おはようございます。
アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(11月8日)は13:30~16:30にカウンセリング演習(平日コース)を行っていました。

実技試験の前に話題になったのは、カウンセリングにおける共感と同情の違いです。
というのは、ベテラン・カウンセラーですら同情モードに入ってしまうことがあるし、カウンセリングの熟達者でもある領域のカウンセリングになると共感も難しい時もあるからです。
A.アドラーの共感の言葉を応用して、カウンセリング場面での共感を定義すれば 「クライアントの目で見、クライアントの耳で聞き、クライアントの心で感じること」と言っていいかもしれません。
カール・ロジャー―ズによる共感の定義は「クライアントの『今ここ』での気持ちを『あたかも』自分のことのように感じ、理解すること」です。
いずれにしろ、共感領域にいるかぎりは、ある程度冷静さが保てます。
ところが、同情モードに入ってしまうと、「カウンセラーの目で見、カウンセラーの耳で聞き、カウンセラーの心で感じること」になり、感情的にも揺さぶられてしまいます。
特に、自分自身の体験がクライアントの体験と重なり、冷静さが吹き飛び、つい逸脱した行為に走ることもありえます。
自分の体験を克服できないでいると、このような事態に発展しかねません。
それを回避するためには、セルフ・モニタリング・システムを働かせることですが、このことは「言うは易く行うのは難い」ことでもあります。
◆セルフ・モニタリング・システムが働かせられるようになるかを中心にお伝えするために「『名人伝』(中島敦)を素材とするカウンセリングのメタファー」シリーズを2018年3月に9回に渡って書いています。
第1期 執着期
第2期 格闘期
第3期 忘却期
の3段階に分けて書いています。
関心のある方は
1回目 3月3日
2回目 3月7日
3回目 3月8日
4回目 3月10日
5回目 3月11日
6回目 3月13日
7回目 3月15日
8回目 3月16日
9回目 3月20日
のブログをご参照ください。
最後にまとめます。
カウンセリングを学ぶということは、自分の体験したことのないクライアントの世界を共に歩むことで共感力を鍛え、そのことを通じてサポート力を高め、セルフ・モニタリング・システムを働かせたり、他者のフィードバックを受けながら自分自身の器を大きくし、対人関係力を高めることです。
付記します。
昨日は、カウンセリング演習に参加した人たちのフィードバックの高さに私自身も学ばせていただきました。
私も時々クライアントを体験をしながら自分自身の逸脱しがちな行動を是正できます。
こんな仲間と共に学べることに感謝しています。
◆アドラー心理学を学んでカウンセラーになるプロセスは こちら をご覧ください。
(クリックして勇気づけを)
<お目休めコーナー>11月の花(7)
