日付変わってきょうは4年に一度訪れる2月29日。きょう誕生日の有名人は、1968(昭和43)年生まれの飯島直子。元祖癒し系タレントだ。
ところで2月29日生まれの人は、うるう年以外の年は、何月何日にひとつ歳を取るのだろう? 2月28日だろうか。3月1日だろうか。
2月28日の24時と3月1日の0時のスキ間に2月29日が挟まっているので、3月1日にひとつ歳を取る、と私は考える。
(きのうのつづき)
Hon-Kaz戦は、先手Hon氏の三間飛車穴熊に、Kaz氏の居飛車銀冠。予想された戦型だが、意外だったのは、Hon氏が「▲2八銀・▲3九金・▲4八金左」という、教科書どおりの囲いをしていたこと。
いつもは穴に潜ったあと▲2八銀と締まらず▲3八金で済ませ、左金は6七に据えるのだ。2八の空間には、後手に攻められたときに駒を入れて補強する、という考え。これがHon流変態三間飛車穴熊なのである。
ところできょうの5人でジョナ研を開いたことはあるのか。Fuj氏の調べでは、W氏が休みなので、この組み合わせは初めてとのこと。
ちなみに先週19日(日)の大野食事会のメンバーだった大野八一雄七段、植山悦行七段、W氏、Hon氏、Fuj氏、Minamiちゃん、私の組み合わせは、5日(日)のメンバーとまったく同じだったという。
最近はMinamiちゃんの出席率が高く、私以外のほかの生徒も大野教室のレギュラーなので、起こるべくして起こったようだ。
Hon-Kaz戦は中盤の難所。Kaz氏が飛頭に△7七歩と叩いた。Hon氏は▲同飛だが、△5六歩と突きだした手が、▲5七角取り。△3三の角も▲7七飛に当たっており、これは大変なことになった。
6五に敵歩がいるので▲6六角と上がれず、▲6八角も△5七歩成があるので、ここでHon氏が投了した。
感想戦に入るが、一手ポッキリで終わったため、検討のしどころは満載だ。私も口を挟む。みんな棋風が違うから、いろいろな見解が出て面白い。
興味深かったのは、変化の▲8五桂跳ねを、Fuj氏は「ソッポ」と見、Kun氏は「味がいい」と見たことだ。
振り飛車で▲8五桂はたまに見る手で、ここまで跳んだ桂はまず死なない。この場合後手の桂はたいてい△8一で、先手は最悪でもこの桂と交換になる。
よってここは、Kun氏の見解が正しい。
ここでHon氏は退席。また大野教室で会いましょう。
2局目はKun-Fujの対決。これも面白い取組である。
Fuj氏の先手で、相掛かり調に進む。▲2四同飛~△8六同飛に、Fuj氏は「横歩を取らねば男じゃない」と▲3四飛と取ったが、これが敗着。Kun氏に△3三桂と跳ばれ、すべて終わった。
むろん一般的にはこれからの将棋だが、ふたりに限っていえば、この形の経験値が違いすぎる。実戦もKun氏の快勝だった。
ここでKun氏も退席。きょうは誕生日だったのに私たちは何のおかまいもできず、それどころかいつものようにKun氏は、多めにおカネを置いていってくれた。Kun氏には申し訳なかったと思う。
まだ将棋を指し足りないKaz氏、今度は私との将棋となった。Kaz氏は難敵だが、挑まれた以上、私も応じないわけにはいかない。
深々とお辞儀をして対局開始。ファミレスの一隅に、異様な緊張感が漂っていた。
Kaz氏の先手で、相掛かり模様になった。▲2四同飛に、私は△2三歩。前回ジョナサンで指したときと同じだ。
▲3四飛~△2五角にKaz氏は、▲3二飛成の定跡は知らないんだよなあ、と、これも前回と同じ▲3六飛。私は△同角~△2七飛と竜を作る。Kaz氏は▲2七角と打つ。
この数手後、前局で私は竜角交換から△2八角と打ってダメにしたので、持久戦模様に進めるが、Kaz氏にじりじりと押され、形勢を損ねた。
しかし△5五角の王手に▲7七銀と打ったのが固めすぎの緩手で、ここは▲7七銀(引)か▲7七桂ぐらいで、Kaz氏が優勢だった。
これでヨリを戻したかに見えたが、▲4五歩に△同金と取ったのが疑問。すかさず▲3四角と出られ、金取りと▲2三角成を見せられ、またこちらが悪くなった。
その局面が下である。
