アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
◎ヒューマン・ギルドの提携組織であったサングラハ教育・心理研究所(主幹・岡野守也さん)の窮地を救うための応援プロジェクトがスタートします。
森 哲史さんと野口久美子さんと私の3人で始めました。
志のある方の応援をお願いします。
ヒューマン・ギルドは、来年の4月10日をもって設立40周年を迎えます。
その前哨戦として「サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話」を11月2日から9日まで7日間連続で書いていたのですが、あまりブログ読者の関心を惹きつけられなかったので、区切りをつけました。
ここからは、ヒューマン・ギルドを設立する前後の話です。
私がアドラー心理学を学び始めた1983年の時期に手に入るアドラー心理学の本は、次の3冊くらいでした。
『子どもの劣等感』(A・アドラー著、高橋堆治訳、誠信書房、原著名”The Education of Children”)
『子どものおいたちと心のなりたち』(A・アドラー著、岡田幸夫/郭 麗月訳、ミネルヴァ書房、原著名”The Science of Living”)
『アドラー心理学入門』(H・オーグラー著、西川好夫訳、清水弘文堂、原著名”Alfred Adler:The Man and His Work”)
この3冊に続いて見つけたのが1984年5月に発刊された『人生の意味の心理学』(A・アドラー著、高尾利数訳、春秋社、原著名”What Life Should Mean to You”)です。
この本には衝撃を受け、他の出版社からの本を含めると、10回近く読んでいます。
多くの方に読んでいただきたくなって、ヒューマン・ギルドを設立してから出版元の春秋社の営業担当の方と交渉してまとめ買いし、著者価格で分けてもらい受講者に勧めていました。
訳文だけでなく、「訳者あとがき」の内容は、今読み直してもほれぼれするほどです。
そのうち営業担当の方とアドラーの次の本として『人間知の心理学』(原著名”Menschenkentnis”)をドイツ語から高尾利数訳で出す予定であるとの情報が入りました。
私は、だとしたら日本アドラー心理学会が使っている訳語と統一することを思い立ち、編集責任者の紹介をお願いしました。
その結果実現したのが、当時の春秋社の編集長の岡野守也さん、訳者の高尾利数先生(法政大学教授)、アドラー心理学会会長の野田俊作先生、事務局長の私の四者会談による訳語統一でした。
『人生の意味の心理学』では「ライフスタイル」が「人生のスタイル」、「共同体感覚」が「社会的関心」と訳されていたのが、完全に統一されたのです。
岡野さんは、元々は牧師さんでしたが、春秋社に入り仏教書だけでなく、トランスパーソナル心理学とアドラー心理学を時代の心理学として目をつけておられたのです。
岡野さんを通じては、トランスパーソナル心理学を日本に広めた吉福伸逸さんをご紹介いただき、トランスパーソナル・ワークショップを2度ほどヒューマン・ギルドで開催しました。
また当時、千葉大学助教授だった諸富祥彦先生をもご紹介。
諸富先生は、ヒューマン・ギルドでいくつかの講座をご担当、数年間ヒューマン・ギルドの研修室で「悩める教師の会」を開いていました。
こうして思い返すと、ヒューマン・ギルドにアドラー心理学のみならず他の心理学への裾野を広げてくれた功績者が岡野守也さん、ということになります。
<数日後に続く>
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<お目休めコーナー>11月の花(15)