作家の大崎善生氏が亡くなった。享年66歳。下咽頭がんだったそうである。
大崎氏は「将棋世界」の元編集長で、村山聖九段の生涯を描いた「聖の青春」、奨励会を退会した青年を描いた「将棋の子」は話題になった。
といっても私は大崎氏の小説はまったく読んだことがなく、2003年に上梓されたエッセイ「編集者T君の謎 将棋業界の愉快な人びと」くらいしか読んでいない。これは登場人物が面白いこともあるが、それを余すことなく活写した大崎氏の文章力が素晴らしく、将棋ファン必読の書である。
私生活では2003年に、高橋和女流三段と結婚した。どうであろう。将棋専門誌の編集長を務め、作家として多くの作品を発表し、極め付きは美人女流棋士と結婚する。将棋愛好家としてこれ以上ない人生だと思う。
だが、がん発症はその人生設計にはないイレギュラーなものだった。ネットで「藤井聡太七冠への祝辞」の記事を読んだが、これは半分「遺書」である。大崎氏はおのが命運を悟りながらも、冷徹な目で現状のすべてを綴った。
いまごろは、村山九段に挨拶をしているのだろうか。伝説の名編集者に、合掌。
大崎氏は「将棋世界」の元編集長で、村山聖九段の生涯を描いた「聖の青春」、奨励会を退会した青年を描いた「将棋の子」は話題になった。
といっても私は大崎氏の小説はまったく読んだことがなく、2003年に上梓されたエッセイ「編集者T君の謎 将棋業界の愉快な人びと」くらいしか読んでいない。これは登場人物が面白いこともあるが、それを余すことなく活写した大崎氏の文章力が素晴らしく、将棋ファン必読の書である。
私生活では2003年に、高橋和女流三段と結婚した。どうであろう。将棋専門誌の編集長を務め、作家として多くの作品を発表し、極め付きは美人女流棋士と結婚する。将棋愛好家としてこれ以上ない人生だと思う。
だが、がん発症はその人生設計にはないイレギュラーなものだった。ネットで「藤井聡太七冠への祝辞」の記事を読んだが、これは半分「遺書」である。大崎氏はおのが命運を悟りながらも、冷徹な目で現状のすべてを綴った。
いまごろは、村山九段に挨拶をしているのだろうか。伝説の名編集者に、合掌。