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IZUNOHANA’s blog

     後期高齢驀進中者の戯言

8月の新聞記事から・・・その二

2014-08-31 10:39:10 | この頃思う事

 「ゴーヤ」が綺麗に色付きました。秋とは関係ないですが・・・


 

[前回ブログのつづき]

 

③ 毎日新聞 8月13日付 [発信箱] 古本陽荘政治部著
 『静かな抑止力』
「抑止力を高めることで平和を維持するというが、かえって地域の不安定化を招いている」。
・・・そんななか、新しい抑止力の考え方が注目を集めている・・・「静かな抑止力」だ。
・・・静かな抑止力は「日本と敵対するよりは、友好的な関係に戻ることが国益になる」と中国に理解させる。
そういう状況を作ることこそが抑止力になるという考え方だ。
・・・勇ましい抑止力から、静かな抑止力へと軸足を移す局面に差し掛かっている


④ 同上 8月13日付 「水説」 中村秀明論説副委員長著
 『民はどこへ』
広島と長崎の「原爆の日」の式典で、安倍晋三首相のあいさつの冒頭3段落部分が、昨年とほとんど同じだったことが議論になっている。
6日の広島・・・「使い回しなんて被爆者に不誠実だ」という抗議を受け、3日後の長崎も・・・やはり「68年前」が「69年前」になっただけだった。
・・・実は、使い回し以上に気になったことがある。
違ったところ、変えた表現である。
・・・広島も長崎も、昨年はこうだった。
「私たち日本人は、唯一の、戦争被爆国民であります・・・・」
今年は違った。
「人類史上唯一の戦争被爆国として・・・」
核なき世界を目指す主語が「国民」から「国」になった。
「民」は消えた。
・・・作家・村上春樹さんのあいさつを思い出す。
2009年2月、エルサレム賞の授賞式。
・・・「私たちはみな、形のある生きた魂を持っています。システムにはそんなものはありません」
「システムに自己増殖をを許してはなりません。システムが私たちをつくったのでなく、私たちがシステムを作ったのです」
・・・今、世界のあちこちで「民族」や「自衛」、「宗教」、「経済発展」といったもっともらしい装いをまとい、国家や組織が自己増殖しつつある。
そして、個が押しつぶされそうな息苦しさが広がっている。
それは、この国も決して例外ではない・・・・。


⑤ 同上 8月15日付 「余録」

戦死やあわれ
兵隊の死ぬるやあわれ
遠い他国で、ひょんとしぬるや・・・

終戦の年の4月、フィリピンで戦死した竹内浩三の詩「骨をうたう」を読むたびに、戦後のこの国のありさまを見通したような死者のまなざしにたじろぐ。
・・・・

骨はききたかった
絶大な愛情の響きをききたかった
がらがらどんどんと事務と常識が流れ
故国は発展にいそがしかった
女は化粧にいそがしかった

・・・・
「事務と常識」といえば、東条英機が東京裁判でその国策を「合法の地位にあった官吏のとった方針」と釈明したのを思い出す。
適法な内閣が法にもとづき事を処理した積み重ねが今日に至ったと言う。
まるで政治決断でなく官吏の事務処理で起こった戦争のようだ。
・・・当面する事務や常識がもたらす成り行きのなか、忘れてならぬもの、見逃してはならない岐路を見失ってはいないか。
むしろそう自問せねばならないのは、戦争の経験者を日々失っていく今日の私たちだろう・・・

 

⑥ 同上 8月16日付 「浜矩子の危機真相」 同志社大学教授著
『愛国と反戦、国民と国家・・・この二つの重要な関係』
・・・・・・・・・愛国とは、国民が国家に奉仕することを意味しない。愛国は反戦の誓いだ。その誓いの主体は、あくまでも国民だ・・・・

 

以上、長々と引用させて貰ったが、8月くらい、真面目に考えることが大事であり、必要だと思っている・・・伊豆の花

 


 

 「サフランモドキ」が咲くと、確実に、雨になります・・・これ、ホント!

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8月の新聞記事から・・・その一

2014-08-31 07:33:57 | この頃思う事

  


 

きょうは、8月31日。
8月は、近代日本にとって、重要な転換を必要とした月である。
正直、余り、真剣に、考えた事はない。
しかし、最近の情勢から考えれば、関心は持ち続けなければならないと思う。

そう言いながらも、相変わらずの「新聞斜め読み」ではあるが、私が気になった記事を抜粋で、紹介したい。


① 毎日新聞8月15日付 「発信箱」 福本容子論説委員著
  
 『特になし』
・・・日本政策投資銀行が大企業の設備投資について聞いたもので、1000社超が回答。
どの成長分野に力を入れて行きたいか、という問いがあって、答えの選択肢には、再生可能エネルギー、環境、次世代自動車、医療、介護・子育て、インフラなど、政府の成長戦略に登場する代表がずらり。
で、一番は・・・。
「特になし」。
製造業の約3割、非製造業の約5割が選んだ。
・・・該当なし、とか、秘密にしたい、とかなら「その他」があるけど、回答はうんと少ない。
・・・まさにここに重大な病根がありそう。
企業の経営者に市場の開拓者になろうという貪欲さが全然足りない。
円安や株価や減税で助けてあげると楽になり、ますます貪欲じゃなくなる。
過保護路線は、もう転換を。

② 同上 8月14日付 「余録」

・・・作家の井上ひさしさんが少年時代に辞書を万引きして本屋のおばあさんにつかまった・・・おばあさんの井上少年への説教がある。
盗んだ辞書を手に取りながらおばあさんは言う。
「これを売ると100円のもうけ。坊やに持っていかれてしまうと、もうけはフイになって定価の500円の損が出る。その500円をかせぐには同じ本を5冊売らなければならない」・・・「うちは6人家族だから、こういう本をひと月に100冊も200冊も売らなければならない。でも、坊やのような人が30人もいてごらん。6人は餓死しなければならない。坊やのやったことは人殺しに近いんだよ」。
少年は薪割りを命じられた。
そして今日、書店が次々に町から消える背景には目に余る万引きの横行がある。
そんななか東京の古物商「まんだらけ」がアンティーク玩具を万引きしたとされる人物の画像をネットで公開すると警告した騒動である。
・・・警察の要請を受けて、公開が中止されたのは、私的制裁が許されない法治国家の原則からみて妥当だろう。
罪の意識の薄い万引きには「緩慢な殺人」というおばあさんの見方をそのまま投げかけたい。
・・・薪割りが片付くと、おばあさんは少年に辞書を渡した。
「代は薪割りの手間賃から差っ引いといたよ」。
少年は欲しいものは働いて買うものだと教えてくれた人生の恩人を大作家となった後も忘れなかった。

[次回につづく]


      

コメント (2)
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