAのイベントでよく見かける方だ。
船戸女流二段はこの日の昼、日レスインビテーションカップ女流棋士トーナメントで中倉宏美女流二段と対戦し、勝利を収めていた。私がお祝いを述べると、まんざらでもない顔だ。これでいい。勝つと負けるとでは、あとの指導対局の厳しさが違う。
やがてKun氏、K・T氏らが入室し、客は7人になった。定員の5名を越える大入り満員である。
ワイン好きの客には、船戸さんのワインのチョイスも楽しみなのだろうが、私はまだその境地に達していない。今回は前回に続き、フランス・ロワール川河口のナンテ地区で生産されているワインが出された。銘柄は「グロブラン」。前回は「ミュスカデ」だったが、ブドウの品種が違うらしい。
「まずは一口飲んでみてください」
と船戸さんに促され、私は一口味わう。前回との味の違いを見るのだ。前回の「ミュスカデ」は、「マスカット」が語源のごとく甘めだったが、今回の「グロブラン」はキリッとして、酸味が強い。まるでレモンのようだった。しかし私はこのくらいの硬派な味のほうが好きだ。
ちなみに「グロブラン」は岩ガキによく合うらしい。保存時は8℃が適温とのこと。さすがはソムリエ、なかなか細かい。
というところで、指導対局に入る。私の右にはKun氏が座っていた。私は角道を止める三間飛車。昼の宏美女流二段が三間飛車だったので、それに倣った。Kun氏は3手目に▲7五歩とする石田流三間飛車。同じ三間飛車でも、居飛車党と振り飛車党の指すそれは味が違う。最近は、それぞれに違う将棋を指す船戸女流二段、きょうは7面指しだったので、戦形の選択にも苦労したようだ。
私には、△5三銀左の急戦だった。穴熊党の船戸女流二段には珍しいが、昼の日レスカップも、この対抗法だった。急戦を指す、ニュースタイルの船戸女流二段はステキだ。
船戸女流二段はすぐに△6五歩と仕掛けず、△7三銀を挟んでから△6五歩ときた。数手後、私は▲4五桂と銀取りに跳ねる。高美濃囲いで▲3七桂と跳ねると守りが三割弱くなるらしいが、それを4五まで跳ねてしまうのだから、下手としても決断の一手だ。
△6四銀▲6五歩△7七角成▲同桂△7三銀引。角は交換されたものの、1歩ドクし、上手の銀を7三に追いやれては、私が指しやすくなったのだろう。この局面が下。

上手・船戸女流二段:1一香、1四歩、2一桂、2三歩、3二王、3四歩、4二金、4三歩、5二金、5四歩、6二銀、7三銀、7四歩、8一桂、8二飛、8五歩、9一香、9四歩 持駒:角
下手・一公:1六歩、1九香、2七歩、2八玉、3六歩、3八銀、4五桂、4六歩、4七金、4九金、5六歩、6五歩、6七銀、6八飛、7六歩、7七桂、8七歩、9七歩、9九香 持駒:角、歩

ここで私は▲5五歩と突いた。△同歩なら▲5四歩と垂らして下手おもしろいが、上手はもちろんこの歩は取らず、△4四歩。以下▲5六銀△5五歩▲同銀△4五歩と無条件で桂を取られ、下手が不利になった。
▲5五歩では、▲6六角と打つのだった。対局中は△4四角▲同角△同歩で下手わるいと読みを打ち切ったのだが、△4四角には▲5五歩と突く手があった。これに△同歩なら▲5四歩。△5五同角でも▲同角△同歩▲5四歩で、下手がおもしろかった。
ゆえに▲5五歩には△6三銀と上がるのだろうが、それはそれでむずかしい戦いか。しかし本譜よりはマシだったと思う。
本譜△4五歩のあとも、私のむずかしい形勢が続いたが、私の勝負手に船戸女流二段が応手を誤り、最後は私が辛勝した。
Kun氏は、棋風どおりのびのびと捌いていた。私と似たような進行だったのがおもしろかった。
先ほどの女性は、平手で優勢に進めていたようである。女性が将棋に目を向けるのは、いいことだ。
7面指しは上手にとってかなりキツイ局数だが、船戸女流二段は、それを微塵も感じさせない、軽快な指し手だった。やはりプロだと思った。
さて木曜ワインサロンは好評のため、とりあえず来月も継続されることになった。7月は7日と21日とのことだ。私が参加するかどうかは未定である。
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

速報!社団戦

2011-06-27 00:34:35 | 社団戦
きのう26日は社団戦に参加してきた。もう疲労困憊なので、詳細は後日に回し、結果だけを簡単に書いておく。私が入った4部・LPSA星組は、5-2、2-5、6-1、5-2の3勝1敗。個人では、すべて副将で出場し、●●○●の、1勝3敗だった。5部・LPSA月組は2勝2敗だった。
星組総合10敗のうち、私だけで3敗も叩きだすひどさ。もう、どうしようもない。やってることが、バカすぎる。
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日、対局

2011-06-26 02:07:25 | 社団戦
今年もこの季節がやってきた。渡部愛ツアー女子プロ・18歳の誕生日である、きょう6月26日は、第22回社会人将棋団体リーグ戦(社団戦)の第1日目である。私は今期もLPSAから参加依頼をされ、ありがたく承諾した。こういった真剣勝負の場は私には向かないから、本音は皆さんの戦いぶりを見学するだけに留めたいのだが、なかなかそうもいかないようだ。
今期はLPSA星組が4部、月組が5部で出場する。ちょうど昇級組と降級組で、中井広恵女流六段と石橋幸緒女流四段の、女流名人位戦の関係を見ているようである。
LPSA総監督・Y氏の腹案では、星組と月組の実力比を、7:3くらいにしたかったようだ。私は当初月組に入る予定だったのだが、星組のエースであるKaz氏が第1日に参加できず、私が星組に回ることになった。
最初に決めたチームから第2日目以降に変えることはできないので、今期は私の星組が決定した。ほかの星組メンバー第1日は、Y総監督、W・Hanaちゃん。そしてWパパ、T・K、Sa、ミスター中飛車、Fuj、Idの各氏である。いずれも敵に回したら厄介な相手で、団体戦で自軍にいると心強い猛者ばかりだ。
ということは、星組も十分に3部昇級を狙えるということである。月組も、監督のHo氏を筆頭に、Natsukoさん、Mikaさんら実力者をそろえており、4部昇級も夢ではない。
私は4局指すことになるだろうが、後悔のない手を指すよう心掛けたい。星組の皆さん、月組の皆さん、きょうは持てる力をすべて出して、頑張りましょう。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする