今年度も第76期順位戦が滞りなく終わった。…いや、一部滞りがあり終わった。
当ブログでは昨年6月7日に、名人挑戦者および各クラスの昇降級者の予想を行った。今日はその答え合わせをしよう(◎印が正解)。
A級
名人挑戦…羽生善治三冠→◎羽生善治竜王(6勝4敗・プレーオフ2勝)
降級…行方尚史八段、佐藤康光九段、三浦弘行九段→渡辺明棋王、◎行方尚史八段、屋敷伸之九段
【予想コメント】
名人挑戦は羽生三冠とした。佐藤天彦名人と稲葉陽八段にはわるいが、20代同士の名人戦だと、新人王戦に思えて仕方がない。対局者の片方は実績のある棋士を望む。
降級者はまったく分からなかった。
【結果】
A級は空前絶後の6者プレーオフ。大混戦となったが、抜け出したのは羽生竜王。やはり順位上位のアドバンテージは大きかった。
私は最終的に予想が当たってラッキー。しかし「将棋世界」の予想クイズでは、豊島将之八段にして、外れた。
降級の1人は、まさかの渡辺棋王。30代の永世竜王が降級する。A級のレヴェルの高さが窺える。
B級1組
昇級…糸谷哲郎八段、斎藤慎太郎七段→◎糸谷哲郎八段(8勝2敗)、阿久津主税八段(6勝4敗)
降級…谷川浩司九段→丸山忠久九段
【予想コメント】
「A級2組」であるB級1組は、昇降級者がまったく分からない。しかも降級者は1人で、いったい誰を選んだらいいのか。
候補に挙げた棋士は私の「カン」で、別日に予想を行えば、別の名前が挙がるだろう。
【結果】
糸谷八段が2局を残して昇級を決めたが、残り1席が大激戦。阿久津八段が抜けたが、こちらも6勝4敗。A級もそうだが、実力が拮抗していると、こんな数字になるのだ。
それにしても、順位1枚の差が大きい。これだから順位戦は、1勝でもおろそかにできないのだ。
降級の丸山九段は意外。名人経験者のB級2組降級は、加藤一二三九段に次いで2人目となってしまった。
でも来期はすぐに戻ってくるだろう。
B級2組
昇級…澤田真吾六段、中村修九段→野月浩貴八段(10勝0敗)、畠山鎮七段(9勝1敗)
【予想コメント】
昇級候補の1人は澤田六段。王位戦の活躍や、先の藤井聡太四段戦での将棋を評価した。
もう1人は中村九段とした。当予想はニュートラルで行っているのだが、今回は多少の期待と願望を入れた。
【結果】
昨年5月、LPSAの10周年記念パーティーにお邪魔した際、中村九段と話す機会があった。その時中村九段が「初戦の太地戦を勝てば…(昇級も夢ではない)」と語ったので、期待もこめて1票を入れた。
しかし中村九段は中村王座に負け、以下もズルズルと負け1勝5敗。大きく期待を裏切ってくれた。とはいえ後半の4局は連勝し、イーブンにもっていったのは見事だった。
一方、野月八段の10戦全勝は見事。言っちゃあなんだが、まさか野月八段が全勝で抜けるとは思わなかった。
ほか、畠山七段の昇級は順当なところか。順位1位からの復帰はよくあるのだ。
もし中村九段を推さなければ、畠山七段を…とも思っていたが、もう言うまい。
C級1組
昇級…永瀬拓矢六段、千田翔太六段→◎千田翔太六段(10勝0敗)、◎永瀬拓矢七段(9勝1敗)
【予想コメント】
永瀬六段と千田六段は実力者で、その証拠に、クラスと段位がかみあっていない。順位も1位と2位で、直接対決もないことから、今期はこの2人でキマリであろう。
【結果】
予想コメントの通りで、とくに述べることもない。
今回は9勝1敗者が3人出て、2人上がれなかった。制度だからといえばそれまでだが、勝率9割で現状維持なんて、こんな世界があるだろうか。「それだけ厳しい世界なんだ」というのとは、ちょっと違うと思う。
C級2組
昇級…梶浦宏孝四段、増田康宏四段、藤井聡太四段→◎藤井聡太四段(10勝0敗・五段に)、都成竜馬四段(8勝2敗・五段に)◎増田康宏五段(8勝2敗)
【予想コメント】
1人は藤井四段でキマリ。わるくても1敗だろう。
あとは本当に分からない。上位にいる梶浦四段、八代弥六段、増田四段、三枚堂達也四段、石井健太郎四段が候補だが、梶浦四段が2位、増田四段の対戦相手がわずかに緩い気がしたので、この2人にした。
【結果】
藤井六段の昇級は当然として、対抗に挙げた梶浦四段、八代六段、三枚堂六段はそれぞれ4勝6敗、5勝5敗、5勝5敗と、期待を裏切った。
順位戦で、2年連続で好成績を収めるのはむずかしいのだ。
そんな中、都成五段の昇級は見事。順位3位の都成五段を候補に入れなかったのは、不明だった。
増田五段の昇級は幸運だったが、なんであっても上がればいいのだ。
以上、今年度は14の予想で7つ正解。これは当たったほうであろう。
