おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
またまた白石一文の小説を読んだので、紹介します。
『永遠のとなり』(白石一文、文春文庫、495円+税)
部下の自殺をきっかけにうつ病に罹り、会社を辞め妻子とも別れ、郷里に帰った青野精一郎と、肺がんを発病し、死の恐怖から逃れようとするかのように、結婚と離婚を繰り返してきた津田敦との、博多を舞台にした48歳の男たちの友情の物語です。
復活・再生を期待しながらも叶わぬ主人公からもどかしいような、やりせないような気分にさせられますが、うつ病に罹ったからこそ見えてくる人生を教えてもらえます。
「いままでの人生とは何だったのか? 私は一体どこでどう間違ってこんな羽目に陥ってしまったのか?」と自分に問いかけ、がんの再発で入院した津田敦に「幸せなんてグリコのおまけみたいなもんやと思うとる」と語りかける主人公に生きることの虚しさと切なさだけでなく、かすかな希望を感じさせてくれる小説でした。
◆白石一文の小説については、今までの次のとおり紹介しています。
2013年6月28日 夫婦愛の小説のお勧め:『快挙』(白石一文)
2017年4月18日 慎重なお勧め:小説『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上・下』
2017年4月26日 積極的なお勧めの小説:『彼が通る不思議なコースを私も』
2017年5月11日 究極の愛の小説:『一瞬の光』
<お目休めコーナー>7月の花(23)
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