先手・Kaz:1七歩、1九香、2六歩、3四角、3五歩、5七歩、6五歩、6七金、7七銀、7八金、8六銀、8七歩、8八玉、8九桂、9六歩、9九香 持駒:飛、歩
後手・一公:1一香、1四歩、2一桂、2四歩、3七馬、4二玉、4三歩、4五金、5二金、5三歩、6二銀、6三歩、7三歩、8一桂、8二飛、9一香、9四歩 持駒:銀、桂、歩3
ここから、△5五馬▲2三角成△3二銀▲2四馬△3三歩▲2二飛△3一桂▲5六金△同馬▲同歩△2三歩▲2五馬△1二金▲3二飛成△同玉▲8三銀△同飛▲6一角△8六飛▲5二角成△8二飛▲4二金△2二玉▲4一馬△7一飛▲3二馬△1三玉▲3一金、まで、Kaz氏の勝ちとなった。
△3三歩に▲2二飛が攻め急ぎの疑問手で、△3一桂と受けられてみると後続の攻めが難しい。次に△2三歩▲2五馬△3四歩の飛車取りがあるから、Kaz氏はしょうがない、と▲5六金。
これを私が△同馬と取ったのが悪手だった。ここはふつうに△同金と取り、▲同歩△同馬は、この馬が手順に2三に利いてくるので▲2三金がなく、後手が優勢だった。このとき、Fuj氏がトイレに行っていたが、戻ってきたら私の馬が盤上から消えていたので、何があったのかと驚いたという。
私は△2三歩だが、これも錯覚。最初の読みでは△2三金と打つつもりだったのだが、△2三歩で馬が死ぬと勘違いして、歩を打ってしまった。
しかしこれは当然、▲2五馬と逃げられる。私は動揺して△1二金だが、これも▲同飛成と取ってくれるわけもなく、3二の銀と交換されては、1二金がボケてしまった。
Kaz氏、▲8三銀からの攻めはずいぶん乱暴で、調べれば私の指し手に疑問符がいくつもつくのだろうが、対局中は△5六同馬~△1二金までの自分の指し手に嫌気がさし、粘りを欠いていた。▲3一金と桂を取られ、投了。
結果は負けたが、中盤では私が指せる場面もあり、アマチュアの対局では、横歩取り△2五角は後手も指せる、が持論である。
11時30分すぎに散会。Kaz氏は地下鉄の出入口に駆け降りていった。Kaz氏にはけっこう厳しい時間だった。それなのに彼は、直前まで熱心に感想戦を続けていた。みんな将棋バカだなあと思う。私も彼らの「将棋愛」に負けないようにしなければ。
ところで2月29日生まれの人は、うるう年以外の年は、何月何日にひとつ歳を取るのだろう? 2月28日だろうか。3月1日だろうか。
2月28日の24時と3月1日の0時のスキ間に2月29日が挟まっているので、3月1日にひとつ歳を取る、と私は考える。
(きのうのつづき)
Hon-Kaz戦は、先手Hon氏の三間飛車穴熊に、Kaz氏の居飛車銀冠。予想された戦型だが、意外だったのは、Hon氏が「▲2八銀・▲3九金・▲4八金左」という、教科書どおりの囲いをしていたこと。
いつもは穴に潜ったあと▲2八銀と締まらず▲3八金で済ませ、左金は6七に据えるのだ。2八の空間には、後手に攻められたときに駒を入れて補強する、という考え。これがHon流変態三間飛車穴熊なのである。
ところできょうの5人でジョナ研を開いたことはあるのか。Fuj氏の調べでは、W氏が休みなので、この組み合わせは初めてとのこと。
ちなみに先週19日(日)の大野食事会のメンバーだった大野八一雄七段、植山悦行七段、W氏、Hon氏、Fuj氏、Minamiちゃん、私の組み合わせは、5日(日)のメンバーとまったく同じだったという。
最近はMinamiちゃんの出席率が高く、私以外のほかの生徒も大野教室のレギュラーなので、起こるべくして起こったようだ。
Hon-Kaz戦は中盤の難所。Kaz氏が飛頭に△7七歩と叩いた。Hon氏は▲同飛だが、△5六歩と突きだした手が、▲5七角取り。△3三の角も▲7七飛に当たっており、これは大変なことになった。
6五に敵歩がいるので▲6六角と上がれず、▲6八角も△5七歩成があるので、ここでHon氏が投了した。
感想戦に入るが、一手ポッキリで終わったため、検討のしどころは満載だ。私も口を挟む。みんな棋風が違うから、いろいろな見解が出て面白い。
興味深かったのは、変化の▲8五桂跳ねを、Fuj氏は「ソッポ」と見、Kun氏は「味がいい」と見たことだ。