来年度はパーフェクトの正解を目指す。
当ブログでは昨年6月7日に、名人挑戦者および各クラスの昇降級者の予想を行った。今日はその答え合わせをしよう(◎印が正解)。
A級
名人挑戦…羽生善治三冠→◎羽生善治竜王(6勝4敗・プレーオフ2勝)
降級…行方尚史八段、佐藤康光九段、三浦弘行九段→渡辺明棋王、◎行方尚史八段、屋敷伸之九段
【予想コメント】
名人挑戦は羽生三冠とした。佐藤天彦名人と稲葉陽八段にはわるいが、20代同士の名人戦だと、新人王戦に思えて仕方がない。対局者の片方は実績のある棋士を望む。
降級者はまったく分からなかった。
【結果】
A級は空前絶後の6者プレーオフ。大混戦となったが、抜け出したのは羽生竜王。やはり順位上位のアドバンテージは大きかった。
私は最終的に予想が当たってラッキー。しかし「将棋世界」の予想クイズでは、豊島将之八段にして、外れた。
降級の1人は、まさかの渡辺棋王。30代の永世竜王が降級する。A級のレヴェルの高さが窺える。
B級1組
昇級…糸谷哲郎八段、斎藤慎太郎七段→◎糸谷哲郎八段(8勝2敗)、阿久津主税八段(6勝4敗)
降級…谷川浩司九段→丸山忠久九段
【予想コメント】
「A級2組」であるB級1組は、昇降級者がまったく分からない。しかも降級者は1人で、いったい誰を選んだらいいのか。
候補に挙げた棋士は私の「カン」で、別日に予想を行えば、別の名前が挙がるだろう。
【結果】
糸谷八段が2局を残して昇級を決めたが、残り1席が大激戦。阿久津八段が抜けたが、こちらも6勝4敗。A級もそうだが、実力が拮抗していると、こんな数字になるのだ。
それにしても、順位1枚の差が大きい。これだから順位戦は、1勝でもおろそかにできないのだ。
降級の丸山九段は意外。名人経験者のB級2組降級は、加藤一二三九段に次いで2人目となってしまった。
でも来期はすぐに戻ってくるだろう。
B級2組
昇級…澤田真吾六段、中村修九段→野月浩貴八段(10勝0敗)、畠山鎮七段(9勝1敗)
【予想コメント】
昇級候補の1人は澤田六段。王位戦の活躍や、先の藤井聡太四段戦での将棋を評価した。
もう1人は中村九段とした。当予想はニュートラルで行っているのだが、今回は多少の期待と願望を入れた。
【結果】
昨年5月、LPSAの10周年記念パーティーにお邪魔した際、中村九段と話す機会があった。その時中村九段が「初戦の太地戦を勝てば…(昇級も夢ではない)」と語ったので、期待もこめて1票を入れた。
しかし中村九段は中村王座に負け、以下もズルズルと負け1勝5敗。大きく期待を裏切ってくれた。とはいえ後半の4局は連勝し、イーブンにもっていったのは見事だった。
一方、野月八段の10戦全勝は見事。言っちゃあなんだが、まさか野月八段が全勝で抜けるとは思わなかった。
ほか、畠山七段の昇級は順当なところか。順位1位からの復帰はよくあるのだ。
もし中村九段を推さなければ、畠山七段を…とも思っていたが、もう言うまい。
C級1組
昇級…永瀬拓矢六段、千田翔太六段→◎千田翔太六段(10勝0敗)、◎永瀬拓矢七段(9勝1敗)
【予想コメント】
永瀬六段と千田六段は実力者で、その証拠に、クラスと段位がかみあっていない。順位も1位と2位で、直接対決もないことから、今期はこの2人でキマリであろう。
【結果】
予想コメントの通りで、とくに述べることもない。
今回は9勝1敗者が3人出て、2人上がれなかった。制度だからといえばそれまでだが、勝率9割で現状維持なんて、こんな世界があるだろうか。「それだけ厳しい世界なんだ」というのとは、ちょっと違うと思う。
C級2組
昇級…梶浦宏孝四段、増田康宏四段、藤井聡太四段→◎藤井聡太四段(10勝0敗・五段に)、都成竜馬四段(8勝2敗・五段に)◎増田康宏五段(8勝2敗)
【予想コメント】
1人は藤井四段でキマリ。わるくても1敗だろう。
あとは本当に分からない。上位にいる梶浦四段、八代弥六段、増田四段、三枚堂達也四段、石井健太郎四段が候補だが、梶浦四段が2位、増田四段の対戦相手がわずかに緩い気がしたので、この2人にした。
【結果】
藤井六段の昇級は当然として、対抗に挙げた梶浦四段、八代六段、三枚堂六段はそれぞれ4勝6敗、5勝5敗、5勝5敗と、期待を裏切った。
順位戦で、2年連続で好成績を収めるのはむずかしいのだ。
そんな中、都成五段の昇級は見事。順位3位の都成五段を候補に入れなかったのは、不明だった。
増田五段の昇級は幸運だったが、なんであっても上がればいいのだ。
以上、今年度は14の予想で7つ正解。これは当たったほうであろう。
来年度はパーフェクトの正解を目指す。