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アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(8月23日)の朝、静かな感動を伴ってこの本を読み終えました。

『ザ・ビジョン』(ケン・ブランチャード&ジェニー・ストーナー著、ダイヤモンド社、1,400円+税)

ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか
田辺 希久子
ダイヤモンド社

この本は『1分間マネジャー』の著者として世界的に有名なケン・ブランチャードがビジョンの専門家であるジェニー・ストーナーとともに書き下ろした物語で構成され、その中にビジョンを巡る理論が織り込まれています。

物語は、主人公エリー(経理部の中途入社の社員、やがてマーケティング部を経て独立するシングル・マザー)の再婚と、副主人公ジム(保険会社の社長)の死で終わります。

私はこの本を読んで、夫婦でも恋人でもない、ビジョン形成を巡る、まるで同志的な愛のかたちを読み取りました。

思いもよらない夫の浮気がもとで離婚し、専業主婦から一転して保険会社の経理部員になったエリーは、月曜日の朝6時半に会社に着き、一人の男性と出会います。最初は知らなかったのですが、その男性は、この会社の社長であるジムだったのです。

エリーは、ジムをメンターとしながら保険会社のビジョンのみならず、経理部、自分自身、家族、娘の学校のビジョンを作り上げます。
このプロセスは具体的で、本書が目指す「持続的なプロセスとしてのビジョンづくり」そのものです。
企業に属していない人にも大いに役立ちます。

生前にジムが用意していた「自分自身の死亡記事」が印象に残りました。

「はっきりした目的を持ち、その実現に一生懸命取り組み、きっと実現できると自分を信じる ― つまり『ビジョン』を持つことによって、どんな障害があろうと断固として前進していく」という意味の『全速前進!(フル・スティーム・アヘッド)』の原題を持つこの本のビジョンは、私が以前の学びから抱いていたビジョンよりかなり広いことが特徴です。

一言で言えば、先ほども書いた「持続的なプロセスとしてのビジョンづくり」に重きを置かれた本です。

その辺をまとめてみます。

1.ビジョンとは・・・・・自分は何者で、何を目指し、何を基準にして進んでいくかを理解することである。

2.説得力あるビジョンを生み出すための3つの基本要素
(1)有意義な目的・・・・・会社(組織)の存在意義を説明するもの

(2)明確な価値観・・・・・「目的」を達成するために、どんな行動をとればいいかを教えてくれるもの

(3)未来のイメージ・・・・・最終結果のイメージ。あいまいでなく、はっきりと思い描けるイメージ

3.ビジョンを現実に移しかえていくためのポイント
(1)ビジョンを創造するプロセス
(2)ビジョンを伝えるプロセス
(3)ビジョンを実践するプロセス

 

最近私は「リーダーの人間力」について研究しようとしてこの類の本を読んでいますが、この本もまた強くお勧めの本です。

なお、今までに私は「リーダーの人間力」に関して次のとおり記事を書いています。
ご参照ください。

◆7月20日付け リーダーの人間力(1):小説のお勧め

◆7月26日付け リーダーの人間力(2):本物のリーダーが書いた本

◆7月29日付け リーダーの人間力(3):人間力を備えたリーダーの5つの特質

◆8月12日付け リーダーの人間力(4): 「志」を持つこと

◆8月17日付け リーダーの人間力(5):本の紹介 『生き方』


<お目休めコーナー> 夕方の神楽坂の赤城神社

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