振り飛車で▲8五桂はたまに見る手で、ここまで跳んだ桂はまず死なない。この場合後手の桂はたいてい△8一で、先手は最悪でもこの桂と交換になる。
よってここは、Kun氏の見解が正しい。
ここでHon氏は退席。また大野教室で会いましょう。
2局目はKun-Fujの対決。これも面白い取組である。
Fuj氏の先手で、相掛かり調に進む。▲2四同飛~△8六同飛に、Fuj氏は「横歩を取らねば男じゃない」と▲3四飛と取ったが、これが敗着。Kun氏に△3三桂と跳ばれ、すべて終わった。
むろん一般的にはこれからの将棋だが、ふたりに限っていえば、この形の経験値が違いすぎる。実戦もKun氏の快勝だった。
ここでKun氏も退席。きょうは誕生日だったのに私たちは何のおかまいもできず、それどころかいつものようにKun氏は、多めにおカネを置いていってくれた。Kun氏には申し訳なかったと思う。
まだ将棋を指し足りないKaz氏、今度は私との将棋となった。Kaz氏は難敵だが、挑まれた以上、私も応じないわけにはいかない。
深々とお辞儀をして対局開始。ファミレスの一隅に、異様な緊張感が漂っていた。
Kaz氏の先手で、相掛かり模様になった。▲2四同飛に、私は△2三歩。前回ジョナサンで指したときと同じだ。
▲3四飛~△2五角にKaz氏は、▲3二飛成の定跡は知らないんだよなあ、と、これも前回と同じ▲3六飛。私は△同角~△2七飛と竜を作る。Kaz氏は▲2七角と打つ。
この数手後、前局で私は竜角交換から△2八角と打ってダメにしたので、持久戦模様に進めるが、Kaz氏にじりじりと押され、形勢を損ねた。
しかし△5五角の王手に▲7七銀と打ったのが固めすぎの緩手で、ここは▲7七銀(引)か▲7七桂ぐらいで、Kaz氏が優勢だった。
これでヨリを戻したかに見えたが、▲4五歩に△同金と取ったのが疑問。すかさず▲3四角と出られ、金取りと▲2三角成を見せられ、またこちらが悪くなった。
その局面が下である。
先手・Kaz:1七歩、1九香、2六歩、3四角、3五歩、5七歩、6五歩、6七金、7七銀、7八金、8六銀、8七歩、8八玉、8九桂、9六歩、9九香 持駒:飛、歩
後手・一公:1一香、1四歩、2一桂、2四歩、3七馬、4二玉、4三歩、4五金、5二金、5三歩、6二銀、6三歩、7三歩、8一桂、8二飛、9一香、9四歩 持駒:銀、桂、歩3
ここから、△5五馬▲2三角成△3二銀▲2四馬△3三歩▲2二飛△3一桂▲5六金△同馬▲同歩△2三歩▲2五馬△1二金▲3二飛成△同玉▲8三銀△同飛▲6一角△8六飛▲5二角成△8二飛▲4二金△2二玉▲4一馬△7一飛▲3二馬△1三玉▲3一金、まで、Kaz氏の勝ちとなった。
△3三歩に▲2二飛が攻め急ぎの疑問手で、△3一桂と受けられてみると後続の攻めが難しい。次に△2三歩▲2五馬△3四歩の飛車取りがあるから、Kaz氏はしょうがない、と▲5六金。
これを私が△同馬と取ったのが悪手だった。ここはふつうに△同金と取り、▲同歩△同馬は、この馬が手順に2三に利いてくるので▲2三金がなく、後手が優勢だった。このとき、Fuj氏がトイレに行っていたが、戻ってきたら私の馬が盤上から消えていたので、何があったのかと驚いたという。
私は△2三歩だが、これも錯覚。最初の読みでは△2三金と打つつもりだったのだが、△2三歩で馬が死ぬと勘違いして、歩を打ってしまった。
しかしこれは当然、▲2五馬と逃げられる。私は動揺して△1二金だが、これも▲同飛成と取ってくれるわけもなく、3二の銀と交換されては、1二金がボケてしまった。
Kaz氏、▲8三銀からの攻めはずいぶん乱暴で、調べれば私の指し手に疑問符がいくつもつくのだろうが、対局中は△5六同馬~△1二金までの自分の指し手に嫌気がさし、粘りを欠いていた。▲3一金と桂を取られ、投了。
結果は負けたが、中盤では私が指せる場面もあり、アマチュアの対局では、横歩取り△2五角は後手も指せる、が持論である。
11時30分すぎに散会。Kaz氏は地下鉄の出入口に駆け降りていった。Kaz氏にはけっこう厳しい時間だった。それなのに彼は、直前まで熱心に感想戦を続けていた。みんな将棋バカだなあと思う。私も彼らの「将棋愛」に負けないようにしなければ。